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道徳科における導入の工夫

授業では、どの教科にも「導入」があります。
本号では、その「導入」について深掘りしていきます。

1 導入は何のために

「導入」とは授業の入り口のことです。
つまり、学習に対する構えを作り、学習活動への心と頭を準備する時間なのです。
100m走で例えると・・・
スタートの合図が鳴った瞬間から、スピードに乗るまでの間ということがいえます。
このように考えると、とても重要な時間であることがわかります。
もし、スタートダッシュを遅れると他の選手にはついて行けません。
「追いつけない」と思った子どもたちは、意欲が低下してしまいます。
もしかしたら、ゴールまで走りきれない子どもも出てくるかもしれません。
それくらい大切な時間なのです。

2 良い導入と悪い導入

(1)良い導入

良い導入は、以下のような子どもの考えを生む導入だと考えています。

○「やってみたい」という意欲を喚起させる導入
○「え?」という「問い」を持たせる導入
○「みんなはどう思っているんだろう」と友達をつなげる導入


*主語は「子どもが」である。
このような導入ができれば、授業という100m走を意欲的にスタートすることができます。また、授業がスタートしてしばらくの間も集中して主体的に学習活動に向かうことができるのです。さらに、友達との自然な対話を後押しすることもできるでしょう。

(2)悪い導入


逆に、悪い導入とは、どのような導入なのでしょうか。
私の考えを以下の通りです。

○「つまらない時間の始まりだ」と感じさせる導入
○「またか」と知的好奇心が湧かない導入
○いつも同じ子供(理解の早い子供)だけが活躍する導入

このような導入を行なってしまうと、子供の授業への意欲は低下します。それどころか「勉強なんてつまらない」と、学びへの興味関心が薄れていってしまうのです。
本来、学ぶことは楽しいことであり、新しいことを知る楽しさを子供は知っているはずです。
それなのに、教師の都合で学習活動が進めやすいようにパターン化したり、子供をコントロールするための導入になってしまたりしていることが多々あるのです。
「それでは、日付を書いて下さい」
「次に、問題とめあてを書きましょう」
「問題から分かることは何ですか」
「では、○○さん(決まった子供)」

など、固執化した授業パターンがその典型的な例です。
このような導入は、「子どものため」ではなく「教師のため」に造られたモノなのです。

3 導入の役割


これまで述べてきたのように、導入の役割は子どもに「やってみたい」「え?」「みんなはどう思っていの」と意欲を喚起し、問いを生み出し自然な対話が始まるようなスタートを切らせてあげることです。
それは、道徳科の授業でも同じことがいえます。
とは言っても・・・
どうすれば・・・
という声が聞こえてきそうなので、そろそろ私の考えを述べていきます。
キーワードは以下の3つです。
①選択肢を与える。
②当たり前を覆す。
③インパクトのある資料を提示する。

詳細は、次号から説明させて頂きます。

本号では、「導入の役割」について述べてまいりました。
次号では、道徳科における具体的な導入の方法について投稿致します。
*私のnoteでは、2週間に一度、「道徳科授業づくり」について書いております。興味のある方はフォローして頂けると幸いです。よろしくお願いします。

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