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時々の再読

随分前に読んだけどサッパリ覚えてないなぁと気になる本
あったあった、と読んでみた

三島由紀夫の「複雑な彼」

20代の頃
「三島の中では異色作だよ」と友人に勧められて読んだ

安部譲二の若き日の女性遍歴を三島由紀夫が小説にしたものだ

安部譲二?
「塀の中の懲りない面々」のあのオジサン?
このカッコいい男が?!
と少女漫画を読むようにキュンキュンしながら一気に読んだ

当時は借りて読んだが、10年以上経ってまた読みたくなり購入

2回目はなんだかサラッと読み流してしまってまた10年以上が過ぎ、今また再読してみた

物語の結末を書きますのでここから先はご注意を









譲二(安部譲二がモデル)の世界各国での経歴・女性遍歴を織り交ぜながら、森田冴子という社長令嬢と譲二の恋物語が描かれています

安部譲二がJALのスチュワードをしていた頃の話で、ご本人曰く「克明に」描かれているそうです
※スチュワードはスチュワーデス(今はCA)の男性版です

冴子との現在軸が中心に進んでいくのですが、譲二が「牢のような日本」では収まりきらず、様々な国の行く先々で出会う女性とのエピソードを交え、現在軸にその女性たちも登場してきます
女性遍歴に加え、自由すぎる経歴も彼の魅力となっています
井戸掘、沖仲仕、バーテン、ボクサー、スチュワード……


途中で出てくる謎の男

譲二をたいそう買っていて、助けてくれたりする場面もあり、自分についてきてくれとスカウトします

この人は架空だと思いますが、思想家か革命家の類ではなかろうかと思われます

最終的には冴子との恋は実らずこの謎の男についていくというのが結末です

結婚話まで進んでいたのになぜ実らなかったか

譲二の背中にガッツリ刺青があったから

そこの詳しい話はありませんでしたが、過去のどこかの時点で入れたのでしょう

お嬢様の冴子がそんな人と歩む未来は無い

ハッピーエンドではないですが、その悲しさはあまり感じなかったです(私は)


とにかく、くどいようですが譲二が最高に魅力的に描かれていて女性なら誰でも恋してしまうんじゃない?と思います


本編の後の解説を安部譲二さんご本人が書かれているのですが、そこもとても印象深いです
市ヶ谷の自衛隊での事件前夜、三島由紀夫さんとお酒を飲んだそうです
高いお酒を飲んでいいよと言われて「悪くなることもないのだから置いておかれては?永い旅行ですか?」と安部譲二さん
「ああ、そうなのだ」と三島由紀夫さん

ここだけで何だかまた別の物語のようだなと思いました


本当に下手な感想文で申し訳ないです
お読みいただきありがとうございます


ではまた〜








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