毒の華
毒の華
我々は常に少量の毒を用いる。生に飽きぬ為に・・・・・・。
今日の時代は誰もが意識的に毒を求めている。
その効果は当人達が良く理解している。
我々にとって最上の薬は猛毒にもなる。ゆえに古来より変毒為薬と謂われる。
毒がもたらすもの、それは死である。
生の目的は死とも言える。
その主役は時であり空間は劇場である。
人生を考察すると死に直面する。個人の意識の完全な消失、この事実を前に自我は身震いする。生前と死後が未知である以上当然のことである。
無常観は現世における解毒法という魂の毒である。
宇宙の瞬きの生を耐えることが生であるなら我々はあらゆる妖怪をも生み出す。
我々は毒を愛する。
我々は感情を麻痺せしめる為に無益な狼狽を好む。
生は滑稽極まりないと仙人は自己を無化、忘我を楽しむ。
胡蝶の夢を夢見る。意識の深い眠りという毒。
猛毒中猛毒即神という概念も、死の願望も又・・・・・。
二〇〇〇年一月九日
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