DSC_0545_空き家_1

生まれ変わるもの(エッセイ)_20190714函館記念

夕方、どんより曇る梅雨の合間にウォーキングをはじめる。
イヤホンをして経済番組を聴きながらウォーキングするのが日課となっていた。しかしきょうはイヤホンの外から騒音が入り込んできた。経済番組の声が聴こえない。
住宅街に騒音をまき散らす選挙カーがこの時ばかりとはやし立てる。経済番組をあきらめて、音楽に切り替える。
ふと、小学校時代の友人を思い出した。
彼は優秀で、将来政治家になりたいと言っていた。
彼は今頃どうしているのだろう。実家にいるのだろうか。実家はまだあるのだろうか。
よし、昔よく遊びに行った彼の実家に行ってみよう。
ウォーキングの足が速くなる。
少し汗ばんできた。梅雨寒とはいえ、蒸し暑い。
人のすれ違うのがやっとの細い路地に入った。空き家が多い。彼の実家に到着した。2階建ての彼の家は、当時お金持ちの象徴のような家だった。うらやましかった。その家が、今ひっそり建っている。白い壁は黒ずみ薄汚れている。二階に伸びる外階段は赤くさび付いていた。二階のベランダには一本物干しざおがかかっていた。家の反対側に回ってみる。壁には当時はなかったツタが絡まっている。人が住んでいる気配がない。隣の庭では1mほどの背丈が伸びた雑草が生き生きとしていた。
彼はどこにいるんだろう。

一通りウォーキングをして、自分の家の路地に戻ってきた。空はうっすら薄日がさしてきた。
そういえば、うちのはす向かいの家も空き家になって2年ほどになる。70歳代後半のおじさんが入院して帰ってこない。噂によると、退院と同時に老人ホームに入居したらしい。
誰にも読まれないチラシがあたかもゴミ箱のように郵便受けに突っ込まれている。
玄関の前のコンクリートの隙間から、雑草が生えていた。


◇◇
さて、本日は函館記念。
⑪マイネルサージュを狙う。
母サオヒメは春の女神だが、どうしても物干しざおが思い浮かぶ。父ハービンジャー産駒は重い函館の馬場にはぴったりだ。

(勝馬投票は自己責任でお願いします)
[今年の当たり]
〇ヴィクトリアマイル クロコスミア 11人気3着
〇大阪杯 ワグネリアン 4人気3着
〇中山記念 ラッキーライラック 6人気2着
〇フェブラリーS ユラノト 8人気3着 
〇共同通信杯 ダノンキングリー 3人気1着 
〇日経新春杯 ルックトゥワイス 5人気2着
〇中山金杯 ウインブライト 3人気1着

#エッセイ #コラム #競馬 #umaveg #空き家 #選挙カー #雑草 #物干しざお #ウォーキング

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?