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人生フラクタル。

朝、目が覚めて思った。

昨日は本当に辛かったけど
疲れて果ててしまったけど

眠って起きれば
もうそれは前日のこと。

今朝はまた新しい1日の始まり。

昨日のことはリセットされ、
過去のものとなった。

これからは「今日」という名の、
明日を生きることができる。

ああ、なんて素晴らしい。ありがたい。
このシステムを創ったヤツは天才だ。

なんて。

ツラいことがあった翌日に、
気持ちが悪いほどに前向きになっていた。

「一日一生」という言葉のおかげだ。

「一日一生」という言葉は
夫から教えてもらった。

夫が小学6年のとき、
書道の授業で書いた言葉だそうだ。

「好きな言葉を書く」というお題。
周囲は「勇気」「継続」といった
類の言葉を書いてる中、

夫はなぜか
「一日一生」という言葉を選んだ。

なぜこの言葉を選び、書いたのかは
本人は、まったく覚えてないらしい。

ただそのときに

「おい。お前はこの言葉を
理解して書いているのか?
だとしたら、お前はすごいぞ」

と滅多に誉めない夫の父が、
字を見たときに
珍しく誉めてくれたらしい。
それが嬉しくて、記憶に残ったのだと。

「一日一生」。

誰の言葉だろう。
気になって検索してみたら、

「阿闍梨」という位の高いお坊さんである、
酒井雄哉さんという方の言葉だった。

本が出版されていることを知り、
即ポチる。

読んでみれば、まったく説教臭さはなく、
平易な言葉で日常のことが綴られた、

底なしの愛を感じる愛の本だった。

毎日、我々は
朝起きると生まれ、
夜眠るときに死ぬ。

夜、お布団に入って眠る直前に

「今日もいい日だったなあ。
楽しかったなあ」

と思いながら眠れたなら、
人生はフラクタル。

きっと
死ぬ間際にも、そう思える気がする。

人生という一見長いスパンも、
分解すれば1日1日の積み重ねだもの。

つまり、毎晩
「楽しかったなあ」と感じながら眠れれば
もはや人生は成功だ。

だからこそ朝、起きたときには
呼吸できていること、
また今日という日を生きていけることに
感謝したくなる。

そういやうちの夫は毎朝、
雛のような寝ぐせと半開きの目のまま

「おはよう。今日も無事、
生まれたてのオジサンが生まれたよ」

とよろめきながら起きてくる。

やはり義理の父が言う通り、
彼は「一日一生」の言葉を
無自覚に理解している。

さすがだ。

ぜひ夫にもこの本を読んでほしい。

私の本はドッグイヤーと赤線だらけに
なってしまったので、
新しく購入することにした。

できることなれば
小学6年の夫にプレゼントしたい。

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