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ハンブレッダーズ 「ギター」


こんにちは。
ハンブレッダーズ、デビュー後二枚目のアルバム、『ギター』が本当に良かったのでこれを開いたあなたはこんな文章読む時間があるならCD買え!と言いたいくらいです。(サブスク解禁されました。絶対聞いてください。)まぁ、聞いた人は読んでってください。ディスクレビューというほど大したものではないですが。




1.再生

イントロのギター!口で、てれてれ〜と口ずさみやすいメロディー!この曲(というか冒頭三曲)は、ハンブレの今のスタンスや、何を歌いたいかをとても分かりやすく伝えてくれていて、とっても親切。
Bメロのハモリの高音コーラスが結構珍しくて好き。そしてサビのコーラスが、音源とは思えないほど大きくて合唱スタイルなのも最高。『ギター』というアルバムなだけあって、ギターソロがえぐいのだけど、サビのドラム連打も楽しすぎる。

というか、「僕の感動とお前の『エモい』を同じにすんな」にぶち抜かれない人いないだろ…
そして最後の「理不尽や絶望じゃ 止められやしないんだ 僕達の再生を」は昨今の情勢を踏まえると結構な意思表示となっていて良い。



2. ギター

アルバムのタイトルにはなったがリード曲にはなれなかった歌。これのイントロギターもいいね。歌詞が、思想全詰め込みみたいな濃厚こってり系なのに、途中で「イェイイェイイェイイェーー」とかメロディー関係なしに叫ぶ箇所とかがあって結構バランスが取れてる。すごい。あとすごくキャッチーに聞ける。すごい。
Aメロ、Bメロ、サビ、とかを壊してるのもハンブレとしては珍しい。曲自体も3分無いし。

「政治家 教師 地球外生命体や イルミナティですら」の部分が個人的に好き。その四つ並列させるのが、政治家教師に対しての皮肉に感じれるから。かなり悪い解釈ではあるけど。

「アイドンワナダイ」と「愛とはなんだい」があまりに無理矢理で笑ってしまった。
でも、サビの末尾が「見た」「来た」「ギター」のiaで揃えられていてにっこり。

「正しいことは楽しくないし 楽しいことは正しくないし 
考えすぎておかしくなりそう 考えすぎておかしくなりそう」
あとビックリマークが20個くらいつきそうな歌い方で、思想と実感が死ぬほど詰まってる。

そして、錆びついたギターでぶっ壊したらちゃんと微かな光が見えたって歌っていて、希望を感じさせる終わり方で好き。どこにも心が救われる場所も、探してる答えもないけど、ちゃんと光があってよかったよ。



3. BGMになるなよ

曲名と評判で勝手に、自分らの曲をBGMにして作業なんかさせねぇよ!!って歌かと思っていたので、色々びっくりした。
「愛と平和を歌っても相変わらずな世界で 変わらず愛と平和を歌うのが僕の戦いさ」から始まって、サンボマスター??ってなったの私だけですかね。(浅い知識)「ギター」の時に見た微かな光を元に自分なりの戦い方をこの曲で歌っているように聞けるここの2曲の繋がりが好き。前の曲であんな感じだったのに、「君の孤独の為だけに僕の孤独を歌うから」ってどんだけ優しいんだ。こっちのことも気にしてくれるのかよ。

「言い訳探し」と「種明かし」、「雨上がり」と「待ってたり」でちょっとした言葉遊びを入れてきて、ハズしてきてんな〜と思った。スーツにスニーカー合わせましたみたいな。
結局、タイトルは、胸の高鳴りをこの世界のBGMにするなよってことだったことが最後にやっと分かるという。最初にちらっと書いたけど、ここまでの三曲を消費してまで今のハンブレの伝えたいことを紆余曲折しながら歌ってきたな〜。って感じ。こっから、アルバムとして面白く展開していく。

(あと、2Aの”俺はしがないリアリスト 趣味は夢を見ることさ”ってめっちゃ可愛い歌詞じゃない?)





4. ガチャガチャ

イントロのギターの歪み具合がこれまでの三曲と違って、雰囲気がガラッと変わる。歌い方もずっとシリアスになっていて”?”と聞いてる人が思っていたところに、「GACHA GACHA」だの「GET YOU GET YOU」だの叫び出すから余計わかんなくなる。(歌詞カードに記載あり)
なのに楽器類が(特に所々で存在を示してくるベース)めちゃめちゃかっこよくて、実は考察しがいのある歌詞なのでは?と思うが、ふざけているのでその時間は無駄です。



5. スローモーション

サビ前のギターの音がどんどん大きくなって、サビで大きく広がるイメージがめちゃくちゃにハンブレのミドルテンポの曲だ〜!!と思った。安定感。




6. STILL DREAMING

イントロのギターが両耳から別々のフレーズが聞こえてきて結構楽しい。「惑星」を”ほし”と読むの少年漫画みたい。
「間違いないと」と「アスファルト」で韻踏んでるのすごく歌いたくなるしメロディーと一緒に頭に残る。
「歳を取った今しか見えない 初期衝動の形があるさ」ってこのアルバムにすごくあっている歌詞じゃない?このアルバム自体がすごく初期衝動を感じさせるものだし。




7. COLORS

1stシングルとして発売されていた既出曲。聴きすぎて今更新鮮な感想が出てこなかったので…飛ばします。いい曲。







8.名前

アルペジオ大好き人間なのでイントロからぶち上がってしまった。あと歌い方が圧倒的に優しい。歌詞は結構ダイの大冒険に寄せてる感じ。(未視聴なので適当)
「ハッピーエンドで僕ら待ち合わせよう」とか「愛してる」ってはっきりいうところとか泣ける。
あと、「永遠」と”とこしえ”と読むところもほんと好き。大サビでまた大合唱するのライブで聞いたら絶対泣く。
この曲のギターソロがアルバム内のギターソロで一番好き。ギターソロだけで泣けるのほんとすごい。





9. 天国

「君と天国に行きたい」これ以上でもこれ以下でもない歌。これまでの自分の過ちをパートナーと過ごすことでもっと後悔してる感じがすごくいい。優しい人、大切な人に出会った時に、これまでの自分がしてきたことを後悔したことみんなある。
「僕らは恋をして」と「気まぐれな行為をした」で”恋”と”行為”で踏んでるの流石にニヤついた。

「僕の人生のエンドロールで 一番最後に流れるのは君の名前がいい」
ここまではっきり言ってもらったら誰でも嬉しい。自分が誰かにとっての1番や特別になるのって本当に嬉しい。

古いロックで踊ること、雑な映画で笑うこと、手探りで灯りを消すこと、これらを幸せの形として歌ってるところが結局一番よかったりする。





10. プロポーズ

「天国」→「プロポーズ」で続いてるの結構ストーリー性を考えられていいね。
私の希望的観測は、「天国」は「プロポーズ」のちょい前の時の男の子の気持ちって感じがした。「天国」で気持ち固まったから「プロポーズ」にいった感じ。これはそれぞれで色々考えたら面白いと思います。

この曲は最初に聴いたのがライブだったから、「ラジオからQUEENのタイトルがわからない曲」っていうフレーズだけ記憶に残った。これに限らず、ファミレスとかミックスグリルとか想像のしやすくなる固有名詞多くて好き。作品に固有名詞が多いと人はすごく入り込みやすくなるので。(私調べ)

サビとか最後のラララ〜のとことかそれこそ海辺ドライブしながら合唱したい!!






11. ワールドイズマイン

2ndシングル。ダンスナンバーって言われてもピンとこないと思うけど、そういう人は是非ライブで聞いてください。踊れます。
2Aと2番サビ前のベースとド派手なギターソロが聴きどころ。






12. アイソレーション

ベース始まりがとりあえずめちゃくちゃにかっこいい。ほんとにかっこいい。

この曲は歌詞が本当にいい。去年4月くらいから、このご時世になってから特に、”みんなで”という枕詞が使われることが増えたと(私は)思っている。某ウイルスに負けるなみたいな言葉もよく飛び交ったし、SNSを使って繋がって”みんなで”盛り上げようみたいな。そんなのにうんざりした人間なら絶対好きな曲。

そういう人間と関わる時に何かを諦めること、そんな経験。お前のことなんて興味ない。人はひとりで生きてるんだ。繋がったって結局はひとり。そんなことを歌ってくれていて、人によってはこの世界にとても絶望しているように聞こえるかもしれないが私はとても希望を感じられる歌で嬉しかった。このことを思っていたのは私だけじゃなかったんだと。ずっとひとりだって歌に共感しているくせに、同じことを考えてる人を見つけると嬉しくなる。とんでもない皮肉。

でも一人称は「僕ら」なのだ。
「僕らはいつだってひとりだ」と歌ってくれている。そういうところも本当に優しくて泣いちゃう。





13. 君は絶対

この曲は絶対「アイソレーション」の後に聞いてほしい。ここの繋ぎが本当に素晴らしいので。
前の曲であれだけひとりであること、繋がりたがりはウンザリとまで吐き捨てておいて、「君は絶対 ひとりになれない」から始まるのだ。(しかも歌始まり)
他人に何をしても君は絶対ひとりになれないと断言される。こんなのずるい。前の曲ですっぱり諦めたのに。ここで救ってくれる。

「地下鉄の待合室 立ち上がれないベンチで」
「目まぐるしい速さのタイムラインで」
「コンビニのおにぎりを 流し込む仕事場で」
「二度と会えぬ誰かを 想う真夜中で」
ここは、ひとりであることを感じる瞬間を切り取ったのだと思うけど、最後の一つ以外、割と繋がりを感じる場所でもある。待合室だって仕事場だって人間はいるし、タイムラインなんて繋がりを感じる場所そのものだ。だけど、ひとりであることを感じたこともある。みんなが繋がっているのを遠巻きに見ている瞬間にすごくひとりを感じるのは誰でも経験がある。そういう表裏一体なところを見つけるのも本当にすごい。

あれだけひとりを歌った「アイソレーション」では”僕ら”と歌っていたのに、「君は絶対」では終始”君”で複数と単数になっているのもいい。自分のことだけを歌っているんだと感じさせるのが本当に上手。突き放された後にこんな優しくされてるとみんな好きになるよ。







14. ライブハウスで会おうぜ

この曲はアルバムに入らないものだと思っていた。あまりにメッセージ性が強いから浮いちゃうし。でもこの前の2曲の後のラストにおくと、ボーナストラックとかアンコール的な意味合いが強くなっていてこれはこれでいい。この曲も「ひとりぼっちの帰り道」とか言ってるけど、”ベイビーズ”と複数形だったり手を繋いだりする。ライブハウスはそういう場所。正しくないし音がデカすぎるしみんな孤独だけど、誰かの居場所で愛と平和もあって宇宙。









最後に

ここまで読んでくださってありがとうございました。思ってたよりかなり長くなってしまった。何となく読んだ人は分かると思うのだけど、冒頭三曲と12→13の繋ぎを書きたかったんです…なので途中スカスカです。
本当にこのアルバムは名盤として今後ハンブレが売れた際に語り継いで行かなければならないです。なので絶対聞いてない人は聞いてください。
こんなアルバムを世に送り出してくれたハンブレッダーズチームには何かいいことが起こりますように。
ではまた。