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クラゲのように漂いながら生きていくための術

 先日、海を眺めていると、大量のクラゲがゆらゆらと漂いながら海中を漂っているのを見つけた。

 きれいな模様がくっきりと見えた。

 ただ眺めているだけで癒される。

「クラゲは一体何を考えながら漂っているのだろう?・・・」

 ふと、そんな無意味な疑問を自分に投げかけてみる。そうしているうちに、なんだか自分も世界の一部なのだと感じられる一瞬を味わえる。

 超情報化社会の中、いたるところに人間関係が介在している。

 まるでそこからは絶対逃れられないかのような感覚に襲われる。

 それは、とても不健康な感覚だ。

 わたしの理解では、おそらく解剖学者の養老孟司先生が危惧されていることもそのことなのだと思う。

 つまり、人間社会だけで自分の周りを捉えてしまうことの危険性だ。

 それがなぜ危険なのかというと、「逃げ道」を失くしてしまうからだ。

 わたしたちは、それぞれ「悩み」を抱えながら生きている。

 実は、その「悩み」は、元を辿れば全て人間関係なのである。

 人間関係は、良い面をもたらすこともあれば、その反対に悪い面も引き起こす。

 わたしたちは、日常的にその浮き沈みを不安定に漂いながら生きている。

 そんな不安定なものに縛られていては、当然心もとない。

 他にはけ口をつくっておかなければ、非常に危険な状態である。

 そこで、そのはけ口として、人間社会という「意識」の世界から離れて、自然という「感覚」の世界と交流するのである。

 クラゲに対して、全く意味のない疑問をもってみたり、ただただボーっと眺めているだけで、自然と感覚を共にすることができる。

 意識では計り知れない環境に身を委ねてみる体験は、非常にデトックス効果が高い。

 クラゲを眺めながらそう感じた。

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