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食べる、笑う、目の前のあなたとつながるツール。

二人暮らしなので

わたしの家は妻と二人暮らし。
ひとりムスコは独立して隣の県に住んでいます。
ですから、ケーキやチョコレートは時々買いますが、袋菓子の類は昔ほど買わなくなりました。

ところが、出張のついでに食品スーパーに立ち寄った時に

「ぐわ!」

と、思わぬパッケージに目が釘付け、

「買っていいものか??」

一瞬、逡巡しましたが、
買って帰ったのが、これ。

サク山チョコ次郎(さくやま・ちょこじろー)

中身は何の変哲もないチョコビスケット。
中にミルククリームがはさんであり、普通においしい。
予想外な味でもなく、想像通りに、安心して食べられます。

この商品の特徴はキャラクターが前面に全面に描かれていること。
クマともサルともつかない、オバQのような口をもったのほほんとしたモンスター「サク山チョコ次郎」。
いくつかバージョン違いがありますが、どれも呑気そうにお菓子を食べているチョコ次郎が大描きされています。

お菓子のCMが減ってませんか?

昭和の時代は高級チョコレートから子供向けの駄菓子まで、あらゆる分野のお菓子がCMで紹介されていたように思います。
ムスコが巣立ったので、子供向け番組を全く観なくなり、それどころか、テレビさえ観る時間が減る中、あることに気づきます。

「お菓子のCMが減っている」

そうなのです、少子高齢化の影響もあって、日本の菓子市場は頭打ち状態。
菓子メーカーにとって、今や海外展開が生き残り戦略のひとつになっています。
コーン菓子やドロップなど、長い歴史を誇る商品でも、需要が減退し、採算が悪化すれば、容赦なく生産終了となる厳しい時代ですね。

どうやら、昔のようにCMをガンガン打って、拡販する時代ではないようです…

ただのお菓子ではありません

お菓子売り場を改めて見てみますと、商品オリジナルのキャラで売っているモノが減った気がします。あってもパッケージに添え描きしてある程度か、よそのアニメキャラを借りてきてるような状況。

陳列ひしめく中で、ひときわ映えるのが「サク山チョコ次郎」。
パッケージデザインは、いかに美味しいチョコビスケットであるかといった記述は必要最小限にとどめています。
むしろ、お菓子ひとつひとつに書かれたチョコ次郎のメッセージや絵柄について、ていねいに記載してあります。

「こんにチョは」
「いっチョにたべよ!」
「だいチョき!」

公式HPから

こんな感じでビスケットの裏面に何十種類も書かれているのです。
本当に他愛もないお菓子なんですが、誰かと食べると楽しいのですよ。

「こっチョリ、だって。なにこれ?おばかだよね~」

なんか、なごむ。
なんか、この瞬間が愛おしい。

バリューエンジニアリング的に考えれば、チョコ、クリーム、ビスケットをサンドさせ、透明なビニール袋にでも入れておけば、とりあえず商品として成立するのです。
でも、これはそうしなかった…

これはお菓子ですが、ただの駄菓子ではないことに気づきました。
「サク山チョコ次郎」は、オリジナルで企画されたパッケージ、お菓子自体への絵・文字をフル活用して、これを依り代に、あなたの目の前にいる誰かとコミュニケーションするためのツールなのですね。

過去、他社でも同じような製品はありましたが、ここまで徹底していなかったと思います。

WEBプロモーションもブレてない

今の時代、HPはもちろん、X、LINE、facebookでプロモーションを展開するのが当たり前です。
ここでも、商品パッケージのイメージ通りのコンテンツが展開されていて、本当に軸がブレてないです。

商品が誕生したハナシ、やさぐれていたチョコ次郎の過去など、バックストーリーがしっかり用意されていて、まぁ、たかがお菓子なんですが、この振り切ったプロモーションは見過ごせないですね。
だって、このカテゴリーにおいて、他社はここまでやってないですもん。
そう言えば、出版業界とのコラボでチョコ次郎グッズも展開していました。

3月26日はチョコ次郎の日

語呂合わせで、3月26日は当然この流れになります。
とってもベタな展開。

「しかたないよねぇ~」
「そうなっちゃうよねぇ~」

そして、笑っちゃう。
この日に合わせた販促プロモーションも抜かりなく展開されています。
チョコ次郎ぬいぐるみストラップが当たるって?
我が家はすでに2口エントリーした模様です。

どうです?
季節が進み過ぎて、暑くなってしまう前に、
この「この、たまらなく、のほほんとした世界」をつまんでみますか。
準チョコレート菓子ですから、溶けちゃう前にね。



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