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うつ株式会社#3 仕事開始

周りの静けさを壊すので、あわててスマホを観ると噂。。はしてないけど、噂の兄から

「仕事始めだね。頑張らなくていい、楽しめ!楽しみすぎるな、休みながら味わえ!」

ってメッセージ、きっと兄のことだから、周りで異動したり昇進したり転職した人々に送って居るんだろうな。もちろん新卒の自分の同期にも。

そこまで気を使うから、布団の中にいるはずなのに動くから、うつ病になるんだよ!治すのに集中しろ!といいたくなるが、この言葉を出すと兄の今までの人生を全否定してしまうようで怖くて言えない。

一度、自分の同期のことは構うなといったけど、「お前の同期だろ、妹弟みたいなものだ。」と切り捨てられた。気味悪がっている友達がいたら、止めることが出来るかとヒアリングしてみると、最初はビックリしたけど、今はなんかお兄さんが出来たみたいで安心感という肯定的な情報ばかりだったからなんかムカつく。昔、「最近、誰だっけ、お前の同期の。。演劇してる。。あいつ元気か?」とか言われて、懐かしいなと連絡してみると実は失恋して。。という話になったこともあるから、霊能力でも兄にはあるのか?というほど敏感だ。

兄の変化

でも、昔は「頑張るな、楽しめ!楽しむのが一番ラッキーだし力出せる」ってメッセージだった兄が「楽しみすぎるな、味わえ」なんて、何か変わった。

でも、変わってないかも

「おせっかいおまけ、携帯はマナーモードに!出来ていたらごめん。」

兄はスナイパーか?自分のことをどこからかみていたんじゃないか?と思うようなおせっかい。
確かにマナーモードにしていなかったから、会社行く前に言われるのは助かるが、そこまで予見能力あるのも悔しい。予見能力あるのに兄自身には発揮出来ていなく、うつ病になったのだから皮肉だ。医者の不養生。

そんなこと考えていると無事に出社もスムーズに終了。インターンシップ、研修からの正社員なので、もう仕事は分かっている。それにティール組織スタイルな会社なため、自分とチームメンバーの相性、役割の明確がされてからの内定になるので、私の役割は分かっている。

私の挑戦

私、オリジナルな役割は、医療介護分野への進出だ。この江戸部門は、うつ株式会社の中の人材派遣紹介業を中心に、再発防止と予防を実施している。今までは、比較的労働基準法が守られている分野や上場企業等コンプライアンスが高いところ相手にしていたサービスのターゲット拡大だ。自分にとっては兄への弔い合戦的な側面がある。今日は、午前に一件、午後に一件面談が入っている。自分の役割として最適な中間的な二件の事例だ。一件は、日本一の国立大学医学部卒業後に、病院に行かずに医師免許だけ取得して外資系コンサルタントに就職して活躍していてアソシエイトからプロジェクトマネージャーに同期の中で一番になれそうかという時に病気を発症してしまった市川さん。就職活動を始める前には普通に接していたが、マサチューセッツコンサルティンググループに自分も試験を受けて落ちてから尊敬する気持ちが勝手に上がっている。もう一件は、慶應義塾大学看護医療学部卒業後に看護師として働いた後に、結婚を機会に製薬企業に転職していたところ、実家での介護をきっかけに実家に帰り訪問看護ステーションを設立して経営していた秋葉さん。二人とも医療従事者の免許をお持ちなので、私の挑戦も可能だし、従来の方法も可能だ。やりたいことをしっかりと話す場所があって、チームの中で話すから、私の未来に繋がりそうなものは引き継いでくれるのが、うつ株式会社の魅力だと思う。

さぁ、面談だ

気かつくと市川さんとの面談時間が近づいてきた。早めに面談室にいると、市川さんがきた。

ジャーン!

突然の変な効果音と共に現れた。

今日は大丈夫かな?

と思っていると目の前にカーバンソンの紙袋!

え。。。

「今日から正社員でしょ、お祝いに並んできた」

いや、会社から近いけど、お店の気分でしか開かないし、午前中はほぼ開かないでしょ
疑問を口にする前に回答が

「昨日、並んできたんだ。まだ、デパートとかうるさくて行けないけど、あのお店なら外に並ぶだけだからさ、セロトニン出すための日向ぼっこの場所をあそこにしたんだよ」

こういう遠慮しなくてもいいような言い訳に頭が回って、さらっと言えて、気遣いするから最年少出世してきたことも納得だけど。。だから、うつ病になったんでしょ!

自分は、やはりうつ病患者さんのこの生真面目さ、配慮、優しさが好きだな
だからこそ、人のよさに乗っかっていく世の中を変えたい

こんなサプライズ出来るんだから安心だ
と始めましょうかと言うと

市川さんとは思えない言葉が

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