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温かい記憶



先週からお盆休みに入った。早起きせず、録画した番組を見て、ちょっと贅沢な休暇を送っている。一般企業に勤めている方は、私と同じく長期休暇を過ごしているのだろう。

その一方で、お盆に関係なく働いている人も多い。特にB to Cがメインとなる接客業は繁忙期と呼ばれているかもしれない。「お も て な し」をベースに考えられている接客は、質の高いサービスを求められる。

質の高い、というと堅苦しいけれど、おそらく「思いやりのあるサービス」を指すのだろう。ベースとなるマニュアルはあったほうが良いけれど、臨機応変な対応ができなくて、辛い思いをする人が生まれてしまうのは本末転倒だ。お客様の前に働いている人自身ももてなせたらいいのに。


4年前、私は研修としてオーストラリアに行った。研修先は、ブリスベンやゴールドコーストがあるクイーンズランド州だ。

日本のほか中国、マレーシアといったアジアの国から来る留学生も多いオーストラリアは、ワーキングホリデーの行先としても人気がある。ブリスベンの街中に立ち並ぶお店の店員さんは、アジア系の人が多かった。

学校の近くにあった「Garden City」というショッピングモールによく行っていた。日本でいうイオンモールのようなところだ。お気に入りの雑貨屋さんがあったのだが、商品はもちろんお店の雰囲気が好きだった。

レジのあたりで2人の店員さんがお喋りしていて、お客さんに一度挨拶するとまた話を始める。「質の良い接客」を何とするかは人それぞれだけど、私はすごく好きだった。商品について尋ねると気さくに説明してくれたし、レジの対応はちょっとめんどくさそうで、楽しそうだった。

ただし、このショッピングモールは営業終了時間がとにかく早い。平日は18時、祝日は21時になるとお店が閉まる。日本のショッピングモールの感覚で利用していると痛い目に合う。

買い物ひとつとっても、自分の当たり前や偏った価値観に気づかせてくれる。海外に行くべき、とまでは言い切れないけれど、行って損はない。少し強引だけど視野を広くさせてくれると思う。

質の高いサービスを思いやりと考えていたけれど、どうやらそれだけじゃないらしい。そこで体感した温かい空間も、質の高いサービスと言えるのかもしれない。



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