新学期

 始まりました。一週間が経過。3学年が揃って校舎の中は賑やかです。不思議なもので、学年って見ると大体分かるんですよね。

 どこか緊張しているかめっちゃはしゃいでいるのが1年生。なんとなく様になっているのが2年生。受験を自覚して少し不安そうなのが3年生。

 色んな声が飛び交い、笑い声が聞こえる。これが高校の4月の始まり。先生たちも新しい学年に配属されて、持ち上がりの人もいればそうでない人もいる。学年によって役割も異なってきます。新入生を慣れさせる1年生、学校の中心として自覚を持たせる2年生、受験の準備を進める3年生。それぞれの思いを持って、仕事に臨んでいます。

 とにかく色々なエネルギーが渦巻いていて、面白い反面でそのエネルギーを受けて疲れる季節でもあります。これが5月になると落ち着いてきて、次は学校行事や試験と違った指導が始まる。

 教員は季節ものの職業なんです。大体のルーティンは決まっているから切り替えが大事だったりもします。次に何が迫ってくるかもわかっているので、そのための準備も進めていきます。

 僕は先のことをどんどんやっていくタイプではありません。そういう人もいるのですが、僕の場合は少し余裕を持って終わらせるように調整するタイプ。何故かというと、先のことをやりすぎていざ本番という時に細かいミスが見つかったりするから。実感を持ってやり始める時期が一番良い仕事が出来る。時々その時期を誤って焦ることもありますが、本番にピークを持ってくるようにしています。

 今楽しいのは新しい教材への取り組み。学習指導要領が変わり、教科書が変わって3年目。今年初めて扱う教科書が2冊。読んだことのない評論と小説。どういう授業にしようか、日々教材研究に励んでいますが楽しい。早く授業がしてみたい。

 やればやるほど研磨され、熟成していくのが国語の教材だと思います。教科の特性上、本当の意味での正解はない。教材を学ぶのではなく、教材で学んでいくのが国語。この文章を読むことにどんな意味があるのか、どんな意味を生徒に投げかけることが出来るのか、ここが腕の見せ所です。早速取り組んでいる2つの教材。どちらも面白い。言語に存在、論理の世界は不完全だからこそ面白い。これは日常に潜んでいるということを伝えたい。

 部活動でも新入生が入部、2年生は先輩になり、3年生は最後の時間を過ごす。このある意味でごちゃごちゃした期間が僕は好きです。

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