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私が中国語を話せるようになった理由

実は私、中国語が少しだけ話せるのね。

ハーフでもないド日本人だし、あっちに留学してたわけでもない。

ましてや、前職での工場勤めの安月給(準社員で手取り9万円)で、
中国語を習いに行くなんて到底無理。

じゃあ、何をしたかと言うとだな…。

前の職場で中国人研修生専用の寮があって、
そこで中国人の女性たちと集団生活を共にしてたんだわ。

私を入れて、日本人は3人。
掃除当番表を見ると、

食堂:梅岡(私)

玄関:山田(日本人)

パソコン室:李(リーさん)

1階トイレ:王(オウさん)

風呂場:張(チョーさん)

廊下:林(リンさん)

…みたいな感じでさ(^-^;

寮生活は、なんというか…。
潔癖症の人なら耐えられないであろう環境だったね。

建物や廊下、食堂に響き渡る、甲高い中国語。

寮はボロイし不衛生で、
夏はネズミやゴキブリが厨房を走り回る。

風呂掃除で排水口を洗おうとすると、
彼女たちの長い髪が

ホラー映画さながらに詰まってることが多々あったね(3年間髪を切らないとかザラだからね…)。

しかもこの寮、食事は各自自炊だったんだけど、
彼女たちはニンニクを大量に使った料理を作るんだよね。

余談だけど、とある中国人にヘチマの炒め物を食べさせられたことがあったものの、
ちょっと日本人には無理のある味だったわ…。

中国人たちと近くで話すと、吐息が鼻の曲がりそうな臭い。
体中の毛穴からも発しているのか、

大浴場の戸を開けたとたん、
ニンニクの匂いが立ち込めていて、思わず「くさっ!」と呟いたこともあったっけ?

(シャンプーや石鹼の匂いとブレンドされて、なんとも言えない匂いなのよ…)。

さらに言うと、中国人女性は、わき毛を剃らないのね。
その状態でタンクトップを着て、髪の毛のゴムを結び直してるもんだからもう…ヤバイよ(;・∀・)

私が風呂でムダ毛の処理してると大笑いする子も居たわ
(よほど可笑しかったのか、思い出し笑いまでされたしね…)

トイレのドアも、「小」の時は開けてするし、
(郷に入っても郷に従えなかったわw)

使用済みの生理用品が、汚れた面を上にした状態で廊下に落ちてたこともあったり…。

まぁ、挙げればきりがないんだけど、
ちょっと特殊な環境にいたわけよ。

そんな中で、私は自然と

「中国語を勉強したい」という気持ちが芽生えてさ…。

仕事でも寮でも、中国語を話そうとする日本人が誰一人いないことに、
少々疑問もあったのね。

「彼女たちが勉強しに来てるんだから、相手が日本語を勉強するべきだ」
という空気。

正直、もったいないなと思ったよ。

私は、中国人たちと寝食を共にできている「恵まれた環境」で、成長したいと思った。
そして何より彼女たちを、

中国という国を、もっともっと知りたかった。

だから、中国語入門の本を買ってきて、
何度も聞き、何度も口に出し、

筆談や中国語を使って、彼女たちと積極的にコミュニケーションを取ったんだ。

私の中国語があまりにもへたくそだったからか(笑)、
彼女たちがピンインの発音表を手書きで作ってプレゼントしてくれた。

おかげで、今はネイティブの中国人と中国語で話すと、

「発音がきれい」

「上手デスネ~」

「スゴイ!中国人が喋ってるみたいデス!」

「日本人はみんな中国語下手くそなのに、あなたは何言ってるかワカリマス!」

なんて、褒めてもらえるほどになったよ(笑)。

あの頃の中国人はみんな研修期間を終えて祖国に帰ったけど、
彼女たちがくれたものは本当に大きい。

正直、今までの私は中国に対して良いイメージは無かったんだけど、

一人一人と実際に接してみると、偏見をガラリと覆された感じ。

妹のように甘えてくる子、日本語を熱心に勉強する子、
気が強くてボーイッシュな子…

性格もさまざまで、それぞれに良いところがあった。
何かをしてもらうと、それ以上のお返しをする。

本当に、義理深いというか、人情深い民族だと思ったよ。

私は今、その会社は退職したし、
会社の敷地内にあった寮も、今は完全に取り壊されてる。

会社の中国人研修制度も無くなり、最後の中国人たちも、もう帰国した。

せっかく覚えた中国語も、もう使うことはそうそうないだろうな…。

そう思った矢先のこと。

同じ市営住宅に、中国人のご家族が引っ越してきた。
しかも、子どもさんがうちの娘と同じ保育園に通っており、

しかも次女と同じクラス!

なんというチャンスだろう!

だけど、相手が日本語をベラベラに喋れるから
若干甘えてた部分はぶっちゃけあったのね。

だけどある日、その中国人ママに言われたのよ。

「梅岡さん、中国語検定とか受けたことありますか?」

ってね(^_-)

(私)
「いやぁ~、ないない!
私の中国語なんて簡単な挨拶や会話文程度だから

喋れるうちに入らないし…」

(中国人ママ)
「受けてみて!絶対レベル高いよ!」

その一言が、妙に心に響いてさ。
2018年の暮れから、中国語の勉強を再開したわけよ。

2019年は、それを継続して語彙力を上げることが目標だね。

テキストやCDだけで覚えた中国語なんてすぐ忘れちゃうけど、
中国人たちとの会話を通して知った中国語は、

いつまでも覚え続けてられるんだよね。

その言葉を使うたびに、教えてもらった状況を思い出せる。

あの時の寮生活は、はたから見るだけでは非常に劣悪な環境に思われたかも知れない。
だけど私にとっては、

本当にかけがえのない宝だったよ(^▽^)/


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