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「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【影の中と外】

映像表現において、日向にたつか日陰に立つかでそのキャラクターの善悪を表現したり、日向と日陰に複数のキャラクターを分けて配置することで敵対していたり意見が対立していたりすることなどを表現することができます。

モンスターズ・ユニバーシティではキャラクターを日向と日陰に分けて配置することで、意見の対立が起きていること、別れのシーンであることなどを表現しています。

意見の対立
ウーズマカッパというサークルの中で、立場が孤立した際に影の外と中に分けて配置され、セリフや立ち位置だけでなく、光があたっているキャラとあたっていないキャラで考え方や感情が行き違っていることを表現しています。

サークルメンバーと意見が合わず去っていくサリー。サリーは日向に、他のメンバーは日陰に配置される。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

サークルメンバーがパーティに行きたいと言っている中、行きたくないと発言したサリー。サリーが日陰、他のサークルメンバーが日向に配置される。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

別れ
作品の最後で退学になったマイクとサリーが別れの挨拶をしている際に隣にとまったバスによってマイクが日陰側、サリーが日向側に別れた立ち位置になるようになっています。
二度と会えないかもしれない別れのシーンで二人を分かつ日陰と日向の線で、別れの悲しさや寂しさを補強しているのです。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

まとめ
このようにライティングをコントロールできる媒体において、日向と日陰をうまく使うことによってそれぞれの人物間の心の行き違いや対立、別れの表現をすることが可能となっています。
CGなどのように人為的に影を発生させている媒体においてもっと積極的に使っていきたい技法の一つですね。

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