内田敦子

内田敦子

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心にいつも茨木のり子を

桜の季節になると、敬愛する茨木のり子さんの詩「さくら」を思い出す。 ことしも生きて さくらを見ています ひとは生涯に 何回ぐらいさくらをみるのかしら 冒頭の一節。大学生の時にこの詩に出会い、初めて、人生の終わりまでの時間に薄らとだが輪郭が浮かび上がったことを覚えている。 茨木のり子さんの詩は、ぼんやりしている私の背中をいつもバシッ!と叩いてくれて、この一生を生き抜こうという「生」への真摯な思いを取り戻させてくれるから好きだ。これまでに何度も救われてきました。 最近、同

    • 忘れそうになるとき

      綺麗な思い出は綺麗なままにしておきたいし、醜い思い出もまた醜いままにしておきたい。 自分に残った傷痕を「あれも必要な経験だった」と言って、過去の肯定のために思い出に変換して美化するような作業はしたくないなと思う。 あの頃の私の気持ちは、あの頃の私にしかわからない。わかったような気になるのなら、例え未来(現在)の私自身でさえも許すことはできないんじゃないか。 自分の心は自分だけが知っていて、自分の心を守れるのは自分だけ。 昔は、誰かを許せないことに随分悩んでいたけれど、

      • ジョジョが人生の行き先を決めてくれているのではないだろうか、という話。

        去年12月にジャンプチャンネルで配信された『ジョジョの奇妙な冒険』の公式番組に出演させていただきました。 その前年も出演させていただいた『ジョジョの奇妙なクイズ番組』の第2弾として放送されたものです。再び携わることができ、大変光栄です。 ジョジョは私の人生の中でも最大級に大切な作品です。逃げ場のない現実世界から唯一逃れられる居場所を教えてくれた、私の救世主となってくれた存在です。 第一回の収録があったのが2022年11月の半ば。実はその時点ではその年の内に転職先を決めて

        • 赴くままに

          内田敦子と申します。 noteアカウントを開設いたしました。 いまVジャンプという月刊漫画雑誌で、『うちだのおにわ』というコラムを連載させてもらっています。 毎月原稿を書く度に「もっとたくさんの言葉を、たくさんの感情を知っていたら」と、自分のあらゆる面での無知さの壁にぶつかっています。 散らかった思考を、文字表現として纏められる訓練になったらいいなと思いnoteを開設しました。 あまり重くならずに、暗くならずに、心に移りゆくよしなしごとを書き留めていきたいと思います。

        心にいつも茨木のり子を