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私のベルサイユ先生

日本から、フランスはベルサイユに引越してから、かれこれ半年が経ちました。日本の友達と別れることが辛くて仕方なかった娘には、フランスで親友が出来ました。今まで会った友達と全然違う!自分たちは同じところがどこも無いけど、家族みたいに近いんだ、と言ってます。

娘の親友は、韓国人のママとフランス人のパパとのハーフ。このフランス人パパが私のベルサイユ先生です。

政府で働き今はベルサイユ宮殿のとあるポジションに付いている彼は、宮殿に関するあらゆる知識がとても豊富なのです。

初めて、うちの家族と娘の親友家族でベルサイユ宮殿のお庭をお散歩しましょう、と約束した日、私たちは彼らの仕事について何も知らぬままに、グラントリアノン前で待ち合わせをし、普通に散歩する人たちで賑わうグランカナール周りを歩き始めました。少しすると親友パパはポケットから鍵を取り出し、宮殿内の閉ざされた庭への鉄門を開けたのです!!!

コロナ禍の今、ベルサイユ宮殿の建物は閉館されたままです。普段は無料で立ち入りができるプチパークも立ち入れません。グランパークは誰でもお散歩が出来る状態です。

通常時は事前予約のガイドツアーとして一般公開されているプチトリアノンから王妃の村里は、現在は公開されてません。

初めてのお散歩は、この王妃の村里。La hameau de la Reineです。豪華絢爛なベルサイユ宮殿の敷地内にあって、わざとらしいほど質素な建物や自然の形を残した池や素朴な橋、岩の洞窟などかある村里。それでいて計算しつくされた自然の景観と言う不自然さは、まるでディズニーランドのアトラクションを思い起こさせます。

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何?この場所は一体、、、?マリーアントワネットが農村の暮らしに憧れて、莫大な国家予算をつぎ込んで作られた遊び場。フランス革命が起こる直前のこと。この村里への浪費も国民の不満を爆発させる一因となったはずです。200年近く公開もされていなかったそうですが、クリスチャンディオールグループが再生する資金を出して本当に近年公開されることになったそうです。子どもたちは、貸し切りの村里を駆け回ることがいかにすごいことであるかを知ってか知らずか、楽しそう!

またある時は、王のオランジェリを散策!L’orangerie de Roiは、ルイ14世が宮殿内をオリエンタルな印象にデコレーションするため南欧州から様々な柑橘類を集めて育てたと言う場所。夏になるとここにある柑橘類の木を幾何学的な模様をした庭に並べるそうです。

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不思議な場所。美しい場所。夢みたいな信じられない場所。。。

ベルサイユ先生と散歩をするのは本当に楽しい。誰もいない場所を贅沢にもお散歩できるから、と言うだけではなく先生はとても丁寧に説明してくれます。そして私ももっと自分でもルイ14世やマリーアントワネット、フランス革命などについて知りたくなるのです。

コロナ禍の海外駐在で、フランスはレストランももう半年も閉まったまま。日本の友人は、残念だね、どこにも行けないね、と同情してくれるのだけど、確かにフランスの日常や欧州各国への旅行などは出来ないけれど、コロナ禍じゃなければ誰もいない宮殿のお散歩は、きっと出来なかったことでしょう。ベルサイユにどっぷりハマって生活するのは、悪くないです。


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