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【詩】あーちゃん。


あーちゃんは5歳。男の子です

3月に生まれたので、春がくると小学1年生になります
保育園のつくし組さんの中では、誕生日が一番最後で、身体も小さいです
かけっこも少し遅いです

大好きなお友達は、同じつくし組のけいくん
4月生まれで体も大きいし走るのもすごく早い
でも心がやさしくて、いつも小さなあーちゃんをさりげなく守ってくれますお母さんどおしも仲良しで夜ごはんを一緒に食べることもあります

でも、小さくてもあーちゃんはお兄ちゃんです
2つ下のたけのこ組さんに弟のゆうくんがいます

夕方になると、あーちゃんとゆうくんは同じお部屋で遊びます
お迎えが遅いお友達は、みんな一緒のお部屋で遊びながら、お母さん、お父さんの帰りを待つからですあーちゃんとゆう君は、最後は2人きりで遊んでいることがよくあります
お母さんはパートというお仕事を3つもしていて忙しいからです

でも今日は!お友達のけい君とお迎えが一緒になったので
途中まで5人でおしゃべりしながら帰りました

体の大きなけい君がお父さんの大きな背中によじ登ってふざけているのを
あーちゃんはニコニコしてみていました

「よーし!あーちゃんも登ってこい!」

でもあーちゃんはニコニコしながら首を横にふりました
そのあと、けい君とお父さんは、けい君のお母さんと待ち合わせしているファミレスへいくといってさよならしました

おふろのなかで、お母さんがあーちゃんに聞きました

「あーちゃんはさ、お父さんほしい?」

あーちゃんは恥ずかしそうに「うーーん」と首をかしげます

「ほしいよねー。うん、ママはほしいなあー」

あーちゃんの顔がすこし蒸気したように見えました

「そうだ!あーちゃん、新しいパパ探そうか?ママあしたから探してみるからさ、あーちゃんも探してよ。どっちがいいパパ探せるか競争しよ」

あーちゃんはママの目をのぞき込みながら小さくうなづきます

「よし。じゃあ、あーちゃんはどんなパパがいい?」

あーちゃんはママがびっくりする大きな声でいいました。

「ぼく、ママをお姫様にしてくれるパパがいい!」

ママが黙ったあと、横を向いてしまったので、あーちゃんは少し心配になりました。

悲しくなくても涙が出ることがあることを、あーちゃんは知りませんでした。











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