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レンタルフレンドエッセイ キリスト教の牧師

「僕は彼をゆるすと決断した。それから10年後、その出来事がどれだけ僕の人生に悪影響を与えたか、本人と話すことができた。彼の幸福を心から望む気持ちでね。」

女性が自らの言葉を通訳している最中も、彼は僕の目を優しく見て微笑んでいる。

レンタルスペースのリビングで、キリスト教の牧師の話を聞く会に参加する依頼である。海外から来た牧師の男性、通訳の女性、主催者の男性、参加者は10名ほどの空間。

少年の牧師の心に一生の傷を残しかねない、凄絶な出来事を話す間も、彼の身体はリラックスしていた。

「『ゆるす』のは決断です。もちろん簡単ではありません。ただその決断をした時から、神はゆるす力を与えてくれる。」

彼のトーンが上がる。座り直し、少し前傾して話を続ける。
彼にとって大切な部分はここだと感じた。キリスト教が何かをゆるす後押しになった。呪いを解く、宗教の強さを見た気がした。

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