アジアの歴史(インド)

前回のアジア編(中国)に続き今回はインドの歴史を扱います。
中国に並ぶ大国であり、歴史的にも多くの物を生み出してきてアジア世界に多大な影響を与えてきました。今後経済成長を遂げて世界の中で大きな存在感を示していくことは間違いないと思います。そのインドがどんな歴史を歩んできたかを簡単にまとめてみようと思います。
宜しくお願いします。

・インドの地理

インドの地理(「社スタ」より)

・ユーラシア大陸中央南部に位置し広くアジアやヨーロッパと接している。
・国土面積は世界で7番目に大きく日本の9倍弱の大きさをもつ。
・現人口は14億人近くおり、中国とトップを争う大国である。
・北部はヒマラヤ山脈が連なりその麓にガンジス川が流れるヒンドスタン平原が広がる。また、東西の端に山脈があり、それらにはさまれた中央部にはデカン高原が広がっている。
・気候区分を見ると、国土のほとんどがモンスーン(季節風)の影響を受ける国であり、熱帯~温帯、一部に乾燥地域が見られる。
・農業大国であり、米や小麦の生産量は中国に次いで世界2位。

・インドの歴史(近代以前)

モエンジョ・ダーロ遺跡(「Wikipedia」より)

・インドの歴史的な大きな特徴は「多様性をバラバラなままに包み込む」という価値観である。様々な人種、政治、宗教などが共存し合う「多様性」がインドの歴史をつくってきたといえる。以下にその歴史を簡単にまとめていく。
・古くから(約4600年前)インダス川の流域にインダス文明が発達。(ハラッパー遺跡、モエンジョ=ダーロ遺跡など)
・インダス文明が衰退したところに北西方向からアーリア人(インド=ヨーロッパ系民族)が流入し北部から広がりインドの文化を形成していく。アーリア人が持ち込んだバラモン教とヴァルナ制という身分制がカースト(インド特有の身分制)を生み現代まで引き継がれている。
・しばらくは小国が乱立していたが、西洋から迫るアレクサンドロスの侵攻に対抗するためにまとまり、初の統一王朝「マウリヤ朝」が誕生。
・その後成立したのが「クシャーナ朝」(北)と「サータヴァーハナ朝」(南)で、当時の東西の交易路(シルクロード)の陸と海の中継地点にいた為大きく発展していった。
・その後「グプタ朝」が成立。宗教面で変化があり、身分制の強いバラモン教と民間信仰が混ざった多神教の宗教・ヒンドゥー教(今でもインド人の8割が信仰している宗教)が誕生した。
・グプタ朝の後、「ヴァルダナ朝」ができるがすぐ滅亡し、300年ほど分裂状態が続く。
・イスラーム勢力が北方から流入し「ムガル帝国」を打ち立て、イスラーム勢力が主役となる。この時に持ち込まれたイスラーム教がヒンドゥー教と対立しながら徐々に広がっていく。
・インドにも徐々に帝国化を進める西洋の足音が近寄り、イギリスとフランスが植民地化を進めていく。

・インドの歴史(近代・現代)

ガンディーによる「塩の行進」(「Wikipedia」より)

・近代の情勢の中、インドは西欧列強に支配される側に回ることになってしまった。特にイギリスの強い支配を受けてきた。当初はイギリスの東インド会社(貿易会社)がインド統治会社に変容しインド支配を強めていった。
・やがてインド大反乱をおさめ、イギリスが直接領土を治めるとし「インド帝国」を成立させる。
・インド国内の不満に対し、イギリスは宗教に目を付けて仲間割れを起こそうとした。(イスラーム教徒を支持しヒンドゥー教徒と仲間割れさせ分裂させる。)その思惑通り分裂が進み、現在も続くインドとパキスタンの対立の原因となっている。
・世界は第一次世界大戦へ。渦中にいたイギリスはインドに戦後の自治を認める代わりに戦争の協力を求めインドは応じたが、戦後その約束は果たされなかった。これに対しインド人は「不服従」で対抗(ガンディーの独立運動)。
・第二次世界大戦後、独立が認められるが宗教の不和が修復できずインドとパキスタンと分離独立し、カシミールという地方の領土を巡って対立(第三次印パ戦争まで起きている。)し、現代も問題を残している。
国境を接する大国・中国とも国境紛争が起こっており、こちらも領土問題が残っている。
・現在は様々な問題を残しながらもIT産業などを中心に経済発展しており、世界における存在感を強めている。かつての冷戦時代に米国にもソ連にも与しなかった歴史があり、独自の価値観や考え方で行動することが特徴として考えられる。上記の歴史を踏まえて動向を注意しておく必要があると思う。

最後まで読んで頂きありがとうございました。以下の資料を参考にさせて頂きました↓

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
公立高校教師YouTuberが書いた · 山崎 圭一


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