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なぜ部下とうまくいかないのか【読書メモ】

さかいふうたさんの動画を見ていたときに「成人発達理論」という単語が出てきた。少し気になっていて学びたいなと思っていたところX(旧Twitter)で成人発達理論について書いてある本だと紹介されていたので読んでみた。

結論をいうと部下の育成・マネジメントに悩んでいる管理職の人や成人発達理論を学んでみようかなと思っている人にとてもオススメです。とてもわかりやすく理論を学ぶことができた。

本書は、普通のビジネス書ではなく物語形式で学べる本。2人の人物の会話を通しながら成人発達理論を学べます。
成人発達理論を活用しながら部下のマネジメントに対して具体的な手法例まででてくるため、単純に概念を学ぶだけでなく、その活用のヒントも与えてくれる。抽象的→具体的な内容を物語形式で伝えてくれるためとても読みやすかった。
まだ学び始めたところですが成人発達理論の入門書としてはとても良い本だと思います。

成人発達理論とは

成人発達理論とは成人以降においても私たちの知性は成長・進化し続けるという理論です。理論を学ぶことで人としての「器」や「人間力」を成長することができる。発達理論に基づいた人材育成や組織開発ができるようになる。

成人発達理論の5段階

成人発達理論によると5段階に分けられます。

①具体的試行段階
子供に見られるもの。具体的な事物を頭に浮かべて思考することはできるが、抽象的な概念は扱えない状態。基本的に子供だけで成人していればこの段階はクリアできている。本書でもここについては触れられていない。仕事で使うのは次の段階から。

②道具主義的(利己的)段階
成人の10%くらいがこの段階。きわめて自分中心的な認識の枠組み。自分の関心や欲求を満たすことに焦点をあてている。他者の感情や思考を理解することが難しい。他人を道具として扱う。白黒ハッキリさせる二分法的な世界観を持っている。

③他社依存段階(慣習的段階)
成人の70%くらい。組織や集団に従属し、他者に依存する形で意思決定する。他者(会社や組織含む)の基準によって自分の行動が規定される。言われたことはやってくれるけど自発的な提案がない。

④自己主導段階
成人の20%くらい。自分なりの価値観や意思決定基準をもって行動できる。自律的・主体的に行動できる。自己成長に強い関心がある。自分の意見を明確に主張する。他者の意見を受け入れにくい。

⑤自己変容・相互発達段階
成人の数%。自分の価値観にとらわれることはなく多様な価値観・意見をくみ取りながら的確に意思決定ができる。自己の成長に強い関心は示さない。他者が成長することによって自らも成長するという認識(相互発達)がある。他者と価値観を共有しながらコミュニケーションをとれる。

感想まとめ

スタッフが今、成人発達理論のどの段階なのかを見極めようとするだけでもマネジメントの幅を広げていける気がします。本書では段階ごとの対処策についても具体的な内容が紹介されているので、実務ですぐに試すことも可能。

発達理論に照らし合わせることでスタッフへの問いかける言葉・内容を適切に選択できるようになれるかもしれないと思いました。

そして自分自身についても今、どの段階だからこれが課題かもしれないと自分自身の成長のためにも活用できそう。

部下をもった人はもちろんのこと、自分が成長できてるのだろうか?と悩んでいる人にもオススメできる本でした。

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