思考のエントロピーと語彙




1. ここで「思考のエントロピー」とは、「ある内的または外的事象に関連してそこから想起されうる異なる思考パターンが生ずる可能性の大きさ」と定義する。

2. 思考のエントロピー増大とアイデンティティの構築は、ある閾値を超えるとトレードオフになる可能性がある。

3. 思考のエントロピーがあまりにも大き過ぎると、予測されうる未来が大きく拡散してしまって収斂しない。よってその事象が過去になったときに収斂する次元の差があまりにも大きい(高次元→低次元)ため、それを宿命として受け取らざるを得なくなる可能性がある。

4. 思考のエントロピーは言語の知識に規定されやすい。ネガティブな言語を多く頭の中に残している場合、思考のエントロピーがネガティブ方向に偏る。逆、つまりポジティブな場合も同様である。言語が外界の認識を規定するとすると、もはやそれらを受けての反応は語彙に依存することになる。

5. この理論だと本当に宿命的な、つまり予測することを諦めることが可能な定常状態の思考を持っている場合、もはや思考のエントロピーが増大しにくいので逆に宿命を感じないことになる。



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