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グリニッジでプレイデート

カティ・サーク

Cutty Sarkカティ・サークとは、現存する唯一のティー・クリッパー(中国から英国へとお茶を運ぶ貿易船)であり、世界最速といわれた帆船はんせんの名だ。

航海距離の積算は、地球と月の間を2.5往復するほどになるらしい。現在、その美しい船はロンドンの西のグリニッジに展示され、中が博物館になっている。

わたしがその名をはじめて知ったのは、しかし、スコッチ・ウヰスキーの銘柄としてだった。

村上春樹の「ノルウェイの森」の作中に出てきたのだ。その物語は、当時中学生だった私にとっては酒と同じくらいまったくよく分からない大人の香りだったけれど、カティ・サークってかっこいい名前だなと思った。

それが、美しい帆船にちなんでつけられた名前だったというわけ。

ええと、そのカティ・サーク、さらに語源を辿ると古いスコットランド語で「半袖シミーズ」を意味するらしい。

カティ・サークの船首で風を切るFigureheadフィギュアヘッドは、その半袖シミーズを着た妖精である。なんか、そういう詩があるんだって。つまり、名前の由来は、半袖>詩>帆船>ウイスキーという順番。

船の下にある、いろんな船首像を集めたコーナー。右上の白い像がカティサークの妖精

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40代半ばで夫婦はじめての海外暮らし。旦那は一年の私費留学を終え、現地で仕事開始。7歳と4歳で渡英した子供二人はバイリンガルになれるかな?表では書けないニッチな話や個人的な考えも盛り込みつつ、ワンコインで月に20本前後をお届けします。購読中はマガジン内の過去記事(200本以上)もすべて読み放題です。

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