【番外編】ミルクまんじゅう作ってみました
こんにちは!るゆにつです。
夏に突然ミルクまんじゅうを60種類近く取り寄せて食べ比べ、それに飽き足らず現在もミルクまんじゅうを食べ続けています。
どこのお店のものも工夫がされていて、非常に美味しいのですが……
わたしにわかるのは味と、パッケージに書かれたわずかな情報のみ。
ミルクまんじゅうは各お店が苦心の末に開発した、伝統と技術の結晶。
それをただ享受して、美味しい美味しいとお客様気分で食べているだけでいいのだろうか。
もっとミルクまんじゅうを理解したい、ミルクまんじゅう側の人間になりたい……という気持ちが抑えられません。
一体どうしたらいいんだ。
こんな時は心の声と深く対話してみましょう。
……ない?
……作って……ない?
自分で作って……じゃない……?
そんなに好きなら自分で作ってみたらいいんじゃない?
そんなに好きなら自分で作ってみたらいいんじゃない?
作ってみたら何か分かることもあるかもしれない!!!!!
今回は和菓子教室でミルクまんじゅうを作ってきました!!!
ミルクまんじゅうの生地を作る
ということで、まずは生地から作っていきます。
基本的にまぜていくだけなので簡単です!
家でも再現しやすいように多少のアレンジが先生の方で加えられたレシピですが、生地にもバターや練乳が入っていて、ミルクまんじゅうらしさがこの段階でわかります。
1.卵黄をボウルに入れてまぜる
2.そこに練乳60gを加えてさらにまぜる
3.白あん25g、水飴3gを加えてしっかりまぜる
生地にも白あんが入っているとは!
この2つは生地をしっとりさせる役割があるそうです。
4.溶かしバターを加えてまぜる
5.合わせておいた★の粉類を入れ、さっくりとまぜる
6.ラップして30分寝かせる
これで生地は一旦完成!簡単です。
イスハタはくさい!!!!
ミルクまんじゅうを始めとした和菓子の生地を膨らませるために必要不可欠な膨張剤、『イスハタ(イスパタとも)』。
ベーキングパウダーや重曹では焼色が濃くついてしまうため、白っぽく焼き上げたいときはイスハタで作るのがおすすめだそうです。
しかしこのイスハタ、主成分は「炭酸水素ナトリウム」と「塩化アンモニウム」なので常温でもアンモニア臭がすごい!
缶を開けた瞬間から漂う理科室の臭い。ちょっと癖になります。
入れすぎるとアンモニアが抜けきらず、食べられないほどの薬品臭さがお菓子に残ってしまうため、容量は厳守でとのこと。
「少量だけで買うのが難しいかもしれないから」と小分けに持って帰らせてもらったのですが、この非合法感よ。
ミルクあんを作る
生地を休ませている間にあんを作っていきます。
豆からあんこを炊くのでは時間がかかりすぎてしまうので、今回は簡単に市販の白あんを使うレシピを教えてもらいました。
市販の白あんを黄身あんにし、そこからさらにミルクあんへとジョブチェンジさせていきます!ドラクエみたいだ。
あんは大きなお鍋かフライパンで作業していくと洗い物が少なくてすみます!
1.ゆで卵の黄身を裏ごしする
通常は生の卵黄を白あんに加えて炊いていきますが、今回は時短版ということで、ゆで卵の黄身を使っています!このテクニックは目からウロコでした。
2.裏ごしした卵黄と白あんをしっかり混ぜ合わせる
3.牛乳を少しずつ加えて混ぜる
一度にたくさん入れると混ざりにくいので最初は少しずつ。
大丈夫?というくらいしゃびしゃび(名古屋弁)になります。ここから本当にあんの状態になるのでしょうか。
4.火にかけてひたすら煮詰める
火は中火~強火!焦がさないように耐えず木べらでまぜ続けると、だんだん重たくなってきます。
5.水分が飛んできたら練乳を加え、さらに水分を飛ばしていく
このあたりでもう甘い香りが部屋中に充満しているので、多幸感で眠たくなってきますが気を引き締めて引き続き炊いていきます!
6.このくらいになってきたら熱いうちにバターを加えてまぜる
7.バットに広げて冷まし、粗熱が取れたら1個28gずつに丸めておく
冷ます段階でお鍋に残したままだと、余熱で火が通り過ぎてぱさつくのでバットに広げます。これがミルクあんか……!
いよいよミルクまんじゅうを生成
生地と、あん。
ミルクまんじゅうを構成する2つの重要なパーツが出揃いました!
ではいよいよ、この2つを合わせていきます。
1.寝かせておいた生地を、打ち粉をしたまな板の上に出して14gずつにして丸める
※ここからは手が粉まみれになるので写真が撮れず……!
2.生地は柔らかくて扱いにくいので、打ち粉をしながら延ばしていくあんの玉より一回りくらい大きなサイズにするつもりで!餃子の皮より一回り小さいくらいかな~~
3.生地が延ばせたらあんを中心に乗せて包んでいく
これが最難関!むずかしい!
生地を薄くしようとする余り破れてしまったり、手の温度で生地がゆるんで手に引っ付いてしまったり……。
かと言って手粉を付けすぎると今度はシワが寄ってしまったり、あんと皮の接地面の馴染みが悪くなり気泡ができてしまったりとにっちもさっちも行かない状況に。
4.包めたら綴じ目を下にして天板に並べて、
ひび割れ防止に霧吹きで水をかけて、160℃に予熱したオーブンで18分ほど焼いていきます!
オーブンの癖によって焼きムラができるため、途中で天板の前後を返すのがポイントです。
オーブンによっては下火が強くて底面が焦げやすくなるので、シルパンを2枚敷く、天板を2枚重ねるなどの工夫が必要な場合もあるそうです。
焼き上がったら……
完成です!!
皮の厚みが均一にできなかったのでところどころひび割れたり透けたりしていますが、わたしが作った唯一無二のミルクまんじゅうが爆誕しました。
何というか、これはもう……いのちですね。
簡略化したレシピですが一から自分で作ったので、もはや母性に近い愛着が湧いてしまっています。かわいいね……!
実食
さっそく焼き立てをいただきます。
あちち……と火傷に注意しながら生地を割ってみると
湯気とともに姿を現したのは時間をかけて練ったミルクあん。
焼き立てはとろりとカスタードクリームのような滑らかさです。
生地はカリッとして香ばしく、おまんじゅうと言うよりは完全に『洋』のエッセンスが勝っていました。
何より、焼き立てを食べられるのは手作りの特権ですね。おいしい~~~~~
次の日
残りのミルクまんじゅうは持ち帰らせてもらい、つまみ食いを我慢しつつ次の日を迎えました。
2日めのあんはひきしまって、しっとりさは保ちつつも豆感をちゃんと感じられる食感に。
生地はあんから出た水分でカリッと感はなくなり、さらに白あんと水飴で保水されているため、しっとりしています。
初日は洋菓子寄りでしたが、2日目以降はグッと和菓子らしくなりました!
これはこれでおいしい~~~~~
まとめ
売られているミルクまんじゅうを家から出ずに取り寄せ、これはうまい、これは好みじゃないと偉そうに食べているだけでいいのか!?と自問自答した結果見つけた
「そうだ、自分でつくろう。」という心の声。
まさか自分の手でミルクまんじゅうを作ることになるとはびっくりですが、より一層ミルクまんじゅうへの理解が深まったような気がします。
手作りのものは不格好で、個体差が大きいです。
生地とあんの間に大きく隙間が空いていたり、あんが偏ってしまっていたり。
それでも苦心した分その不細工さが何とも愛おしく、ベタですが手作りの温かさやお菓子作りの楽しさという、原点の部分を感じることができたと思います。
それと同時に、季節に関係なく年中同じクオリティのものを大量に生産できる各社の技術、そしてそれを1個100~200円台で安定して提供できる企業努力を痛いほど実感いたしました。
今回は教室向けにアレンジされた、作りやすい・家でも再現しやすい分量でのレシピになりますので、滑らかさや甘さ、香りの面で特筆する個性は生まれませんでした。
いわば素体の状態です。なのでここからアレンジし放題ということ。
材料自体はスーパーで手に入るものばかりなので、今後は売っているものに近いクオリティになるよう追求していきたいと思います!
豆から白あんを炊くのもやってみたいですね。楽しそうだ!!!
ここまでお付き合いいただいた皆様も、冬休みは和菓子作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
日頃何気なく買っているもののありがたみが分かり、より一層愛着が湧くかもしれません。
おまけ
おみやげに、と持たせてもらった別カリキュラムのパイナップルケーキ。
これも絶品だったのでまた習いに行きたいです!
今回の教室:和菓子教室ハニークラフト様
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