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愛おしい時間

木曜日の昼下がり、保育園からの電話で、ヨーヨー(3歳)がお熱に倒れたと聞いた時、一瞬思考停止して「折り返します」なんて、答えてしまった。

此頃都ニハヤル物、アデノ、RS、溶連菌」

あ、手足口病が余った...とか考えてる場合じゃなくて、すぐに引き取りに行かねばならないに決まっているのだ。当然。

パパに連絡がついて、小一時間で帰ってこられることがわかるまでの間、親族が遠くにいるっていうのはいざという時のサポートがないってことなんだと実感して涙ぐみそうになった。各種プロフェッショナル・サービスは基本的に予約が必要だし、病児サポートとなるとなおさら選択肢がない。

正直、お兄ちゃんのことより赤ちゃんのことで頭がいっぱいだった。

ひとりで、どうやってあーちゃん(0歳)を隔離すればいいの?

上述ウイルスのいくつかは小さい赤ちゃんにうつったら入院になってしまうリスクが高い。また入院!?それだけは絶対に、避けたい。

とはいえ本当にどうしようもないので、1ヶ月検診も迎えぬあーちゃんの初外出は「雑菌の渦巻く保育園*へお兄ちゃんのお迎え」になってしまった。

*念のため。お世話になっている保育園ではかなりしっかりと衛生管理をされている。しかし、もとい、保育園というのは小さい人たちが互いにウイルスをシェアしあい、生命力を切磋琢磨していく場所でもあるのだ。

お熱でぐったりしたヨーヨーは「ママ、ママ」と甘えぐずりが加速しているので、わたしがマスクを着用して別室で看病しつつ、パパ中心にみてもらっているあーちゃんのところに戻る時は服を着替え、手洗いうがいを念入りにして、ドアノブに殺菌スプレーも使った。はたから見たら滑稽なほど厳重に。

幸い、ヨーヨーのお熱は一晩で下がり、病院で検査した結果普通の風邪(感染力が強くて名を馳せている各種ウイルスではない)ってことがわかった。

土曜日にはすっかり元気になったので、0歳の時にお世話になっていた保育園の夏祭りに連れて行った。ヨーヨーがやけに嬉しそうなので思い当たったが、それは産後はじめての「ヨーヨーとふたりでおでかけ」だった。

先生方による手作りのペープサートを、伸び上がって見ながら「シマウマさんかな」と次の展開を予想したり、お歌に合わせてピョンピョン跳ねたりする様子を見て、ああ。

ヨーヨーも、まだこんなに小さいんだ、と、改めて気がついた。

ヨーヨーが生まれたての時。頻回授乳で、毎日死ぬかと思うほど体は辛く、若干産後うつ気味だったけれど、抱っこしていて、こんなに小さく儚いのは今だけだと思うと、涙が出たっけ。

あーちゃんは、入院もあって、新生児期が一瞬で過ぎちゃったな。

その速さが、こわい。

子供が複数人いたら「どれかがよりお気に入り」みたいなことってたまに聞くし、自分にも起きるのかな?と純粋に疑問だったのだが、わたしは、いまのところ、どっちも最高に愛おしいと思う。

それがために、これからも色々大変なイベントが尽きないんだろうけれど。

今は、過ぎ行く人生の一刻々々が、愛おしい。

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