短歌まとめ2023年12月
12月は「なにぬねの」の折句にねこを入れた「なにぬねのねこ短歌」というものを思いつき、夢中で50首つくりました。その中からふたつ。
なにぬねのにわか仕込みのヌンチャクか猫が顔出す呑気な短歌
何度でも逃げろピンチを抜け出してネコ型ロボはのび太の味方
ほかの「なにぬねのねこ短歌」は50首まとめて載せていますので、あとはそれ以外を。
ひき肉が流行なのと問う母よごめん俺には説明できん
葉を落とし剪定されし大銀杏 切断面はオブジェのごとし
昨日まであった神社の松の木が年輪だけを残して消えた
ヤマガラが小枝にとまりきょろきょろと山吹色の胸膨らませ
ドラクエの小さな村の地下室の壺割っていたクリスマスの夜
椅子のうえ胡坐をかいて膝のうえ本を乗せれば至福のダルマ
だんだんと昼が短くなってきて夕日を背負い下校する子ら
あなたって頼らない人だよねって言われたホホウそういやそうだ
雪の日の小学生は前かがみ冬休みまであと二週間
野兎の姿見たことないけれど今年も会えた雪のあしあと
お隣のピアノはいつも土曜日の午後二時過ぎに聴こえてくるよ
俺の用もう済んだから行こうぜと糞処理係ひっぱる柴犬
フィーフィーの声に見上げし樹の枝に紅いスヌード膨らませウソ
年末の窓口だいぶ待たされてスマホの画像つい消しすぎた
脳みそのフタが開いたら溢れ出すものを追いかけ宮崎駿
寒さ増し取り出し着れば編み目から去年が香るアランセーター
アツアツのお餅が硬くなったよに元に戻らぬ冷えた足先
都会っ子目を丸くする雪明かり光る障子は夢かうつつか
エゾリスとエゾモモンガとエゾオコジョ エゾシマリスにエゾナキウサギ
冬休み子犬のようにじゃれあって箸転げたか中学生よ
ゆっくりと頁をめくる冬の夜ブラッドベリを一日一話
西の空今年最後の満月が零下の夜明けそっと見守る
年末の刺身求めし売り場にはバヌアツ産のマグロが並ぶ
戦争を知らず育った私が戦渦を知るもただ大晦日
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