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2021年12月前半日記(日の入りの時刻について、映画「ひらいて」「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」「ワン・プラス・ワン」など)

12月×日
仕事の関係で、日の出の時刻と日の入りの時刻をチェックしている。
今まで日の出・日の入りの時刻なんて気にしたことがなかったからなかなか面白い。
11月の4週目くらいまでは、だいたい毎日、日の出の時刻が一分遅くなり、日の入りの時刻が一分早くなっていた。
しかしここ何日か変化が。
日の出の時刻は相変わらず、一日一分くらいのペースで遅くなっているが、日の入りの時刻がしばらく変わっていない。
16時28分。
一年で一番昼の時間が短い日(冬至)は、今年は12月21日らしいが、日の入りの時刻の早さはここらへんが底らしい。

この時期になると気が滅入ることが多くなる。
冬季鬱って言うほどではないけれど。
日照時間も関係しているんじゃないかと思うので、だんだん日が暮れるのが遅くなるのはありがたい。

12月×日
テアトル新宿で「ひらいて」(首藤凜監督)
片思いのクラスメート(男)に受け入れられなかった主人公(女)が、その男子がひそかに付き合っている同級生(女)に近づいて誘惑して・・・という、まあちょっと変わった三角関係の話。
なにかひどく狭い世界の話、という印象。
いや、狭い世界というのは違うか。
なにかとても閉塞した感じ。
出口のないエネルギーが内側に向かっているような。
引きの画でいくつか魅力的なシーンあり。
特に夜の学校に侵入する際のロングショット。
総じて面白く見ることができたけど、ラストの主人公の行動とセリフは唐突に感じた。
原作通りだとしても。

12月×日
TOHOシネマズシャンテで「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」(スティーヴン・キジャック監督)。
実在したバンド「ザ・スミス」の解散をきっかけに、アメリカのとある町で巻き起こるちょっとした騒動と、その町の5人の若者の一夜の物語。
ネットのレビューで、「ザ・スミスが好きじゃないと楽しめない」なんて書いてあったが、全くそんなことは無かった。
ぼくは当時からザ・スミスは全然ピンと来なくて、アルバムも試しに1枚買ったけど、やっぱりダメだったのを憶えている。
この映画でずっと流れているザ・スミスの曲も特に良いとは思えなかった。
でもこの映画は悪くない。
ちょっと薄口だけど。
5人の若者がそれぞれちゃんと描かれていている。
ザ・スミス全然好きじゃなくても楽しめました。
まあ、ザ・スミスが好きな人はより楽しめるんだろう。
ネットのレビューってほとんど参考にすることは無いけれども、読むのは嫌いじゃない。
「主人公の一人が平気で万引きをするからこの映画は駄目だと思います」
みたいな、モノスゴイレビューがあったりして面白い。

12月×日
新宿ピカデリーで「ワンプラスワン」(ジャン・リュック・ゴダール監督)。
もう30年以上前に一度観て、死ぬほど退屈したのを憶えている。
ローリングストーンズの「悪魔を憐れむ歌」のレコーディング風景に、それ以外の映像を組み合わせた映画なのだが、「それ以外」の部分がもう退屈で退屈で。
だから今回は観るつもりは無かったのだが、最近「悪魔を憐れむ歌」の入ったアルバム「ベガーズバンケット」のCDを買って(買いなおして)、そのことをnoteに書いたのと、この間観た映画「ひらいて」の中で、「ロックスターは27歳で死ぬから」みたいなモノローグが出てきて(まあ映画の中ではちょっと浮いて聞こえたけれども)、その27歳で死んだロックスターの一人であるブライアン・ジョーンズの姿が拝める映画だということもあって、なんとなくつながりを感じて、もう一度見てみることにした。
結論から言うと、悪くなかった。
ものすごく退屈だ、という覚悟をして行ったから、というのが大きいとは思うのだが、案外楽しめた。
ストーンズ以外の部分も、若い女に林の中でインタビューするシーンのカメラの動きとか悪くないし、自動車廃棄所(修理工場?)の雰囲気も良い(ちょっと長いけど)。
あと20分切ってくれたら傑作と言っても良いんじゃないか

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ストーンズに関して。
ストーンズ好きはよく、ストーンズは結局キースだよな、とか、いやキースとチャーリーのコンビネーションこそがストーンズだ、とか言うけれども、ま、それも間違ってはいないんだろうが、やっぱりストーンズはまずミックありきなんだな、と思った。

そしてブライアン・ジョーンズ。
やっぱりブライアン・ジョーンズがこのレコーディングで、もう「用済み」って扱いをされているのを見るのは非常に切ない。
生気のない顔でギターをかき鳴らすこの若者が、バンド結成当初はリーダーだったこと、このレコーディングの少し後にバンドを首になること、さらにその少し後に自宅のプールで死体で発見されること、を知っていると特に。

12月×日
新宿の紀伊国屋で文庫本を2冊。
「ひらいて」(綿矢りさ)
「化鳥・三尺角」(泉鏡花)
綿矢りさは初めて。こないだ観た映画がちょっと気になって。
泉鏡花はいくつか読んではいるが、なにか根本的なところでよくわからない。なんか同じ時代に活躍した他の作家と比べても圧倒的にわからないんだよな。それが何なんだろう、とずっと思っていて、わからないな、と思いつつまだちょっとずつ読んでいる。

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もっとも買ったからといって読むとは限らない。
最近はすでに持っている本を読み返すことばかりで新しい本をあんまり読んでいない。
この2冊も積読になってしまう予感も・・・。

12月×日
昨日まで16時28分だった日の入りの時刻が、今日は16時29分に。
冬はこれからだが、日はだんだんと長くなっていくようだ。

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