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短歌まとめ2023年11月

11月は、11/1わんわんわんの「犬の日」の短歌からスタートしました。

黒ラブのメトロノームは正確に ぱたぱたぱたとヨロコビきざむ

茶色くて映えないけれどきみが好き鶏の唐揚げきんぴらごぼう

ハロウィンの「大阪メロディー」やっぱアレ トリは今年も上沼恵美子

点描の銀杏黄葉は音もなく空から地へとカンバス移し

晩秋のイチョウ描きし日めくり画 緑から黄に空から大地に

朝市の渋柿五キロ五百円よたりよたりと転ばぬように

好きなものまたひとつ増えほくほくと嬉し美味しの茹で落花生

ひらがなのへとカタカナのヘはふしぎ平城京へイスカンダルヘ

そのうちに治るさこんなかすり傷わかってるけど今はいたいよ

木枯らしに舞いたかったと落ち葉達11月の強風夏日

立冬と知りて喜びいや増せり今年最初の鍋焼きうどん

らんまんの庭の草の葉とり終えて 今朝は羽鳥に3210トゥリー、トゥ、ワン、ゼロ

つよポンをお茶の間で見る嬉しさよ今朝もブギウギ心ウキウキ

顔の横みんなが垂らすあの髪をなんと呼ぶのかそっと検索

くるくると皮を剥かれて吊るされて揉まれ揉まれて干し柿となる

散歩道あのベランダもあののきも我をあせらす柿のカーテン

ヤレヤレと腰に手を当てニヤニヤと仰ぐ干し柿美味しくなあれ

あっマスク忘れたヤバいそんな夢このごろやっと見なくなったよ

懐かしきあの街に住む友からの珈琲豆と短き手紙

熊見たら静かに去れというけれどたぶん無理だわあらあらかしこ

丁寧に急須で淹れたお茶を飲む ただそれだけのことなのだけど

揚げたてを売っていたのと笑う君ほくりと割ってくれたコロッケ

ジャリジャリの砂糖の下はスパイスが効いてる君はシナモンロール

大谷の犬が気になる可愛くてお利口さんで何食べてるの

ウエストがゴムなの楽で良いけれど片道切符もう戻れない

あの猫は気難しげな哲学者いつも窓から何かを見てる

何をすることもできずに病院の待合室の四角いソファ

朝仕事きょうの風向き確かめて美味しくなれと吊るし柿揉む

悪い事していないのに「すみません回送中」と腰低きバス

「いまちょっと危なかったね交差点」穏やかに君ごめんありがと

一晩のうちにもみじは地に降りて我を迎えし赤き緞通だんつう

電柱におりし猛禽 図鑑見て名を知るのすりなぜ狂う鳥

オレンジの毛糸の帽子揺れているいつもの君の冬のスタイル

角の犬新しい芸覚えたよわたしを見るとおしりを向ける

手を振らず声もかけねばあちらでも心得たもの目を合わすのみ

葉の落ちし梢の幹をのぼる鳥 名を尋ねれば「あれはキバシリ」



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