見出し画像

【ようこそ】オレ、北欧地域の解像度の低さを露呈する【デンマーク語版LPP】

テュルクに関連する地域についてはわりと地理感覚にせよそこで話されている言語にせよ、多少は知識が及ぶ自身があるのですが、それ以外の普段関心があまり高くない地域についてはまったく感覚がつかめなということ、みなさまもきっとおありではないでしょうか。本日も例の多言語『星の王子さま』(Le Petit Prince, 略してLPP)蒐集の報告をしなければなりませんで、昼頃郵便にてデンマーク語版LPPが届きました。いわゆる北欧地域の言語は、フィンランド語に続いて2言語目になります(エストニア語も北欧の言語…?と一瞬思ったのですが、東欧とされることが多いようですね。こういった例は枚挙にいとまがないので、地域的な区分はあくまでざっくりとしたカテゴリーとみなしています。念のため)。

さて、いち早く到着したのがデンマーク語版なのですが、実は2月初旬に魔が差しまくってしまってですね…スウェーデンとノルウェーからも現地の書店からそれぞれLPPの発注をかけてしまったのです(アカンやつやなこれは)。で、この3言語は言語系統的にはもちろんそれぞれに分化できるのでしょうが、自分のような門外漢には3者の区別はかなり難しい…とりわけ問題になるのが、書名からそれぞれの言語を見分けられるかどうかという点です。

デンマーク語版は、"Den lille prins"となっていますが、
ノルウェー語版だと"Den lille prinsen"だそうで、
さらにスウェーデン語版も"Den lille prinsen"…?いやしかし、このページを見るとタイトルの最初の語、denがない版もたくさん出ていますね…

あわてて本棚から、かねてよりこんなこともあろうかと全巻コンプリートしていた(筆者注:プチ自慢案件です!)白水社の「言葉のしくみ」シリーズから『デンマーク語のしくみ』と『ノルウェー語のしくみ』を引っ張り出して見てみたのですが、"den"は定冠詞ということで間違いなさそうですか。しかし、名詞の性の問題もかかわってきているようで、ちょっとすぐにはそれぞれの言語のことが把握できない…これについては、またあとで勉強しておくことにしましょう。

というわけなので、あとは各言語で使用されている文字の違いなどで判断するしかなさそうです。しかし今上述の『しくみ』を見比べたところ、それぞれの字母の名称は多少違うようですが、ノルウェー語とデンマーク語ってほぼほぼ同じ文字体系に見えますね…?

上記リンクの文章を拝読いたしますに、やはりそれぞれ違って聞こえるということのようですが…この方のようにお詳しい方ならともかく、ただ単にLPPを集めているだけの身からしますと、三者の文字列が似ているというのは興味深いのと同時に、なかなか厄介だなという正直な感想があります。

まあこれはこれで、話のタネになる可能性もありますかね…?
来年度、また長崎大で「世界のことば」に関する授業を一部担当することになりそうなのですが、さあ見てみましょう。果たしてそのときまでに自分がこの辺の話も絡められるくらいに北欧の諸言語への解像度が上がっているかどうか…上がっていないんじゃないかなという予感しかしないですが…

改めて、全世界の言語にまんべんなく興味がおよぶっていうのは、少なくとも自分にとってはかなり遠いところにある境地という気がします。LPP蒐集という趣味がなければ、北欧に思いをはせることなんてきっとなかっただろうなとはもちろん思いつつ。

この記事が参加している募集

海外文学のススメ

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。Çox təşəkkür edirəm! よろしければ、ぜひサポートお願いいたします!いただいたぶんは、記事更新、また取材・調査のための活動資金に充てさせていただきます。