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ピアノを弾きながら、土地の物が持つエネルギーにしっくり来た話


#最近の学び

昨日は娘と2人でマルシェに行きました。
ここ最近ずっと、プラムが食べたいと
言っている娘。プラムは無かったけど、
ネクタリンとアプリコットが出てました。

娘は、スペイン産だねー。パパ嫌がるね。
(パパが嫌がるからってあまりいい考え方
じゃないけど)でも食べたいなー。

いいよ、買おう!と私。

うちに帰ってアプリコット見た夫は、
おーアプリコット美味しそう!どこの?
スペインだよ、、、、

もうすこし待てばフランス産が出るんだから
待たなきゃー!わざわざ違う国からやって
来るものを買う必要は無いよーと。
そしてなぜかと言う理由を説明します。

こう言うことを丁寧に娘にいつも説明する
夫は、偉いなーって思います。

土地の物と言えば、ものすごく
個人的でマニアックな話かもしれませんが
しちゃっていいですか?
最近ビシビシ、響いてて、私が感じている
もので、誰かに話したいことが!

フランス来てからピアノをレンタルしてます。
SCHIMMELというドイツのピアノです。

私のピアノ遍歴を少し紹介させて下さい。
4歳から18歳までピアノを習っておりました。
田舎のピアノ教室なので、コンクールとか
そう言うものは無縁でしたが、それでも
子どもの時は母に鬼のように怒鳴られながら
嫌々毎日練習してて、正直好きだった
かどうかも分からない。それでもやめずに
続けました。高校三年生の三月に最後の
発表会があり、大学で実家を出たら、ピタリ
と弾かなくなりました。弾きたいと思うことも
無かったな。

それが、娘を妊娠中になぜか急に弾きたく
なったんですよね。
当時は東京のマンションだったから
電子ピアノを買って弾き始めました。
手始めに、中3の発表会で弾いた、ショパン
の幻想即興曲の練習を始めました。
娘の妊娠中は毎日毎日弾いてましたね。


娘が生まれて半年くらい経った頃、札幌
で働いていた大学の友達が東京に転勤になり
久々に会いました。そうとう本格的にピアノ
をやっていた子で、聞けば毎年札幌で、
素人が集まるクラシック演奏会を開催
していたと言う話をしてくれました。
なかなか上手い演奏者もいれば、この演奏会
のために初めて楽器を始めた大人もいる
自分のための演奏会。ただし、演奏する前
に、誰かへの感謝の気持ちを話し、
その誰かのために演奏しますと言うスピーチ
をする決まりなんだとか。

その演奏会を東京でも開催したいから、
出ない?と誘ってくれました。
二つ返事でオッケーし、その年は
ショパンの幻想即興曲を弾きました。
感謝は夫と娘に伝えました。
私が席を離れてピアノの方に行った時、
娘は泣き出したんですが、ピアノを弾き
始めたらピタッと泣き止みました。
やはり、お腹の中で毎日聴いてた曲だから?

翌年は、高3の最後の発表会で演奏した、
ベートーベン月光の第三楽章。
たまたま東京に来ていた母が見に来ました。
子どもの時は、ピアノで褒められた記憶が
無かった。焦って速くなってるー、とか、
音がうるさい、とか、ペダル踏みすぎー
とかとか。気持ち良く私の演奏を聴いてた
ことなんて14年間一度もないんじゃないかな。

その演奏会のスピーチは母への感謝を述べました。
母に押されて押されてピアノを続けた
おかげで、大人になってピアノを楽しめる
自分がいることの感謝を。母は泣いてました。

この演奏会に出場するようになり、
実家に帰る際に、子どもの頃に習って
いたピアノの先生のところにも顔を出し、
演奏を聴いてもらうようになりました。
二台のグランドピアノが置かれて、楽譜
で埋まった本棚がまわりを囲んでる狭い
教室は変わってなくて、優しい男の先生も
年は取ったけど変わってなくて、
うめちゃん、子どもの時よりずっと上手
に弾くね!と言ってレッスンしてくれました。

さらに翌年の演奏会は、子どもの頃に
弾いたことのない曲にしようと、ベートーベン
のテンペスト第一楽章を選びました。
過去に先生がついて完成させたことの無い
曲だから、一人では無理だな、と思い東京で
先生マッチングサイトで先生を探しました。

私よりずっと若い、小悪魔的美人の先生!
半年ほど二週間に一度渋谷の貸しスタジオ
でレッスン。これがまた刺激的だったんです。
こんな若い女子が、どうしてこんな風に
音楽表現を語れるんだろう?って。

これは彼女特有の口頭表現ですが、
ベートーベンの音を表現する時に、
ドイツは、ドイツは、と言うんですよね。
音を小さく弾くp(ピアノ)の際、
ドイツのpはフランス(ショパンのこと)のp
みたいなタラランと柔らかい音では無いんです。
針に糸を通すように神経を張り詰めた
ようなpなんです。とくにこれはテンペスト!
嵐が巻き起こる前の不穏な緊張感で
張り詰めた静かな音を出すんです、と。
(ショパンはポーランド人ですが、
フランスで作曲活動していたため)

人生経験が少ないはずの20代の若い女性に
こんなに深いことを教えられることに
なるなんて思わなかったから、その
ギャップと彼女の前で弾かねばならない
プレッシャーがたまらないレッスンでした。笑

なんか、それまで、ベートーベンは
ベートーベンだったのに、彼女との
レッスン以降、ベートーベンは
ドイツだーって深く意識しちゃう。笑

翌年はテンペスト第三楽章をやろうと
決めていたのですが友人が札幌に戻り、
演奏会が無くなってしまい、かれこれ
完成しないテンペスト第三楽章をもう
4年間くらいだらだら練習したり
しなかったり、、、で今に至ってます。

そしてですねー、最近結構弾いてるんです。
夕飯後や、少し空きがあったら一回か
二回弾くくらいしかできませんが。それでも
最近の中で1番弾いてるからか、
ここ数日、すこし上達したなーって
気がしてるんです。
するとどうでしょう!!ドイツのpがグッと
響くんですよねー。
f(フォルテ)じゃなくてp(ピアノ)が特に!
大嵐ではなく刹那的に押し寄せる不穏な
灰色の雲行きが!

この響き方はただ私が上達したからだけ
じゃなくて、うちのピアノがドイツ製だから
ベートーベンのpがこんなによく心にまで
響いてくるんじゃないか、共鳴しているん
じゃないかって気がしてならないんです。

その話をずっと最近誰かにしたくて。
夫から上手くなったね、と言われた時に、
ピアノがドイツ製ってのも、ベートーベンと
合ってるんだと思うんだよねー、と言って
みましたが、そうかもね、であっさり
終わり。何かもっと私的には響いて響いて
しょうがないのにーー!

私が伝えたい話をするために長い長い回り道
をしてしまったのですが、そろそろまとめに
入ります。(まだ終わらないの?笑)

私はこう言う、土地のものが持つ、
目に見えないエネルギーや、それ同士が共鳴
することって、あなどれないんじゃ
ないかなーって思います。
食べ物の地産地消の大事さは、環境や
経済のためにも大事だけど、このエネルギー
に触れると言う大事さもあるかなーって。
そして食べ物だけじゃなく、もっといろんな
物にも土地の魂は宿っていて、何かの形で
それが共鳴する場面に立ち会えたら、、、
なんだろ、、、?
しっくりくる、と言うか。
真理に出会う、と言うか。

世の中はしっくりくることより、多分こない
ことの方が多くて、と言うかしっくり来てない
ことにすら気が付かずに過ぎているのですが、
最近になって私は、しっくり来ることを一つ
一つ意識的に集めようとしてる感覚があります。
昔誰かが言っていたことが、時を経て別の何か
と繋がって理解が出来たり。

だからこう言う発見が嬉しくて、身の回りに
しっくり来ることが溜まっていくと、
心が整理されてもやもやが減っていくような
そんな気持ちでいます。

んー、、、最近どうしてもスピっちゃう私です。


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