hachi

はじめまして。hachiと申します。こころが動いたことを文章や詩にして残したいと思って…

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はじめまして。hachiと申します。こころが動いたことを文章や詩にして残したいと思っています。noteをとおしてお友達と出逢えたらうれしいです。あたらしい世界へもお邪魔させていただきます。ご縁のあったみなさま、どうぞよろしくお願いします。

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なみだ。

【詩】なみだ。 「誰かの光になりたいね」 あなたはそういい、小さく笑った 夕暮れの雑踏のなか たまたま目にした 知らない誰かの小さな善意 まわりの人は気づかない された盲人も気づいてなかった そしてあなたは泣きだしそうになる 「少し飲んでいたしさ なんかそこだけきれいに見えたんだよね」 ちがうの それは瞳に張られたなみだのせい きれいな涙のせいなの 涙が、この世界の美しさをきらきらと映してくれたの でもあなたは知らない いつだって知らないの あなたからこぼれ

    • かみさま。

      【詩】かみさま。 お釈迦様はおっしゃいました 托鉢のときは貧しい者から恵みをもらいなさい なぜでしょうか? 弟子の一人が聴きました 貧しい人たちはもらうことしか考えていません その人たちがその貧しい中から、ほんの1さじでもあなたに与える。 そこから彼らの人生は大きく変わります。 恵まれない者たちを自らを与えるように救う女たちがおりました。 彼女たちは無償の愛で満たされその笑顔は光り輝いていました。 ただ、その幸せは「恵まれない者」が存在しなければできない経

      • 【詩】ことば

        わたしを 文字にする 言葉となり、文になる つたわるのか 伝わらないのか 祈るように ひと文字 ひと文字 どうぞ ふるえないで わたしを 声にのせてみる 音となり 広がっていく つたわるだろうか 伝わらないのか 祈るように いち音 いち音 わたしの声は ふるえていないか 言葉にならず のみこんだ かわりにあふれてきたそれは ただただ  やさしい あたたかくて やさしかった こころは ふるえていた

        • やさしいひと。

          【詩】やさしいひと あなたはいう 「君はやさしいから」 あなたはいう 「そういうところが君らしいよね」 あなたはいう 「うん でも君には向いてないんじゃないかな」 あなたはいう 「よけいなことかもしれないけど、心配だからさ」 あなたはいう 「あいつなら、君と気が合うと思うよ」 あなたはいう 「君に後悔してほしくないから」 あなたはいう 「君なら大丈夫だね」 ・・・ ごめん。 いったいわたしの何を知っているのかな いったいわたしの何を見てるのかな 鏡のな

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        なみだ。

          【詩】はじまり。

          一滴の音が落ちて すーっと波紋がひろがって 一瞬で すべての方向に 同じ音が伝わっていく そうして うつくしい円になる わたしの言葉も そんなふうに伝わればいい ふたつの手のひらに おそるおそるとりだしてみた ほんとうの声 そおっとのせて大切なひとたちに差しだしてみる 「これがわたしのこころです」 そんなふうに 見せられたらいい 思い込み 焦り 沈黙 怒り たがいを理解しようとして 細かく疵がついていく 善良な わたしのひとたち 一滴

          【詩】はじまり。

          【詩】protection

          善事(よごと) 禍事(まがごと) なほ まが けがれ あきづ ふるいふるいことばに 目を凝らし 耳をすませる 闇に眼がなれ 素粒子のふるまう音を聴きわけるとき よきもの あしきもの だいじなもの いらないもの まことの言葉 狂ひのことば 見分け すみわけ しずかな朝がくる protection そのときまで 守ってみせよう 小さき自分 小さきいのち protection 守るちからはここにある 笑顔と あいさつ 善意と はげまし い

          【詩】protection

          【詩】箱。

          夢をみた わたしは死んで天国についた 神さまが箱をわたしてくれた ひとかかえもある大きな箱 「なくしたものボックス」 わたしの字だった 「ゆっくりでいいからね 整理してごらん」 そういうと神さまはどこかへ消えた とりあえずふたを開ける 箱の中にはいってみた 形や大きさの違う箱がごろごろしてる 一番大きな箱から開けてみる 片方だけの靴下がつまっていた 学芸会で履いた天使の羽根がついた靴下 憧れの先輩とこっそりお揃いにしたテニスソックス はじめて母の

          【詩】箱。

          【詩】78年後。

          78年後 日本からです おっきばあばをたすけてくださったお礼をいいたくて 手紙を書いてみます お礼がこんなに遅くなってしまいごめんなさい いままで知らなかったから あの日。 登校中だったおっきばあばは とつぜん熱い灰と熱い風につつまれて 何が起きたのかわからないまま とにかく家に戻ろうと走り出した そして橋のたもとまできたとき あなたに逢ったそうです はじめはわからなかった 真っ黒に焦げた大きな大人が 橋の欄干に もたれかかるように立っていた 呻くように自

          【詩】78年後。

          【詩】青の星。

          青の星。 沈黙の島にあがり 「母」の哀しみを想う人がいる みんな なかよく 青の星。 海深くにおりて 「母」の痛みを想う人がいる みんな なかよく 青の星。 空っぽになった鳩の巣をみつめて 「母」の懐を想うひとがいる みんな なかよく 青の星。 誰かの詩を耳にして 「母」の疲れを想う人がいる みんな なかよく 青の星。 夜の空に目を凝らし 「母」の希望を想うひとがいる みんな なかよく 青の星。 みんな なかよく 空をみあげた 青の星。

          【詩】青の星。

          【朗読】滴(しずく)のなか。

          【朗読】滴(しずく)のなか。 作:hachi ねえ、大丈夫? あなた、ひどくつかれてるわ。 あたし? いいけど 言ってもあなたはわからないわ。 あたしはあなたを知ってる。 すべてのときにいるすべてのあなたを知ってるの。 どう? びっくりした? そうね。 わかりやすければ、双子とか、自分の影とか、 そんな感じに思ってくれてもいい 違うけどね。 あたし? 観てるだけ あなたがここで経験することを ただ観てる あなたの五感 感情 思考 肉体的な快と不

          【朗読】滴(しずく)のなか。

          【詩】ほんとうの声。

          ありがとうってね、大事な言葉なのよ。 そうなの。どういうときに使うの。 たとえば、運動会であなたが走って転んだとき。かけよって大丈夫?って心配してくれる大人がいたら、ありがとうっていうでしょ? 言わないわ。 だって私、痛くて痛くて泣いてしまっているんだもの。 春の発表会におばあちゃまがドレスを縫ってくださったでしょ。 言わないわ。 私、ピンクのフリフリのドレス見て泣き出しそうだったんだもの。 遠足のときのバスで。 ゆりちゃんがあなたのために窓側の席をとっといてくれ

          【詩】ほんとうの声。

          【詩】しいちゃん。

          おふろの中で今日もしいちゃんは泣きました。 まだ小さいのに、しくしくと声をあげずに泣いています。 おかっぱ頭に手をおいて、おばあちゃんがやさしく諭すように言いました。 「でもね、シイちゃんは我慢しておきなさい。ね」 しいちゃんはまた悲しくなりました。 「お姉ちゃんはね、あれは生まれつきお転婆でわがままで、たしかに手が付けられない子だよ。でも、もうすぐ1年生になる。小学校にあがればだんだんわかってくるし、おとなしくなる。お爺ちゃんもいつもそう言ってる。お爺ちゃんは、私

          【詩】しいちゃん。

          【詩】あーちゃん。

          あーちゃんは5歳。男の子です 3月に生まれたので、春がくると小学1年生になります 保育園のつくし組さんの中では、誕生日が一番最後で、身体も小さいです かけっこも少し遅いです 大好きなお友達は、同じつくし組のけいくん 4月生まれで体も大きいし走るのもすごく早い でも心がやさしくて、いつも小さなあーちゃんをさりげなく守ってくれますお母さんどおしも仲良しで夜ごはんを一緒に食べることもあります でも、小さくてもあーちゃんはお兄ちゃんです 2つ下のたけのこ組さんに弟のゆうくんがい

          【詩】あーちゃん。

          【詩】音。

          猫が水をのむ音 猫がおしっこする音 猫がサイドボードに跳びのる音 耳をすませていないと聴こえない しあわせの音 風にゆられるカーテンの音 ぽたん、ぽたん、と落ちていく珈琲のしずく とつぜん「みしっ」と鳴る家の音 耳をすませていないと聴こえない しあわせの音 わたしのお腹が小さく鳴る どくっどくっ 心臓の音 腸のあたりが、ぎゅるるっと動く 耳をすませていないと聴こえない しあわせの音 bluetoothをはずし 思考をはずし 感情をおいて ただそこにいた すべての

          【詩】音。

          【詩】愛のひと

          愛とはなんでしょうか わたしにはわかりません 愛とは何か、が書かれたものはたくさんあるけれど 愛とは何か、を語る人はたくさんいたけれど 読んでも、聴いても、アタマは理解しても、やっぱりわからないのです でもときどき、ほんのたまに、不思議なことが起こります 不意に、自分のなかが何かでいっぱいになって、あふれ出しそうになるのです かすかな痺れとともに、泣き崩れそうになるのです たとえばそれは、ある人の必死な姿をみたときです 遠くにすむ友人が病に倒れて苦しんでいる

          【詩】愛のひと

          【詩】おじいちゃんへ。

          おじいちゃん。こんばんは。 そっちは「こんばんは」じゃないのかな。 よくわからないけど。  続けるね。 会ったことはないけど、私、おじいちゃんのこと知ってます。 だって、小さい頃からときどきおじいちゃんの話、聴いてたから。 大恋愛だったらしいわよって、おばあちゃんと。 そうなの? おばあちゃんは聞いても笑うだけで何も言わないから。 でもね、わたし、おじいちゃんの顔は知らないの。 仏壇の写真のおじいちゃんは、和服きて杖ついた姿で、お顔がよく見えないから。

          【詩】おじいちゃんへ。