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お金も人脈もない人こそ、地方で挑戦すべき理由

日本の経済成長が芳しくないのは周知の事実ですが、地方の経済はそれ以上にやばいと言わざるを得ません。

弊社が位置する酒田市は、毎年1%以上の人口減少が続いており、弊社が創業した2011年から比較すると、なんと13%近い人口が消失しています。

その内訳を見ると、高齢者が大幅に増加して40%近い構成比を占めるようになった反面、生産年齢人口、及び14歳以下の人口の絶対数と構成比は減少しています。

経済の主役である生産年齢人口にいたっては、10年前から実に絶対数で22%も減少しており、実際に地元の企業が次々と倒れているのを見てそのやばさを痛感しています。

もちろん行政もこの状況をなんとかしようと様々な施策を講じていますが、人口減に歯止めはかからず、この先もっと生産年齢人口の減少は加速していくでしょう。

それでも、私は地方でビジネスに挑戦することを悲観的に捉えていません。

むしろ、20代、30代の私と同世代の人にとって、下記の3つの理由で地方でのビジネスはチャンスだらけで、個人的に都心に住むお金も人脈もない人は地方で起業すべきだと思っています。

  1. 競争が少ない

  2. 仕事経験が強みになる

  3. コスト優位性がある

1. 競争が少ない

いうまでもなく、都会にくらべて地方は競争が少ないです。
私は東京在住で地方の会社を経営していますが、会社や経営者の数は圧倒的に東京の方が多いです。

また、経営者の気質も東京と地方ではかなりの違いを感じます。東京の経営者は競争好きで向上心が高く、事業のスケールを目指しています。一方、地方の経営者は2代目や3代目などの後継者が多く、攻めるよりも今ある会社や社員を守りたいという想いの強い方が多いです。

ですから、東京と比べると地方の市場環境は競争がないに等しいと感じられます。

競争が少ない、ということは、新しいことに挑戦したい人にとってメリットがあります。
例えば、補助金や助成金などは限られた予算をその地域の会社で取り合うわけですが、東京や国の補助金や助成金に対して、地方の補助金は明らかに採択されやすいです。

私見ですが、地方は補助金や助成金を利用して新しい取り組みを試みる会社が少ないということなのではないか、と考えています。

ビジネスは基本的にブルーオーシャンが望ましいので、そういう意味で地方での創業はメリットがあるのではないでしょうか。

2. 仕事経験が強みになる

地方の問題でもあるのですが、地方の会社はネットリテラシーがかなり低いです。

SNS運用やウェブマーケティングのようなグロースのためのリテラシーはもちろんですが、初歩的なスプレッドシートやドキュメントなどのサービスやSlack、チャットワークといったコミュニケーションツールの利用すら進んでいない会社がほとんどです。

ある程度規模のある企業で働いた経験があるならこのようなツールに触れたことがあるかと思いますが、地方ではこういった経験がすごく役に立ちます。

実際、私の会社もSlackやZOOMを取り入れたことで大幅にコミュニケーションのスピードが上がりましたし、リモートでも最低限の経営ができています。

3. コスト優位性がある

容易に想像できることですが、都心と比べると、地方の経営にかかるコストは非常に安く抑えることができます。

特に顕著なのが家賃で、弊社のある酒田市と東京23区を比べると、酒田市の事業用物件の家賃は23区内の7分の1程度だと感じています。

一方、製造する商品は都会とも遜色がない品質であることが多く、全国を視野に入れてビジネスを営むと、コスト優位性が働きます。

実際、弊社の商品は地元ではどちらかというと高めの値段設定だと言われておりますが、東京のお客様からは安いというお声をいただくことが多いです。

弊社はECの売上が60%以上を占めており、地方で作って都心のお客様に販売することでコスト優位性が発揮できています。

地方のビジネスはチャンスだらけ

私は社会人3年目で東京で起業して独立しましたが、その頃に地方の市場環境を知っていたら間違いなく地方でビジネスを始めていたと思います。

東京に事務所を構えて無駄に高い家賃を払ったり、人材獲得競争に勝つために高い給料を払うのは、創業したての会社にとってはマイナスでしかありません。
もちろん、投資家からの資金調達を前提としてスピード感を持ってスケールすることを目標とするのであれば、東京で創業することは正しい選択です。

ですが、スケールする予定がなく、スモールスタートしたいのであれば、間違いなく地方での起業・創業はプラスに働くと思います。

これからビジネスを始めようとしている若い方は、地方での創業を考えてみてはいかがでしょうか。

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