スミのすみずみ日記

この世界で見るもの聞くもの出会うものについて綴ります。 夢は「コーヒーとやきいも」の小…

スミのすみずみ日記

この世界で見るもの聞くもの出会うものについて綴ります。 夢は「コーヒーとやきいも」の小さなお店を作って、 そこで人の話を聞いたり、文章を書いたりしてなりわいを立てること。 世界中をすみずみまで旅すること。 のさりスト、じべたニスト、社会見学家

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44歳、ひとりになってトコトコ歩み出す

46歳独身ひとり暮らしそして無職。 書きながら、自分で自分に、そうなんだ!びっくりだね!と話しかけたくなってしまう。 ずっと家族と暮らしてきた私がひとり暮らしをはじめたのは44歳の時で、もうしっかり大人になった年齢だった。 実家に住む大学生だった私は、20歳の時に妊娠して結婚して子どもを生んでお母さんになった。その時も、びっくりしたものだった。 結婚も、出産も、子育ても、まだいつか自分がすることになるなんて考えたことも想像したこともない子どものまま親になって、大人の世界に飛

    • ロスジェネはゆく

      「就職氷河期世代」の就労や社会参加の支援に17億円の予算がついたらしい。 オリンピックの招致時の開催予算の見積りが7340億円で、最終的な開催経費が1兆4530億円。 なんだか悲しくなってしまう。 就職氷河期世代=ロストジェネレーションと呼ばれた私たちの世代は、バブルの恩恵を受けず、だけどバブルを知っている世代やもっと上の世代からは同じ価値観を求められた世代だ。 下の世代からは、「こんな社会を作ってきた上の世代」として見られている世代でもあると思う。 私はいわゆる「王道」

      • 今日という平和な時間を

        私が通っていた小学校には図書室が二つあった。 一つは家庭科室などの特別教室や高学年の教室がある棟にあった、机や椅子が並んで本棚がたくさんそびえ立つ図書室。 もう一つは低学年から中学年の教室が入った棟にあった絨毯が敷いてある図書室で、なぜか恐竜の大きな絵が壁画のように貼ってあって、低学年でも全部見られるほどの低い本棚が入り口から窓に向かって一列。そこで私は、寝転がってたくさんの本を読んだ気がするが、何を読んだかはほとんど覚えていない。 けれど唯一、例外的にはっきり覚えている本が

        • スイートポテトの作り方(おいも日記)

          さつまいも、というのはいい食べ物だなと思ったのは、息子が赤ちゃんの時かもしれない。 いろいろなアレルギーがあった息子は、離乳食が始まっても安心して食べられるものが少なかった。 卵乳製品大豆製品以外でも、野菜や果物もアクが強いものはアレルギーが出やすくて、一体どうしたらいいのか途方に暮れることも多かった。 そんな中、さつまいもは安心していい食材のひとつで、甘みがあるから喜んで食べてくれるし、おなかもふくれるし、さつまいもとりんごの煮物とか、ごはんにもおやつにもなって私も一緒にモ

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          パスポート更新。10年の月日に想いを馳せる(日々のトコトコ日記)

          中学生か高校生くらいの頃に、「十年愛」といドラマを見ていた。 ダウンタウンの浜ちゃんと田中美佐子と大江千里が出ていて、はっきりと内容は覚えてないけど、1話1年で10年間を描いたドラマだったと思う。 そのときは、10年なんてそんなに長い時間を想像できなかった。 人生の半分よりも長い時間。 10代の自分にとっての10年は、あまりにも長かった。 初めてパスポートを取ったのは大学生の時だった。 5年パスポートだったと思う。 それから、尾道に住んでいたときに一回、東京で一回、岡山で更

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          偶然の再会(日々のトコトコ日記)

          絵なんてよくわからなかった。 わからなかったけど、中学校の美術の先生が、実物は教科書とはぜんぜんちがう、みんなにいつか実物を見てほしいと、熱心に話していたことは心に残っていた。 大学2年生の夏休みに、バイト代と子どものころから貯めていたお年玉を使ってボストンに語学研修に行った。 ボストンにはボストン美術館があって、入場料がフリーの日があった。 フリーの日の美術館の顔ぶれが私は好きだった。 絵画の前に座り込んで絵画とはぜんぜん別の絵を描いている美大生風の女の子がいた。 何人も

          偶然の再会(日々のトコトコ日記)

          早朝の電話(日々のトコトコ日記)

          早朝にぱちっと目が覚めた。 前の日に早く寝てしまったのと、暗い気持ちになる息が詰まるような夢を見て一度目が覚めたら寝れなくなってしまって、スマホを持ってロフトをおり、こたつに潜ってぼや〜としていたら、電話がかかってきた。姉から。まだ5時台。 こんな時間の電話なんてと胸がざわざわして、バクバクしながら電話に出ると、不安そうな姉の声がした。 「どうした?」 と姉が言ったので、「え?」と驚いた声が出てしまった。 「え?」と姉も驚いた声を出した。 どうやら私がスマホを持った時にどんな

          早朝の電話(日々のトコトコ日記)

          松ぼっくりを食べた(日々のトコトコ日記)

          生まれて初めて松ぼっくりをたべた。 通学路やよく遊ぶ山に生えている、なんとなく食べれそうな感じのする植物や花を食べてみるような子どもだったけど、松ぼっくりを食べてみようと思ったことはなかった。 食べたのは、ロシアの松ぼっくりの蜂蜜漬けだった。 小指の爪くらいの大きさの小さな小さな松ぼっくりだった。新芽みたいなものなのかもしれない。 くれた人に、どんな味がするんですか?と尋ねると、ベリーっぽい味、そのあとヤニヤニするよ。と言われた。 ぱくっと食べてみると、確かにラズベリーのよ

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          名付けようのない踊り(日々のトコトコ日記)

          近所の商店街を歩いていたら、大きなトラックが止まっていて、反対側から乗用車がすれ違おうとして四苦八苦しているところだった。 運転手の心もちを思うとハラハラして、トラックの後ろに立ち止まって無事すれ違いが終わるのを待った。 ゆっくりゆっくり乗用車は進んで、ついに無事にすれ違い、やれやれ〜というきもちで乗用車の来た方に目をやった。 するとそこには、おまつりの御神輿や山車の後ろみたいに、ぞろぞろと人がくっついてきていた。 結構長い時間人の通りを止めてしまってたんだろうな。 そのぞろ

          名付けようのない踊り(日々のトコトコ日記)

          こいぬよ(日々のトコトコ日記)

          最近「子犬のこいぬ」という漫画が胸にささって好きすぎて苦しい。 大人なのか子どもなのか分からない子犬が(いや、「子」犬だから子どもなのか)失敗したりはしゃいだり悲しんだりよろこんだりする、かわいくてかわいそうで愛おしい漫画なのだけど、私はあまりの愛おしさとかわいそうさで胸が苦しくなって落ち着かなくなってしまう。 なぜあんなにもシンプルな犬の顔が、喜びや悲しみをピュアに映し出して心の中のやわらかな部分をわしづかむのだろうか。 1巻の「ぞう」や「先輩と後輩」なんて、胸がいっぱいで

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          沙弥郎さんを知ってしまった(日々のトコトコ日記)

          立川のplay!museumの『柚木沙弥郎life・LIFE展』に行った。 友だちが誘ってくれて、沙弥郎さんのことをほとんど知らずに行った。 沙弥郎さんは99歳の染色家で、いったいどんな作品を作る方なのだろうと大御所の作品を見に行くきもちで出かけていったら、展示のしょっぱなで裏切られた。 72歳の時に初めて絵本を出したのだという。 72歳で巡ってきた機会に「よしきた、ついにきた!」と心をはずませたのだという。 私はその無邪気な青臭さにポカンとして、うれしくなって笑った。隣で友

          沙弥郎さんを知ってしまった(日々のトコトコ日記)