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《そふとの為人(ヒトトナリ)》第2回 【後編】 遠藤 弘司(UIX代表取締役・理学療法士)

こんにちは!
そふと訪問看護ステーションの広報係、そふとちゃんです。

そふと訪看インタビューシリーズ《そふとの為人(ヒトトナリ)》では、
この“そふと” に参画している人々にスポットを当てて、ひとりひとりの想い・
ストーリー・在り方を、ご紹介していきます。

第2回目のゲストは、
【UIX株式会社代表取締役・理学療法士】遠藤 弘司(えんどう こうじ)氏。
後編では、遠藤さんが捉えている在宅医療における社会課題と、それに対する新しい訪問看護ステーションの在り方をお聞きし、さらに組織として、また遠藤さん個人として今後目指していきたい未来像をお聞きしました!

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そふとちゃん: 前編では、医療の要は在宅医療というお話でしたね。

遠藤さん:はい。実際に、地域の医療機関の医師からは、どうしても受け皿が少ないから病院の経営に負担がかかっているという現状をうかがっています。それを聞き、尚更、在宅医療の充実は取り組まなければならないという強い思いに至りました。そして、その在宅医療の大きな役割の一翼を担っているが訪問看護であるということですね。ただ、ありとあらゆる地域を網羅できるようなサービス提供の仕組みになっているかというと、まだそうではないんです。


そふとちゃん:そうなんですか?例えば、そふと訪問看護ステーションがある横浜はどうですか?

遠藤さん:横浜は都会でとても栄えているように見えますが、実は、高齢者が多くいるのにすごく細くて狭い道の街並みで、駅からも遠い、という状況から、訪問看護が不十分な地域もあるんです。もちろんそのエリアをカバーする訪問看護ステーションもあるわけですけれども、新規参入としては、これまでのサービスオペレーションではなかなか手を伸ばしにくい状況であったことが事実としてあるわけです。
そこで、すでに運営されている訪問看護サービスの運用を変えていくのではなく、全く新しい形・仕組みの訪問看護を作ろうと思いました。それは、看護職の方々のサービスを地域に張り巡らせ、地域の健康インフラにまで昇華するようなイメージです。さらに、地域医療を継続的に支えていただくためには、経営事業的な持続性が高く、手の届いてない地域まで網羅できる、看護師の方々にとっても働きやすい仕組みを作っていくことが、今後の在宅医療の中では絶対に必要となりますす。

そふとちゃん:なるほど。確かに、未来を見据えて向き合わなければならない難しい課題ですね。

遠藤さん:はい。では、それを踏まえた上で今の私に何ができるのか、という本題です。実は、私は元々、プログラミングの学校を卒業しているのでソフトウェアの感覚がわかることと、大学院でデータサイエンスにも触れAIの素地を勉強できたので、今度は僕なりに持てるユニークな視点というのが生まれてくるわけです。
日本に帰ってきて、たまたま医療とヘルスケアの領域で音声バイオマーカーを社会実装しようとしているPST株式会社に出会いました。日本の今と今後の潮流を踏まえると、こういう技術こそが今後の医療に必要だということを感じました。そして、その為には社会の受け皿を一緒に整えることが必須であることも同様です。

そふとちゃん:新しい技術を取り入れた新しい訪問看護の在り方を作る、ということですね。

遠藤さん:その通りです。今後起こるであろう医療業界の再編や変化を考えると、いち早く新しいことにどんどん取り組んでいかないといけません。もともと、親会社のPSTは【未来の医療を作りたい】という想いから、音声バイオマーカという一つの技術を作りました。
ですので、その目的は、この技術を製品化して世の中にただ販売するだけではなくて、このような技術が取り込まれた新しい医療や介護の在り方を作るというところにあるんです。しかし、この新しい技術を既存の医療現場にそのまま渡しても、そのノウハウや文化がないので、実際に活用してもらうには大きな壁があるんです。
それならば、社会のインフラとしてしっかり機能して、しかも持続性が高い新しい仕組みを、自分たちで一から作っていくほうが近道ではないかということで、UIX株式会社を立ち上げ、まず1つめの事業として新しい訪問看護の形であるそふと訪問看護ステーションを始めたのです。

そふとちゃん:なるほど。社会に求められていることに答えるためにも、UIXが組織としてそこに舵を切るに至ったことが分かりました。ところで、UIXは、訪問看護事業を展開させている株式会社FlexibleCreationと共同創業となっていますが、そこにはどんな理由があるのですか?

遠藤さん:自社で訪問看護をゼロから始めるのはとても困難が多いですが、一緒に共同創業しましょうって言ってくれたのがFlexibleCreationの代表である小池さんだったのです。そのノウハウを入れながら、加速的にこの新しいサービス仕組みをつくっていくことになりました。

そふとちゃん:なぜ小池さんはこの新しい挑戦に協力してくれることになったのでしょうか?

遠藤さん:これはまた小池さんに直接聞いて欲しい部分でもあるのですが、既存の訪問看護事業者の方々が、このままのオペレーションの仕組みだと将来、経営的に訪問看護サービスは行き詰まってしまうという可能性を肌で感じているということなんです。
例えば既存の主な訪看の勤務スタイルは、スタッフみんながまず一つの事務所に集まり、そこから車とか原付、自転車に乗ってあちこち行って、また帰ってきて、それでまた訪問して、最後に事務所で記録を書く、ですよね。こうなるともちろん、訪問件数に限界がある。そしてスタッフが増えるごとに広い事務所や駐車場のコストがどんどんかさんでくる。
ですので、事業として存続性をより高められるような、かつ、いろんな人が自分たちの生活も大事にできるような働き方っていうのを提唱できるような、サステイナブルな働き方を作っていきたいと思っています。それがこれからの社会に必然的に求められていくと思っています。

UIX運営陣にて
そふと訪問看護ステーションの運営方針会議の様子

そふとちゃん:うんうん、聞くほどに社会からその必要性を迫られているような感じがします。今、そふとが作ろうとしている新しい仕組みが上手くできたら、きっと、今後起きる社会的な問題に対する答えのひとつになりますね!

遠藤さん:はい。さらに、様々な医療/介護職種が地域に根付いていく中で、訪問看護ステーションとしては、看護職種が提供するサービスを地域の健康を守るインフラとして発展させていくことを目指したいと思っています現状の在宅医療で手を伸ばせていない人に、地域の看護師さんが手を伸ばしていく。そうして予防の時点から利用者さんに関わることで、多少なりとも再入院も防げる可能性がありますし、必要以上に伸びる入院期間を短くしていくことも可能になるかもしれないと思っています。

そふとちゃん:地域で発揮できる看護師さんの力はとても大きいものだということですね。では、このそふと訪問看護ステーションを長期的に見たときに、組織としてどういうことこう達成していきたいか、成し遂げていきたいか、展望はどのようなものですか?

遠藤さん:そふとでは、デジタルツールを駆使し、直行直帰だけども、安全・連絡・情報共有という観点から、あたかもみんなが集まっているかのような状況や仕組みを作っていきたいと思っています。そうすることで、これまでの訪問看護ステーションと違って、事務所などの拠点に捉われずに地域に訪問看護師さんが広がっている形をベースにできます。これが、さっき言ったような看護師さんの地域のインフラ化ということに繋がってきます。
看護サービスが地域の健康のインフラとなっていく。これが、私たちが目指していくべきひとつのゴールです。
そして、それを達成するために必要な技術の一つとして、デジタルバイオマーカーのようなAIやITの技術があって、採血やレントゲンがなくても、看護師さんが自宅に行くだけで簡便にその人の健康情報を数値化できるので、情報共有もしやすく、在宅医療のエビデンスを担保できるようになります。このような好循環のモデルが、目指すところだと思います。

そふとちゃん:ありがとうございます。では、最後に、遠藤さん個人の展望を教えてください。

遠藤さん:そうですね。今、そふと訪問看護ステーションを共にやっていただいている管理者の永澤さんをはじめとした看護師の方々は素晴らしいスペシャリストですが、僕は平たく言えば、器用貧乏なんです。でも、だからこそ、僕は幅広い視点を持てるということでもあるので、そふと訪問看護ステーションやUIX、PSTの中で、各分野の橋渡しをしていく役割だと思っています。さらに、研究という側面から言うと、各大学には色んな有望なシーズがあるので、こういう物を実際の臨床の中に落とし込んでいく。産業化の橋渡しとしても僕の役割はあると思っているんです。
つまり、ヘルスケアや医療をさまざまな領域と結び付けていくということが、自分のオリジナリティやユニークさを活かして貢献できる領域であって、そのようなキャリアを目指していこうと思っているんですよね。

そして、もう一つ。
様々な経験の中でも、しっかりと医療に向き合ってきたつもりなので、医療従事者の方と共通言語が持てるのは強みだと思っています。医療従事者の中には、臨床現場以外の医療関連産業もしくは医療以外の産業に進出したいと思っていらっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。私は、そのような志をもつ医療従事者の方々へ、新しい業界へ飛び込む橋渡しができればと思っています。だから、そふと訪問看護ステーションにはそういうキャリアを考えている人もドンドン来てほしいです!

左から順に 遠藤氏(UIX代表取締役CEO)/ 永澤氏(UIX取締役CNO)/小池氏(UIX取締役COO)

そふとちゃん:それは遠藤さんにしかできない、とても素敵な役割だと思います!本日は様々なお話をしていただき、ありがとうございました!

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