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会社の新制度で悩んでる。の巻

会社に導入された、とある新制度。
この制度の使い方を悩みに悩んだ…というお話です。(悩んだ割に明るいカバー写真w)

新しい制度が生まれる社内の仕組み

私が勤めているgCストーリー株式会社には、【制度リフレッシュアンケート】というものがあります。

2年に1度、
①既存の制度の見直し(機能していない制度は廃止orリニューアル)と、
②社員のアンケートを基にした新制度設計・社内環境改善
を行う取り組みです。

偶数年に行っているこの取り組み、昨年で3回目の実施となりました。
2014年には、誕生日休暇(他4案)が生まれ、
2016年には、健康診断プラス(他2案)が生まれました。
※他にも色々出来上がってきました。

誕生日休暇
内容:1親等の家族の誕生月に、特別休暇を1日取得できる仕組み。自分の誕生月には取得不可。
目的:日頃支えてくれる家族へ、感謝を伝える機会の提供。家族を含めた従業員の幸福度向上。
健康診断プラス
内容:基本の健康診断項目以外に、若年層から心配される病気の発見を促進する検診項目を追加。
目的:個人負担で受診することに金銭的・心理的抵抗が大きなもの(特に女性の腹部超音波検査など)や、若年層でも懸念される病気の検査項目を含めることで、自身の健康に対する意識を向ける機会を提供。

そして、昨年2018年には、MyStory‐10Years(他8案)が生まれました。

MyStory‐10Years
内容:勤続10年目、15年目の社員に対し、連続した10日間の有給休暇を付与するとともに、30万円の資金を贈呈。(休暇の間、業務連絡は不可)
目的:①自分の人生を見つめ直す機会の提供。
   ②10年の社員が抜けることによる、チームメンバーへの刺激。
   ③会社から社員に対する感謝を伝える制度。

余談1:制度リフレッシュアンケートの進め方

プロジェクトの全体スケジュールはこんな感じです。

8月 :全社アンケート実施
9月 :アンケート集計、分類、1次スクリーニング(取り上げる意見、取り上げない意見の選別)

10月  :役員会報告(毎年大小100意見位、出ます)、取り上げない意見について人事から回答コメントを全社アナウンス、取り上げる内容について詳細検討  (ここの詳細検討はSlackで全社員が参加可能な状態として進めます。そのため、非常にカオスな状態が生まれます。ここで活発に意見が交わされることで、1つの課題に対し色んな見方ができるようになり、最終案に納得感が生まれてくる気がします。)

11月  :新制度たたき案を労務的&全社視点で問題がないか確認
12月  :最終案を人事内で検討、役員会提示・承認
1月 :新制度リリース

基本的に全社員が、自分の立場で自分の希望を言っていいアンケートなので、回答結果を収拾していくのは非常に大変です。

ですが、このプロジェクトには大きな裏目的があります。
会社への期待と現状とのGAPから発生する不満。他社と比較して発生するうらやましいなという感情。「会社が用意してくれるもの」という認識になってしまうと自分事にはならず、【従業員vs会社】と社員内で不満を溜めやすくなってしまうと思います。このプロジェクトでは、『気になってる事なんでも言っていいよ!そして自分たちで議論しよう!』という場を創ることで、社員が自分たちの意見を包含しながら、会社としてどこまで許容できるのか?を考えるきっかけにすることができると思っています。

意見を出して終わり、ではなく、自分で出した意見は会社視点(経営視点)で見たときにどう実現させることができるのか?または、できないのか。
それを考える葛藤にこそ、意味がある気がしています。

余談2:人気になった制度 Papa's preparation

Papa's preparation

これは、gCストーリーのサマーインターン(高野山インターン)の中で発案された制度です。学生さんが会社の人事になりきり、社員の幸福度を上げるために必要だと考える制度を提案するというワーク。
高野山インターンについてはこちら

世の中にママ向け制度は沢山あるけど、女性を支える旦那さん向けの制度ってないよね?という話しがあがり、新米パパさんが先輩パパさんとランチ会を通して家族を支える秘訣を開く。という制度ができました。(ランチ会費用が会社負担)
制度発表の翌日に、第1子が生まれたばかりの社員が早速活用し、「めっちゃよかったです~」と喜んでいました。

悩める MyStory‐10Years

さて、悩める新制度が発表されました。
そして、私はこの制度の対象者となりました。(正確には10年をちょっと過ぎてるけど、対象だよとのこと)

10日間の有給ということは、まるっと2週間のお休みです。
時間の制約も、お金の制約も、ついでに私は家族の制約もないので、何でもできる状態ではあります。
さて、なにをしようか…。

時間と命(人生)の使い方を考える積極的姿勢

年末年始の経験から、自分の為の休みは飽きる。という事は既に学んでいます。そこで、まずは利用目的を考えました。

1:自分のため(娯楽として)
2:自分のため(自分への投資として学習時間とか、活動するとか)
3:人のため(ボランティアとか)

(心の声:何もしないのもなー、単なる1人旅ってのものなんかなー。友達もそんなに休みとれないし、会いたいときに会えてるしなー。本読むつっても2週間も読み続けられないよなー。勉強するにもそれだけじゃもったいない気がするし。ボランティアかー。うーんうーん。うーーーん。)

さんざん悩んで2週間くらい考えた結果、
そうだ!親との時間にしよう。と考えつきました。
大人になってから両親と過ごす時間は減少傾向。ましてや一緒に旅行するなど、なかなかないことでした。自分のルーツである父親、母親と旅行に行って「あの時こんなことがあったよね!」と言える共通体験をしてみよう。と考えました。

あれ?でも親との旅行、これだけだと使えて4、5日。
あと半分以上の日数が残っています。

(心の声:くー、丸2週間の休み期間って絶妙だ。時間の使い方を本気で考えないと何もしないだらだらした時間になってしまう!)
そんな葛藤を呼び起こさせます。笑

(心の声:やっぱり旅かなー。旅と言えば島だよなー。島めぐりかなー。でもせっかく長期の休暇だしなー。海外かなー。)

ここで閃きました。今年の活動目標として掲げているテーマに沿った旅をしようと。環境問題、エコ活動、自然ガイド。この辺のテーマについて何かしたいと思っていたけど、あまり進んでいないことを思いだし、思い切ってエコ大国に行ってみよう!と思いました。
行先はスウェーデンとアイスランド。

やることは決まった。いつやるか。

2:自分のため(自分人生のテーマに沿った活動(旅)をする)
3:人のため(親孝行と言うのかどうかわからないけど、親との時間にする)

やること決まったので、次に考えるのは、いつ取得するのか?です。

(心の声:せっかくだし第1号利用者になりたいなー。割かし業務落ち着いてる時期がいいよなー。せっかくだし話題性のある取り方をしたいなー。話題性と言えば、今年のGW10連休だなー。それとくっつけたら24連休だなー。すげー!)

ということで!
5月のゴールデンウィークにくっつけて【おとなの24連休】を実行することにしました。(年末にも24連休取得しているので、今回はちょっとだけ更新して24.5連休にしようと思っています。笑)

自由が自由になるのは、自己選択の軸があるから

自由に2週間過ごしていいよ。と言われても、その状況を与えられると意外と困惑することが分かりました。その困惑や葛藤が、考えるきっかけを与えてくれました。

自分の中のBeニーズ:頼まれ事ややるべきタスクがない状態になったら自分は何をしたいんだろう?
:誰と一緒に過ごしたいんだろう?
場所:どこで過ごしたいんだろう?
興味のベクトル:どんな分野のことをやって過ごしたいんだろう?
持ち帰りたいこと:2週間後、職場に何を持ち帰りたいと思うのか?

自由な時間やお金があっても、何をしたらいいか分からない状態だったら、それは不自由なのかもなぁ。自分の中にある思考と感情を上手く使って、自己選択の軸を見出していくと、自由が自由になるし、ちょっと不自由な状態でも自らの力で解消していくこともできるようになっていけちゃう気がしました。

結局今回の制度を使う過程においてやったことは、自分の人生を振返ることと、これから自分が何をしたいのか?を考えることでした。

あれ?
My-Story 10Years. 制度の目的通り、自分の人生を考える時間になっとるやん。しかもプロセスから。

1人1人が何のために生きるのかを考え、体現しようとすることが文化としてある弊社にとって、いい感じの葛藤を生む、面白い制度(仕組み)ができたもんだなー!笑 と思いました。

では、実施レポートをお楽しみに!