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世界を変えたオープン・ソース - アドラー

日本では書籍「嫌われる勇気」で知られるようになったアドラー。2013年初版のミリオンセラーです。

それまでフロイト・ユングは知られていてもアドラーは無名だったそうなのですが、2017年に心理学の勉強をはじめた私は、いつ彼の名を知ったか全く思い出せません。(全く興味なかったのです、この分野に。)

しかし、当時から今(2020年)に至る7年間に、アドラーの説く「今、ここ」につながるマインドフルネスのブームや「共同体感覚」の実践ともいえる国連のSDGs(Sustainable Development Goals)採択があって、社会が…世界が?すこしアドラー寄りになってきたのではないかとも、思えます。

*共同体感覚とは、「社会(コミュニティ)とつながり、自分の利益だけ考えるのではなく周囲に貢献して幸せを得よ。その際、より大きなコミュニティの幸せに目を向けよ」というものです。

一方、同じ時の流れの中で、マイナス金利が導入され、カルロス・ゴーンは失脚し、年号が平成から令和に変わり、スマホ普及でマス・メディアのレゾンデートルが大きく揺らいで、政治家や芸能人の言動をめぐる社会構造的な寛容さが失われてきました。

海外でもトランプ氏(米)やドゥテルテ氏(比)などの極端な大統領が誕生し、ブレグジットが完了し、シリアがぐちゃぐちゃになり、ロヒンギャ・ウイグルのジェノサイドの話も聞こえてきます。そのうえ、人類の仲間割れをあざ笑うかのように、異常気象と疫病が荒れ狂う。今、ここで、それが起きている。

「人生に意味などなく、意味は自分が自分に与えるもの」だと、アドラーは言います。今では当たり前(とまでは思えない人でも、まあそういう考え方もあるよねと)受け止められるシンプルな思想ですが、アドラーは、そのようなラディカルな目的論である「個人心理学」を、フロイトのトラウマ理論・原因論に対するアンチ・テーゼとして打ち出しました。

フロイトについて私はちゃんと調べていなくてコラム未筆なのですが、心理学の源流に鎮座しつつも、いろんな人と決裂しまくっているので、権威的でめんどくさい人だったのではないかという疑惑が醸成されつつあります。

それとは対照的(?)に、アドラーはとてもおおらかな人で、アドラー派という名前を残すことにさえ関心が薄く、その知啓を特定の専門家に対してではなく「みんな」に開いていたようです。だからアカデミアにとりあげられず知名度があがりにくかったという側面もあるようですが、やっぱり長期的に見て世界を変えていくのはオープン・ソースなんですよね。

*オープン・ソースというのはIT用語で、ソースコードを商用、非商用の目的を問わず利用、修正、頒布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることがない開発手法です。

遅ればせながら「嫌われる勇気」で彼のものの考え方を辿って(Audibleできくと、悩める若者の感情モリモリの演技のほうが本論よりも気になってしまったんだけれど)、後世の様々な心理学者・臨床家が、確かに、アドラーが言語化したことに影響されていているということに気が付きました。

本来病弱で、身長も150cmとずいぶん小柄だったというアドラー。オーストリア出身の精神科医で、第一次世界大戦時には軍医として招集されています。彼もまたナチの台頭でアメリカに移住した才能の一人です。

私が好きなジェンドリンフランクルも、故郷を追われたユダヤ人です。今見直すと私選リストの学者陣中でも、ユダヤ人はすごく多い。世界人口のわずか0.25%のユダヤ人がノーベル賞受賞者の20%だそうですが「艱難汝を玉にす」という諺の通り、タフな経験は人を強靭にするのかもしれません。

私たちは進化しているのか、同じところをグルグル回っているのか、それとも自滅に向かっているのか。まるでわっかんない今日この頃ですが、だからこそ、先行き不透明感に潰されてしまうのではなく、宇宙にまで広がるアドラーの共同体感覚に思いを馳せて今を生きたいとも思います。

アドラーが”宇宙”って言いだした時に多くの人が(あ、このひとヤバいかもって)離れていってしまったらしいです。まさに、嫌われる勇気。しかし、そこは個人的に大好きなポイントでもあったので、有名な(有名かな?)「宇宙ヤバい」のコピペで締めくくらせていただきます。

ヤバイ。宇宙ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
宇宙ヤバイ。
まず広い。もう広いなんてもんじゃない。超広い。
広いとかっても「東京ドーム20個ぶんくらい?」とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ無限。スゲェ!なんか単位とか無いの。何坪とか何ヘクタールとかを超越してる。無限だし超広い。
しかも膨張してるらしい。ヤバイよ、膨張だよ。
だって普通は地球とか膨張しないじゃん。だって自分の部屋の廊下がだんだん伸びてったら困るじゃん。トイレとか超遠いとか困るっしょ。
通学路が伸びて、一年のときは徒歩10分だったのに、三年のときは自転車で二時間とか泣くっしょ。
だから地球とか膨張しない。話のわかるヤツだ。
けど宇宙はヤバイ。そんなの気にしない。膨張しまくり。最も遠くから到達する光とか観測してもよくわかんないくらい遠い。ヤバすぎ。
無限っていたけど、もしかしたら有限かもしんない。でも有限って事にすると「じゃあ、宇宙の端の外側ってナニよ?」って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと超寒い。約1ケルビン。摂氏で言うと-272℃。ヤバイ。寒すぎ。バナナで釘打つ暇もなく死ぬ。怖い。
それに超何も無い。超ガラガラ。それに超のんびり。億年とか平気で出てくる。億年て。小学生でも言わねぇよ、最近。
なんつっても宇宙は馬力が凄い。無限とか平気だし。
うちらなんて無限とかたかだか積分計算で出てきただけで上手く扱えないから有限にしたり、fと置いてみたり、演算子使ったりするのに、
宇宙は全然平気。無限を無限のまま扱ってる。凄い。ヤバイ。
とにかく貴様ら、宇宙のヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバイ宇宙に出て行ったハッブルとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。

どなたさまも、ハッピーなライフキャリアを。

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