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語学の壁の先にあること

ブレディみかこ氏の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」今、紹介しようとして知ったけど4章まではこちらのサイトで無料で読めるみたい。(2021年4月現在)

福岡出身の友達が絶賛していて、いつか読もうと思っていたが、先日古本屋で見つけて、久しぶりに紙の本を買って読んだら、おもしろかった。

イギリスの底辺中学校に進学した少年の日々の背景に流れる主題は、ダイバーシティ。外国の話でありながら、それがひとごとではないと感じられる、肌触りのある語り。

好む好まざるにかかわらず、国境をこえる仕事が増え、多国籍の隣人のいる近未来の社会を生きるヨーヨーやあーちゃんにも(今はまだちっちゃすぎるけどいずれそういう年頃になったら)読ませたい一冊だった。

多様性のある環境を「生きる力」のひとつは語学力。それは当然として、その先重要になってくるのは、育ってきた環境や文化が異なる他者と我との価値観・常識・万事に対するスタンスの違いをリコンサイル(和解)する力。

そこを直感的に知っている人は、強い。

外資系企業の中には、英語ペラペラだから最初期待されてたのに結局全然使えないじゃんという人がいる。逆に、英語ちっともできないくせに、なんかしらんけど仕事を進める力があるね、という人もいる。

つまり英語が堪能なだけではグローバルな仕事で評価されないのだが、そういう言語化しずらい力の底上げにつながる良書だと思った。

ちなみに私は最近買う書籍の9割はKindleである。

デジタルシフトの動機は、うちの狭い本棚がすぐにあふれるからだったんだけど(もし際限なく蔵書ができる広い家に住んでいたら、目に優しい紙の本を今でも買い続けていたかもしれない)実際に使い始めてメリットが大きいと感じたことのひとつは、気に入ったセンテンスをリアルタイムでハイライトしておいて、後から読み返したり、関連することを調べたりするのにすっごく便利だということ。

例えば、本書について印象に残ったくだりのひとつは、「頭が悪いってことと無知ってことは違う。知らないことは、知る時が来ればその人は無知ではなくなる」・・・自分の子供が誰かをバカといったときにそういう返しをできる母ちゃんになりたいと思った。どこに書いていたっけとパラパラ探すのに手間取ったんだけれど、まあ、結果として、子供に読ませるためにとっとくには、紙の本でよかった。


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