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【ワーママ転職活動記⑤】転職先、天職かもしれない

 転職して1ヶ月弱。こんなに早く決めつけてしまうと後から後悔するかもしれないけど、

天職に巡り合えた!!! 

 と思っている。ここ1ヶ月、毎日思っている。本当に転職してよかった。転職で天職。最高やん。

 天職天職と書いてしまったけど、そもそも天職とは何なのか。

デジタル大辞泉、コトバンクより


 天職というのは「自分が仕事を通じて何をするか」という部分。会社という組織や場所は関係なく、自分が仕事人として何をするか。
 今の会社に身を捧げるつもりはさらさらない。しかし自分が仕事を通じて何を実現したいかは、今の会社に来て1ヶ月でかなりクリアになった感じがする。


 今どんな仕事をしているかというと、大学の研究成果を社会実装するお手伝いをしている(ぼやかしてます)。多くの人にとってはなんじゃそりゃ、という感じだと思う。が、私はずっと大学の研究成果を社会実装するお手伝いがしたかった。
 思いだけはあったものの、新卒時は自分のやりたい仕事がどこでできるのかわからなかった。後から分かったことだが、この仕事は新卒ではできない。この業界は中途の人しかいない、31歳で最若手。今、出会うべくして出会った職のような気がしている。

 では、なぜ私は天職に巡り合えたのか。他の人にとっても再現性があるポイントがあるか、少し考えてみた。

① 根源的な”働く動機”があるか
② WillとCanが一致するか
③ いろんな仕事に触れてみたか

 ひとつずつ解説してみる。

① 根源的な”働く動機”があるか

 天職に就く前提として、働くことが好きでないと話が始まらない。そして「働くのが好き」の奥に「働く動機」があると強い。

 私の場合は「税金で育ててもらった分、社会に恩返しがしたい」という動機がある。

 私は小中高大院とずっと公立で育っている。高校の途中から授業料無償化の世代。大学は理系なので、座学に加え生化学実験、細胞培養、動物実験、さらに人体解剖実習までさせてもらった。その過程でものすごーーーく税金を使っている自覚があった。高い試薬だと5μg(μはmの1,000分の1。つまり5μgは200分の1mg)で5万円。マウスは1匹2千円くらい。遺伝子改変の入ったマウスだともっと高い。実験で何十匹何百匹と使う。細胞を保管しておくディープフリーザー、液体窒素、培養するときのインキュベーター、クリーンベンチ、動物実験施設の人件費、維持費etc、めちゃくちゃお金かかってる実感があった。さらに私は実験が下手だった。何度も実験に失敗し、試薬や細胞やマウスを犠牲にしてきた。
 なのに、授業料は学部も院も年間50万円しか払っていない。素晴らしい教授陣の授業を受けられて大学の図書館や様々な設備を使えるだけで十分50万円の価値はあると思うが、加えて実験の分を考えると、どう考えても50万円ではペイせず、大量の税金を使わせてもらっている自覚があった。

 あまりに実験が下手で、頭も悪くて、アカデミアでは生きていけない、と思い就職を志した。
せめて「税金で育ててもらった分、社会に恩返しがしたい」、
そして「税金をかけて研究された成果を社会に還元したい」、
だから「大学の研究成果を社会実装するお手伝いがしたい」と思っていた。

 私の場合は大学時代の経験だったが、別に何でもいい。私の友人だと以下のようなケースがある。
・親が開業医で地域の健康を支えているのを身近に見て、医師になった
・人生の節目にいつもミュージカルがあり、プロデューサーになった
・困難にぶつかったとき文章に助けられたから、編集者になった

 自分のライフストーリーを振り返って、働く理由を見つけられたら、それは絶対ゆるがない。そして働く理由と自分の仕事が一本の線でつながったとき、その仕事が天職になるのではと思った。

② WillとCanが一致するか

 Willは自分のやりたいこと、
 Canは自分のできること。
 WillとCanを考えるにあたっては、ライフストーリーとか関係なく、今の仕事の範囲で考えられる内容でいい。

 私の場合、前職では
Will: 大学の研究成果の社会実装
Can: 民間企業相手のコンサルティング
 という感じだった。転職して、ここはWillが実現できる職場だと分かった。Canは、今のスキルでは全然追いついていない。でもここで経験を積むとできることが増えていくとわかる。WillとCanの方向性が一致した。

 WillとCanの方向性が一致しないと、いつまでも自己実現できないことになる。天職であるためには、WillとCanの一致はマストだと思う。

③ いろんな仕事に触れてみたか

 前職はコンサルという職業柄、いろんな業種、いろんな職種の方に触れる機会があった。他の仕事をしていたら難しいと思うが、もし天職というような仕事に出会いたいなら、できるだけいろんな仕事に触れてみた方がいいと思う。
 ただ、仮説なくあちこち当たっても無駄骨になるので、ある程度当たりはつけて(willとcanを明確にして)人に聞いたり、本を読んだりしてみてはどうかなと思う。


 ……と、ここまで私が天職に巡り会えた理由について、他の人にも再現性があるかもしれないポイントを書いてきた。

① 根源的な”働く動機”があるか
② WillとCanが一致するか
③ いろんな仕事に触れてみたか

 でも結局のところ、自分が天職にするかどうか、だよなと思う。そして「これが天職だ!」と見定めても、経験を積んで移り変わるかもしれないし、それはそれでいいことだと思う。

 働くって、誰かのために動いて価値を生むこと。自分の天性に合った仕事ができたら、さらに大きな価値を生めるような気がする。


 ということで転職ワーママ、来月も頑張ります。

≪終わり≫

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