2016年09月05日 小坂忠さん 50th Anniversaryライブ セットリスト

暫くの間、他所にあげていたセットリストの掘り起こしを続けます。感想は当時のものですが、ここでは極力その時の文章のままで。

これは2016年9月に開催された小坂忠さんのデビュー50周年記念ライブの時のメモ… この日は本当に豪華なライブでしたね。メモも長い! この2年後には「HORO」をフィーチャーした「Songs & Friends」という豪華な企画ライブもありましたが、この50周年の方がよりホーム感が強かったかな。どちらも素晴らしいライブでしたが。忠さんはその後大病をされ、復活されたもののまた体調を崩され、現在も闘病を続けながらステージに立っておられます。ご快癒をお祈り申し上げます。

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2016-9-5

小坂忠さん50周年ライブ。70年代のオリジナル作品で固めた第1部は最初の1時間だけで出演されたゲストが鈴木茂さん、吉田美奈子さん、矢野顕子さん、そして細野晴臣さん。なんかもうあたたかくて心地よくて。

休憩を挟み、ビッグバンド風アレンジでスタンダードやR&Bのカバーなどを聴かせる第2部。これがまた良くて。ゲストは中納良恵さん、金子マリさん、曽我部恵一さん、尾崎亜美さん、Asiahさん、松たか子さん、佐野元春さん…最高。

アンコールは忠さんと今回の音楽監督でハウスバンドでもフル回転だったダージリン(Dr.kyOnさん+佐橋佳幸さん)による「You are so beautiful」。最後にバンドメンバーとゲスト(矢野さんと細野さん以外の)全員が参加して「ゆうがたラブ」。

忠さんのボーカルは勿論、いつもバンドメンバーがレジェンドだらけの忠さんライブは今回も凄かった。林立夫さん、小原礼さん、佐橋佳幸さん、Dr.kyOnさん、駒澤裕城さん、真城めぐみさん、西海孝さん、山本拓夫さん、西村浩二さん、BBBBのヤッシーとモンキー。

忠さんとこれだけのメンバーとゲストが奇跡的に空いていて、700人あまりの音の良いホールで、プロの技を堪能した3時間強。ほんと口から出る言葉はありがとうだけ、ですね。

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以下余談。シークレットゲストの細野晴臣さんと忠さんによる「ありがとう」と2人の和んだトークがとても良かった。はっぴいえんど前にエイプリルフールをやっていた2人、忠さんがミュージカル「ヘアー」に合格しなければはっぴいも忠さんがボーカルだったかも…と言う話は有名ですが。

その「ヘアー」のオーディションの時忠さんのバックでギターを弾いたのは当の細野さんで、バンドメンバーに怒られた話とか。あと忠さんの名盤「HORO」で、細野さんがはっぴいえんど用に作っていた曲を忠さんに提供してやはりバンドメンバーに怒られた話とか。

佐野元春さんが40年ほど前、まだデビューする前に佐藤奈々子さんに関わっていた頃、同じマネジメント事務所の忠さんの家に奈々子さんと遊びに行き、初めてラザニアをご馳走になった話も面白い。佐野さん「一宿一飯の恩義をやっと返せる」…最高のエピソード。

佐野元春さんは忠さんのアルバム「コネクテッド」(佐橋佳幸さんプロデュース)に提供した「ふたりの理由、その後」を忠さんと2人で。この曲、佐野さんの「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」収録の「ふたりの理由」の改作ですが、佐野さんが歌うのを聴くのは初めてだったかも。

忠さん「聞きたかったんだけど『ふたりの理由』は『ふたりのりゆう』と『ふたりのわけ』とどっち?」
元春「りゆうです」
忠さん「『ふたりの理由、その後』『続・ふたりの理由』と時々変わるのはどっちが正しいの?」
元春「あのー…どっちでもいいです」
観客大爆笑。

もう今日の話はキリがないのですが。松たか子さんと忠さんが歌った「私の青空」には実は色々な想いがごちゃ混ぜになって涙腺決壊しそうになっていました。これ、1920年代のジャズの大ヒットナンバーで、昭和初期に日本でも二村定一さんやエノケンさんの大ヒットカバーがありますが。この曲、高田渡さんのカバーも有名で、高田漣さんも時々取り上げている楽曲。更に大瀧詠一さんが「私の天竺」としてカバーしているバージョンが最近音源化されたのは記憶に新しいところ。そして、松さんの6年前のツアー(ギター佐橋さん)を福生で観た時、自分の目の前に大瀧さんが座られたこととか。個人的な想いでしかないのですが、色々な想いが走馬灯のように脳内を駆け巡って、こんな明るい曲なのにグッと来てしまい何かもう…という感じでした。Let It Go が凄いことになってしまったけれど、松さんにはまたシンガーとしてもライブをやって欲しいなあ...待ってます。

ライブ終わってから、ニューアルバムを購入した特典で忠さんと少しお話で来ました。今日はエポックなことだらけだったけれど「What a wonderful world」を聴けたのは涙が出るくらい嬉しかった、あの曲は忠さんの歌が一番好きですというお話、やっとできました。5年前、震災から2カ月弱。世間の自粛ムードの中、六本木ヒルズアリーナで開かれた高橋幸宏さんキュレーターのフリーライブ。トリは忠さんで、あの時最後に聴いた「What a wonderful world」にどれだけ力を貰ったことか。

小坂忠さん、50周年おめでとうございます。

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小坂忠 50th Anniversary Live
(5 Sep 2016 / 大和田さくらホール渋谷)

1st Set
01. はずかしそうに
02. ボンボヤージ波止場
03. 氷雨月のスケッチ (with 鈴木茂)
04. 機関車 (with 吉田美奈子&鈴木茂)
05. ほうろう (with 吉田美奈子&鈴木茂)
06. しらけちまうぜ (with 吉田美奈子&鈴木茂)
07. つるべ糸 (with 矢野顕子)
08. ありがとう (with 細野晴臣)

2nd Set
09. Let The Good Times Roll
10. Bring On Home To Me (with 中納良恵)
11. A Change Is Gonna Come (with 金子マリ)
12. Forever Young (with 曽我部恵一)
13. What A Wonderful World (with 尾崎亜美)
14. L.O.V.E. (with Asiah)
15. Unforgettable(with Asiah)
16. 私の青空(with 松たか子)
17. ふたりの理由、その後(with 佐野元春)
18. 夢を聞かせて

encore
19. You Are So Beautiful
20. ゆうがたラブ (with 鈴木茂、吉田美奈子、中納良恵、金子マリ、曽我部恵一、尾崎亜美、Asiah、松たか子、佐野元春)

小坂忠: Vocal, Guitars
林立夫: Drums
小原礼: Bass
佐橋佳幸: Guitars
西海孝: Guitars
Dr.kyOn: Keyboards, Piano
駒澤裕城: Pedal Steel
真城めぐみ: Chorus
西村浩二: Trumpet
山本拓夫: Sax
家永慎也: Sax
大嶋康司: Trombone

Guests: 鈴木茂、吉田美奈子、矢野顕子、細野晴臣、中納良恵、金子マリ、曽我部恵一、尾崎亜美、Asiah、松たか子、佐野元春

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