この映画のここんとこが五億点!(15) 『ビッグ・ショット・ダディ』(2008年の映画)
よく来たな。コンテンツライターのお望月さんだよ。
俺は毎日映画レビューを書いているが微妙な点数(低すぎず高すぎず)に関しては誰からも注目を浴びていない。この連続企画はそんな映画の「ここが五億点!」というポイントを400文字くらいを目安に短期間で更新をする企画です。
『ビッグ・ショット・ダディ』
あらすじ
情けない文学者気取りのロビン・ウィリアムスの息子は(自主規制)主義者の性格破綻者で(自主規制)ニーに耽る問題児。学校では成績も破綻して退学寸前であり友人も一人しかいない。父親の交際相手や隣の老婆に(自主規制)する剛の者であり、ある日突然窒息(自主規制)ニーの流れでアッサリ死んでしまう。
父親は事実を隠蔽して偽造した遺書は「青少年故の儚く美しい物語」という感動ドラマとして世間にバカ受け、父親の思惑を超え政治利用され感動ポルノとして消費されていく。
ここんところが五億点!
(結末に関するネタバレを含みます)
学校では誰も息子のことに注意を払う者はおらず「誰もを知らない」ことをいいことに息子の死の付加価値化を計画する父親。こうして死者の偶像化が始まり生徒は「親友だったんだ!」「形見をくれ!」「彼の星座は?」「家族は?」「勇気をもらいました!」「かわいそうな父親抱いて!」「調べてみました!」とエスカレートしていくという流れが非常に悪意に満ち満ちた秀逸さで本当に見ていて気持ち悪い。凄まじい手腕の冴えだ。裏「ドニー・ダーコ」とでもいうべきか。あまりにも無価値な死を徹底して背筋が凍ってしまう。誰も知らない架空の《彼》を崇拝する輪が広がり続ける様子が非常に怖いハートフルホラー作品である。
残り10分。あらゆる形でコンテンツ消費されることになった息子の死。父親本人の実力ではなく、悲劇ポルノの主人公としてだけ利用される姿に耐えれられなくなった父親は公衆の面前ですべてを暴露してすべての衣服を脱ぎふぐりをまき散らしながら飛び込んでいく。
非常に美しく爽快で破滅的なエンディング!!すばらしい!
という、この時点で五億点なのですが、これではあまりに救いがない。
実は最終シーンが残っています。
主人公の真の筆力を理解する隣人老婆と死んだ息子のただ一人の友人。
彼らと一緒に「ゾンビ」を見るシーンが非常に染み渡ります。
あなたは家族と話しているだろか。インターネットに甘えていないだろうか。掛け値なしであなたのことを知る人々と好きな映画を見る。それ以上の幸福はあるだろうか。
心強い肯定感のある力強い映画です。
▼「ドニー・ダーコ」の同時摂取もお勧めします。
▼目次と企画のあらまし
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