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はまゆう丸

「あじさい丸」 「さくら丸」と続いた東海汽船の戦後近代化船の第3船が「はまゆう丸」である。1967(昭42)年に日立造船傘下、田熊造船(現在の内海造船)で竣工した純客船。 
総トン数 1,234t  全長 69.9m

東海汽船絵葉書「楽しい船旅」より

「さくら丸」を気持ち大きくしたようなスタイル、航海速力約16ノットで熱海~伊豆大島間を約100分で結ぶ快速船という触れ込みでデビューし、熱海~大島、稲取~大島航路へ主に投入、夏の繁忙期は新島や三宅島へも行っていたようだ。

三宅島 観光絵葉書より
錆ヶ浜(阿古)での撮影のようだ
竣工パンフレットより
(表紙、裏表紙)
竣工パンフレットより
(見開き)

船室はさくら丸と同じく特等、一等座席、二等和室の3クラスでBデッキ後部に設けられた眺望の良い食堂が特徴。  遊歩甲板もさくら丸に続きブリッジ下を取り巻く前面展望となっていた。

サイズ、外観が「さくら丸」と似ている為、遠目で見ると間違えると聞く機会が多かったので下に画像で主な外見上の相違点を記しておく。

さくら丸(上)とはまゆう丸(下)との主な相違点
遊歩甲板上ライフラフトの設置場所、Bデッキの窓割りと後部ノスタンションの角度、Cデッキ外舷通路の位置など

就航以来約17年間伊豆諸島海域で活躍し、1984年に中国大連へ売却された。
彼の地での船名は「遼民1(Liao Min Yi Hao)」

唯一残っていた自身撮影のはまゆう丸
最晩年の熱海港にて撮影したが酷いピンボケである…

最後に面白いエピソードを見つけたのでひとつ…

竣工、引渡し後間もない1967年5月初旬に大阪港弁天埠頭で就航記念の合同結婚式を開催。
船長と船長夫人の媒酌人を務め13組の若い夫婦が誕生したそうだ。


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