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【台湾語学留学 クラス紹介】書法と各行各業說中文

帰国してからだいぶ時間が経ってしまっている。しかし、そう、毎回の投稿の最下部につけている「日記がわりのツイート記録」が帰国日に達するまでは、歯を食いしばって更新を続けなければいけないのである。

きょうメモを残しておきたいのは、冬学期に受けたクラス、残りふたつ。ちなみにこれまでに書いたクラス紹介はこちら。

選択の文化系科目「書法」

ひとつめが書法。日本語にするならば「書道」。

普通の科目は宿題があったり、クラスの前でプレゼンテーションをしなきゃいけない課題があったり、講義外での自習時間をそれなりに確保しないといけない。一方この「書法」は教室内でわいわい筆を取るだけの文化系科目だった。

文化系の科目は他には國畫(要するに水墨画)、太極拳、麻雀&台湾将棋があったみたい。私は絵のセンスはないし、運動神経も悪いし、麻雀もやったことない。一方で字を書くくらいならまあまあ人並みにはできる。

実は秋学期のときも受講を申請していたのだが、なんと落ちてしまうというアクシデントに見舞われた。科目申請が先着順と聞いてはいたけれど、まさかそんなに人気のある科目だとは想像もしていなかった。冬学期は環島しながら日付が変わった直後に申請した。

本当にリラックス系の授業だった。

講師を務めるのは語学センターの専任講師ではなく、業務委託かアルバイトとして、この時間だけ講義を受け持っている30代前半の男性講師。このクラスは中国語の初級レベルの人も参加するのだけれど、ほとんど英語はしゃべれない男性講師だった。難しい説明に差し掛かると中国語がすでに上級レベルに達した学生が同時通訳させられていた。

書道なんて小学校のとき以来20年以上ぶりだったと思う。おもしろかったのは字の大きさの違い。日本だったら半紙にどん!っと書くけれど、この授業で渡された和紙(和紙ではないか?)には10センチ強のマス目が印刷されていて、そのなかに書いていくスタイルだった。

日本の書道では止め、跳ね、はらい、いずれも一筆書きで、画数が1なら途中で筆を紙から離すことは推奨されなかったように思う。が、この講義では講師役の男性は何のためらいもなく1画を何回かにわけて「描いていた」。そう、書くというより「描く」という感じなのであった。

まわりは欧米人が多いので、ほとんどの人が、もうまったくといっていいほど字形が整わない。そこへいくと、筆には不慣れでも漢字を書くこと自体には慣れている我々日本人は、何をどう書いてもそこそこバランスが整うのであった。何十年と書いてきた蓄積ってすごいんだなあ。

授業当日になって突然「きょうは休講です」と言われることも複数回あり、学費を払っている身からすると、講師に対して正直「いくらなんでもテキトーすぎるんじゃないか」と思う場面もあった。

ただこの講師も話してみると悪い人ではない。いとこが日本人と結婚したとかで日本にも何度か行ったことがあるらしく、「神保町って知ってるか? 神保町には貴重な書道に関する書物が売られている店があるんだ」などと話していた。きっと本職はちゃんとした書道の研究家なのかも。

故宮博物館について話し出したときも「王羲之の書があるから白菜と豚の角煮だけじゃなくてちゃんと見てきてくれ」って言ってたな。

わたしは春聯に「平安」と書いてもらいました

春節のちょっとまえには、それぞれの学生に「好きな成語はなに?」などと聞いてまわり、春聯に書いてあげるっていうサービスもしていた。そのせいでその日の授業はまるまる潰れちゃったんだけど。

選択科目「各行各業說中文」

これは文化系ではなく、普通に教室に座って受けるタイプの真面目系科目。

各行各業は「いろんな職業、いろんな業種」みたいな意味のようだった。要するに総合科目で勉強している教科書チックな言語よりは、もうちょっとビジネス寄り、実用寄りのボキャブラリーや言い回しを勉強しましょうという科目。

マーケティング用語が出てきたり職場で使うおべっか用語が出てきたりとそれなりに面白かったけれど、もともと市販の教科書が存在するのを、あまり適法とはいえない方法でコピーして配っている感があって、著作権は守りたい派の自分としては微妙な気分になったのも事実。

「自分の国の有名ブランドと、企業が講じたブランドの活性化策を紹介してください」というプレゼン課題が出されたりして、各学生がいろいろ教え合ったのは面白くはあった(ちなみに私はキンチョーの脱皮缶を紹介した)。

ただ、その次週に「クラスメート同士でその有名ブランドを融合させた新商品を考えて作りなさい」みたいな無茶振り課題がでるなど、少し面倒だと思う場面もあった。

秋学期の選択科目は時事問題を討論するクラスがあったり、ガイドツアーのガイド役になって中国語を勉強しようというクラスがあったり、あるいは絵本を読んでみようというクラスがあったり…というのと比べると、このクラスは教室内ですべてが完結していた。やや退屈さを感じたのも否めない。

唯一、このクラスはお昼前の開講だったので、授業の終了後に同學たちと毎回お昼ご飯に行くのが楽しみだった。フランス人男子が「我們的傳統」と言い出して、みんなでなぜか毎回水餃子を食べにいくのだった。

我們的傳統

【2023年2月4日の日記】

この日のハイライトはなんといっても台南郊外の鹽水に足を運び、「世界一危険」といわれる奇祭を楽しんできたこと。その様子は今年2月、下の投稿に記した通りである。いまみても、ああ、楽しかったなあ。

↑の投稿にはないけれど、結構当日ツイートも残していたようだ↓

結構苦労して台南まで戻ってきたこの日。なんだかもうちょっとだけ余韻に浸っていたくて、みんなで公園に向かい、その中華風の東屋の下を即席Barにしたのだった。

↑このツイートの写真に写っている台灣啤酒の「プレミアム」という種類、ちゃんと見ていなかったんだけど、アルコール度数が9%。ビールでこの度数はかなりやばい。実際わたしはこの夜、記憶を無くしている。世界一危険な奇祭に参加したその日の夜、ある意味世界一危険なビールを飲んでしまったのであった。

これだけ遊びまくっているわけだから、この日、机に向かっての勉強時間はゼロ。

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