香谷ウメ

日々是好日。 どんな日も同じ一日

香谷ウメ

日々是好日。 どんな日も同じ一日

マガジン

  • 多羽(オオバ)くんへの手紙

    生涯青春病が書き散らかしている、1話1000字前後の拙いお話

  • ねこ

    ウチの猫のあれこれ

  • 日々の徒然

    文字版らくがき帳のようなものです

  • お花

    ウチは陽当りがあまり良くないので、地味目のラインアップになっています

最近の記事

多羽(オオバ)くんへの手紙 ─10─

「ミスミーン、これ!」 お鈴が笑顔で駆け寄ってきて律儀に年賀状を手渡してくれた。 肌を刺すような空気の冷たさが少しだけ柔らかくなる。 「今年もよろしく」 ちょっぴり照れくさい挨拶で始まる朝も、すぐにいつもの会話となり、 やがて興味もなさそうな地味なあの子や いつもワルぶっているあの子も 皆が気になるあのイベントの話題になる。 「上手くいくミライ」だけを想像して 時には気重になったり、ワクワクしたりして過ごすバレンタインデーまでの1ヵ月。 「ミスミンはさ、多羽にチョコ

    • 岡村靖幸って還暦前なんだ!アラカン! 君がだいすっき♪流れてくるー 真似したなぁ笑 誰が歌っても面白い感じになっちゃう 癖になる歌い方とメロディー ヘポタイヤー

      • 感覚が勘違い

        近頃流行りのハラスメント見本市 いろんな「ハラ」が次々に出てくる これも「○ハラ」になるんかい、と思う今日この頃 ハラスメントまみれの時代に生きてきた昭和人は 「へぇ~…」しか出てこない 良くないことではあるが、そこまで言わんでも…ってなったりもする それはさておき 職場に大抵1人くらいはいるハラスメントおじさん 当時のハラスメントといえば「セクハラ」 「おっぱい大きいね」などの発言タイプと タッチタイプ(交通系ICカードか笑)があった 20代の頃働いていた職場にも例に

        • 今シーズン初ムカデ!!怖い!!グロい!15cmくらいのやつ! 小さい頃田舎で刺され、この家でも1回刺された😖猫がよく見つけてくれるわ〜。カーテンレールに居るのをボトッと落としてくれたり、、刺されるとめちゃくちゃ痛いので皆さん気をつけて!どうやって気をつけるかは知らんけど

        多羽(オオバ)くんへの手紙 ─10─

        • 岡村靖幸って還暦前なんだ!アラカン! 君がだいすっき♪流れてくるー 真似したなぁ笑 誰が歌っても面白い感じになっちゃう 癖になる歌い方とメロディー ヘポタイヤー

        • 感覚が勘違い

        • 今シーズン初ムカデ!!怖い!!グロい!15cmくらいのやつ! 小さい頃田舎で刺され、この家でも1回刺された😖猫がよく見つけてくれるわ〜。カーテンレールに居るのをボトッと落としてくれたり、、刺されるとめちゃくちゃ痛いので皆さん気をつけて!どうやって気をつけるかは知らんけど

        マガジン

        • 多羽(オオバ)くんへの手紙
          10本
        • ねこ
          2本
        • 日々の徒然
          14本
        • お花
          2本

        記事

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─9─

          朝の空気に金木犀の香りが漂う季節。 なぜ秋はこんなにもスポーツイベントが多いのだろう。 体育祭に球技大会。 私のように運動の苦手な人間は、何とも気が重い。 唯一の楽しみは多羽の活躍だった。 多羽は運動神経が抜群に良く、走るのも速かった。 野球以外の球技も上手く、この季節の申し子のようで羨ましく眩しかった。 やはりそういう男子は目立つ。 普段は坊主の非モテもそれなりにカッコよく見えてしまう。 私が拾って大切にしまい込んでいた綺麗な石を、誰かが見つけて持っていってしまった

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─9─

          揺れるハート型

          トップ画は何年か前によく咲いたもの タイツリソウって花です 花が釣り竿にぶら下がった鯛のように見えることからつけられた名前だそうです 以前白い花のものもあったのですが、白ってやっぱりちょっと弱いのかな いつの間にかいなくなってしまいました 以下もよく咲いた同じ年のもの 葉っぱだけ伸びて花が咲かない時がある 今年はどうかな〜

          揺れるハート型

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─8─

          夏休みという非日常はそれなりに私を楽しませてくれた。 甲子園での高校野球観戦。 お鈴と行ったプール。 ただ、心の隅にはいつも日常に戻りたい自分がいた。 私が戻りたいのはどの日常だろう。 窓辺に寝そべりながらボンヤリと考えた。 ずっと見ていた雲が少し探さなければならないくらい流れていた。 *** 昼休み明けの少し冷えた椅子にゆるゆると腰掛けた時だった。 隣の席の柄本が真っ青な顔で額に脂汗を滲ませ、苦悶の表情を浮かべているのが目に入った。 「顔が真っ白やん!どうしたん?保

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─8─

          自分は運がいいと思った方がいい

          先日、ウチの猫が背中をカキカキカキカキ いつもより激しく掻いている 舐めている その日は在宅勤務だったけれど、仕事が立て込んでいたので「掻いてるなぁ」とチラチラ見るくらいだった そのうち走り回って興奮した様子になり またカキカキカキ 気になって掻いている所を見ると少し毛が抜けてハゲていた 「あんまり掻いたらいかんよ」と言って仕事に戻った また興奮している様子でカキカキしている クローゼットに隠れて掻く さすがに気になって見てみると さっきよりハゲがだいぶ大きくな

          自分は運がいいと思った方がいい

          今朝サックス奏者の話をしていたら久々に観たくなった。コロナ禍の頃の鬱屈とした気分が少し晴れたなぁ。 seatbeltsの「TANK!」 https://youtu.be/2VsgkIE-RHg?si=AQE3Hk7Sbo1vyhwh

          今朝サックス奏者の話をしていたら久々に観たくなった。コロナ禍の頃の鬱屈とした気分が少し晴れたなぁ。 seatbeltsの「TANK!」 https://youtu.be/2VsgkIE-RHg?si=AQE3Hk7Sbo1vyhwh

          ふわふわ生きるっていい

          ウチの妹は2児の母 長男は現在中2の甥っ子Tくん その妹、小5のMちゃん Mちゃんからは「こいつ」呼ばわりされていて 威厳のカケラもない兄貴だけど とっても羨ましいキャラクターのTくん 学校に行くのが大好きなTくん 私「勉強がよくできるん?」 ウチの妹「出来ない方やで」 私「じゃあ体育とかそっちが得意とか?」 ウチの妹「そっちも普通やで」 私「部活がめっちゃ好きとか!」 ウチの妹「普通に行ってはいるけど特には」 私「…」 勉強出来ない子のイメージとして 勉強分か

          ふわふわ生きるっていい

          ずーっと雨。 雨ダルさんにはツライ頭痛がつきまとう せめて気分だけでも 幾つになってもたまにこういう曲聴きたくなる キラッ✨ クラムボンの「星間飛行」 https://youtu.be/4TtSpmL9O2o?si=FyZgd6oaz-bR1mxt

          ずーっと雨。 雨ダルさんにはツライ頭痛がつきまとう せめて気分だけでも 幾つになってもたまにこういう曲聴きたくなる キラッ✨ クラムボンの「星間飛行」 https://youtu.be/4TtSpmL9O2o?si=FyZgd6oaz-bR1mxt

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─7─

          あれから母とは特に変わらず普通に日常生活を送っていた。 本人は言ったことすら忘れているだろう。 ああいった悪気のない言葉は、時に人を傷つけることもあるが 私は「もういいや」という気持ちになっていた。 なろうとしていた。 一方、父に対しては母とは違った感情があった。 父親というより同志。 中学生が、同志がどんなものを指すか理解はしていなかったであろうが、シンパシーを感じていたと言えばよいだろうか。 ボワっと大きくなった炎も、また遠くでぼんやりと灯る小さな明かりになっていた。

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─7─

          「雨にキッスの花束を」が流れてきた 歌ってるのは今井美樹だけど私にはKANちゃんの曲 もういないなんて信じられない

          「雨にキッスの花束を」が流れてきた 歌ってるのは今井美樹だけど私にはKANちゃんの曲 もういないなんて信じられない

          母さん、ぼくのあのミニスカートどうしたでせうね

          ミニスカートを履かなくなったのって何時からだろう 20代前半の頃、マイクロミニのビタビタのタイトスカートを好んで履いていた 短パン(死語?)もホットパンツ並みのものをよく履いていた ミニスカートっていつまで履けるのだろう 当時割と真面目に心配していた 特にスタイルが良かった訳ではなく ただ「ガリガリでペラペラの体」だっただけ 本当はムチっとした体、巨乳に憧れていたのに タイトミニを履こうがハイゲージのビタビタのニットを着ようが 悲しいかな、全くエロくはならなかった ジ

          母さん、ぼくのあのミニスカートどうしたでせうね

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─6─

          貴代先生の実習期間が終わった。 私は運動神経が絶望的だったので、貴代先生が多羽に話していたらと思うと暗澹たる気持ちになった。 どうか私のことなど全く忘れていてほしい。 そんな気分とは裏腹に皆夏休み前のフワフワした空気が漂っていた。 私への多羽いじりも一段落した頃だった。 *** 羽田家は両親、中2の私、小5の弟の伊織、小3の妹の賀子の5人家族だ。 子どもたちはその日の学校での出来事や友達の話などを、我先にと両親に話すような家庭だった。 伊織や賀子が喋りまくった後、私も

          多羽(オオバ)くんへの手紙 ─6─

          よく考えたら凄いことだった件

          若い頃、Kちゃんという友達がいた Kちゃんはおよそ常識というものから外れた人だった 「昨日はお風呂に入ったよ」   昨日「は」って何?一昨日は入ってないのか? 付き合う男はいつも体からで 「セックスの相性が悪かったら致命的」だからだそうだ ただ、知的レベルは物凄く高かった 関西ではよく知られた進学校の出身だったが、 ガリベンタイプではなく天才タイプ Kちゃんのエピソードは数えきれないほどあるが 中でも最も衝撃的だった話 Kちゃんは男女共学の高校に通っていたが、彼氏

          よく考えたら凄いことだった件