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うつ株式会社#14 面談勝負

「で、どうなの?」

今日の反省と初日の仕事の話の後、市川さんの経営者うつ対策ビジネスに関しての話の後の言葉だ。
東さんか何を聞きたいのかも、意図も分からない。いや、意図は長い付き合いで分かってきた。東さんに意見というか興味があるから、それでバイアスが生まれないように、東さんは自分の興味と戦って自分の意見をひきだそうとしている。
正直、この東さんへの対応策は、「面白いと思いません?」と、否定形疑問文で回答すると、東さんに着火できる。でも、そうなると今はいいが、自分自身も一緒に燃え上がって、流れに抗えなくなる。本当に危ない時は大手町さんがどこからともなく現れて自分達に適度な水掛け。。いや、江戸時代の火消しの様に燃えていることを教えてくれて、新しく燃え移らないように、燃え移りそうなものを除外してくれる。ちなみにこの分析は、大手町さんと面談した時に東さんと自分の関係を面白そうに冷やかしながら教えてくれた。

よし。
覚悟を決めた。

覚悟を決めて、この言葉を出す。
やってみたい。いや、やりたい。いやいや、やらして欲しい。
だからこそ、東さんの頭の中の情報を引っ張り出したい

「面白いと思いません?」

(沈黙)

「ぐ。。いや、俺の質問が悪かった。お前はやりたいの?」

あれ?
拍子抜け、というか、東さんも成長している。
ティール組織は、役割にそってどんどん成長すると学んだが、他人がここまで進化していることにビックリする。いくつになっても、本当に人って変われるんだ。

「うつ株式会社しか、出来ないやり方だと思います。いや、うつ株式会社が、やらなければならないものだと思います。」

なんか自分が会社の代表になったような感じで、格好よく言えたと少し自己陶酔していると

「大事なことだから、何度でも注意する。【やらなければならない】なんて、【must】【べき論】【have to】表現は使うな。言葉にしているってことは、そういう風に普段から考えているのだと思う。マザーテレサの言葉を借りると思考を気をつけなさい、言葉に出るから、言葉に気をつけなさい行動に出るから、行動に気を付けなさい、習慣になるから、習慣に気をつけなさい、性格になるから。。。そっから先は忘れたが、最終的に人生になるからと結びつけられる言葉だ。なんか短い気もするが、東バージョンってことで!
そうなんだ。表現一つで、知らない間に自分を縛り付ける。本当に気を付けろ。そして、表現というのは、怖いもので、手段としての表現が強すぎると目的にとって変わられる。やらなきゃじゃなくて、お前はやりたいの?wantなの?」

大手町さんから染み込んできたのだろうなぁというチラホラ英語表現、人の表現で分かりやすいものはどんどん懐に入れる、そして、人に合わせて言葉を選びあげるところは、東ディレクターここにありだ。

「やりたいです。」

シンプルに答えると、顔を覗きこまれた。
この人の表情と勝手に会話をする能力、正直苦手だ。手に入れたい能力だし、この能力のお陰で江戸チームが生まれ育ってきたのも分かる。

「やらせてください!やってみたいです!」

?ん?
気がつくと、結局考えていた言葉を引き出され会話の主導権とられた。自分の言葉で言霊でもあるが、なんか悔しい。

「よし、きたぁ!そうだよな、この方法面白いよな!」

お。。。リアルに勝負していたし、勝負になっていたようだ、燃え上がりモードに入った。
それにしても、ここ数ヶ月で東さん変わったなぁ
業務は江戸チームで実施していたが、面談は就職前の研修ということで東さんと自分の面談は久しぶりなのだ。全く顔を合わせていなかったという訳でもなく、食事にいく、休憩する、とかしていたが、他のメンバーもいたので深いコミュニケーションはしていなかった。江戸っ子、東の懐深さは大きくなっていた。こういう上司がいっぱいいると、うつ病になる人も減るんじゃないかなぁ

東さんの考え

なんて考えていると、東さんの会話に置いていかれそうなぐらい、東さんの会話は進んでいる。東さんはたまに頭の回転に口がついていっていない時がある。突っ込むとオフモードの時は江戸っ子「べらんめぇ」ですまされてしまう。
「相談役っていって経営層にサービスを展開するというのは、面白いよな。今のままだとうちのチームも手間隙かけたクラウドワークスとかランサーズみたいなものになってしまうんじゃないかなと思っていたのよ」
※クラウドワークス。ランサーズ。→仕事のマッチングサービスプラットフォームの会社。自営業のデザイナーとカフェ起業でのロゴやデザイン発注等が行われている。アメリカのデザインビジネスマッチングサービスdribbble.comの採用除いた業務委託マッチング。
「コルクさんのようにプロデュースを外注する時代、自分のメンタルコントロールも外注していいよな。っていうか、大阪なおみ選手はメンタルコーチの効果だっていうし、最近は起業家うつという言葉も出てきたから、尚更必要だよな。それに中小企業のおっちゃんたち後継者いなくて廃業のタイミング悩んでいて病気になっている人もいるよ。大企業に必要っていうけど、町工場のおっちゃんたち助けたいよ。おっちゃんたちのお陰で日本の技術力支えられてきているんだからな」

最初の仕事のマッチングを墨田区の中小経営者の方々に助けられて始めたため、東さんには墨田区を中心としたあずまさんの言葉を借りると下町おっちゃんネットワークがある。もう具体的に助けたい人の顔も浮かび上がってきているようで、東さんの指は数える動きをしている。

加速してしまった東ディレクター
明日控えている市川さん面談

やらせてください!
って言ったけど、なんとなく向かう先のイメージが盛り上がっている状態だけになってきた。。
どこに向かうのだろう?

いや、その考えじゃあかん
どこに向かいたいか?

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