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毎日が夏休みだったら

みなさん夏はいかがお過ごしで?
私は先日、友人と『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』を観てから夏祭りへ行き、夕方からビールを飲んで夕食ともにクラフトジンでジントニックを作り、アラン・ドロンを観ながら寝落ちするという最高な休日を満喫することができた。
いままで夏は暑いしなにもやる気が起きないし、おまけに虫も湧いてくるのでもっともきらいな季節だったのだが、同じ目的を持った誰かと一緒に過ごすと夏もそんなに悪くないな、なんて思えるようになった。

さて、夏映画紹介の2回目は『毎日が夏休み』だ。
現在はアマプラかディズニープラスで映画やドラマを観ているが、加入するまでは毎週父とTSUTAYAに行って映画を数本借りて観る生活をしていた。
私はおもにTwitterで見た情報で気になった映画を借りて、父は昔観た映画やSFの名作をよく借りていた。
ある日「これおもしろいぞ」と差し出してきたのがこの映画だった。
佐野史郎と風吹ジュン、佐伯日奈子の3人が家族を演じていた。
なんでも、学校をサボった娘と会社を辞めた父親が家族になにもいわず、それぞれ行ったふりをして過ごしているところから始まるのだという。
少女漫画が原作で、再婚で家族になった義父と娘がなんでも屋を仕事にして新しい人生のスタートを切って成長していくというストーリーだ。

この作品が公開されたのは1994年で、娘のスギナは学校でいじめられている子を助けたら今度は自分がいじめられるようになって、いつの間にかいじめられていた子はいじめる側になっていたというなんともリアリティのある設定だ。
そして義父のほうは、そこそこの企業に勤めていたのに会社と自分の方針が合わないことから会社を辞めたという現代的な価値観を持っているように思えた。
その設定が当時は、フィクションだから、なんて思われていたかもしれないが、いまこの時代ではふつうに有り得そうな設定である。

淡々と進んでいくストーリーのなかでも笑えるシーンはいくつかある。
スギナは両親には学校へ行っているふりをして過ごしていたが、なぜそれがごまかせていたかというと成績表を偽装していたからだ。
「公文書を偽造した」というセリフを真顔でいっていたのはナイツの漫才に通じるものがある気がした。
その後なんでも屋の仕事の依頼で義父の元妻の家に行ったとき、元妻からお金をもらってポップコーンとコーラを買って映画に行ってきなさいといわれる。
しかし、駄菓子屋でポップコーンとコーラを買って元妻の家に戻り「私が観たいのはドキュメンタリーだ」と窓の外側からふたりの話を盗み聞きするシーンは思わず声が出た。
こうして新しく仕事を始めた義父と娘は、様々な依頼をこなしながらお互いを必要な存在だとはっきり認め合えるようになり、仕事のパートナーだけでなく親子として成長していく。

私はこの映画のタイトルどおり毎日を夏休みのように過ごしているのだが、近ごろ家族ではない誰かと過ごすと生活に色づく気がする。
友人の車のなかでユザーンがかかってから、ミュージックビデオの話になりYouTubeで観たら「ギンビス」のリズムが頭から離れなくなった。
坂本龍一が「Energy Flow」をユザーンと環ROY、鎮座DOPENESSと「エナジー風呂」としてリワークしていたことを教え、友人と「たのしみ」は夏に似合いすぎていいよねと話した。
ちなみに写真は、ギンビスを買って食べようとコンビニへ行ったらまさかの通常のバター味ではなくバナナミルク味しかなかった唯一のギンビス商品である。

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