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ドラマチックなイスタンブールからソフィアまで夜行列車の旅

最近欧州で人気が出てきているという夜行列車。高速鉄道が普及してからは廃線になった路線も多いですが、ここ数年で復活の兆しを見せています。

そしてトルコと言えば、かつてイスタンブールからパリまでオリエント・エクスプレスが運行されていて、イスタンブールの駅の鉄道博物館や駅併設のオリエントエクスプレス・レストランがありノスタルジックな気分にさせられます。

2017年にトルコのイスタンブールーブルガリアのソフィア間の夜行列車が開通したそうですが、コロナ禍で運休。2022年に運行が再開したそう。英ガーディアン紙の記事でその存在を知りました。

今回はこの夜行列車に乗ってイスタンブールからソフィアまで行くことにしました。



ハルカリ駅までの道のり

乗車券は数日前にイスタンブール旧市街のシルケジ駅の窓口で購入しました。真夏はかなり人気な路線だそうです。今まで乗った欧州の夜行列車は他人とシェアだったので今回も同様を想定していて、特に席の希望も聞かれずに発券。

夜行列車はハルカリ(Halkali)駅から出発で、シルケジ駅からハルカリ駅まで電車が出ているので特定の時間までにはシルケジ駅に来るようにとのことでした。

乗車当日、シルケジ駅の地下のホームから近郊電車でハルカリ駅まで向かいました。夜行列車の乗車券を提示すると改札に入れてくれます。

混み合う電車に乗って40分ほど、ハルカリ駅に到着しました。周りはびっくりするほど何もなく商店などもありませんでした。

夜行列車の改札が開くまで少し待たされましたが、待合室やベンチなどもなく、地面に座っている人も多数。乗客の殆どが北ヨーロッパや北米の人たちのよう。

改札が開き、ホームへ!

夜行電車に乗車!

今回乗車した列車はこちらのトルコ国鉄TCDDの車両。

ソフィアまでと書いてあります。

乗車してみると結構新しい車両です。

自分たちの座席番号を見つけたので扉を開けると二人部屋の個室(2人用スリーパー)でした!シェアだと思っていたので嬉しいサプライズ。

調べてみると6人部屋や4人部屋をシェアするクシェットもあるようですが、2人だと4人部屋を2人分予約するより2人用スリーパーの方がお得なだとのこと。そのため、2人だとスリーパー2人用にしてくれるようです。

座席の背もたれと上段の折りたたんであるベットを前に倒すとベッドになります。

荷物の棚や頑丈なフック、そしてテーブルも。

洗面所もあり電気のコンセントが1つ。

テーブルは引くと大きくなります。

テーブルの下の棚を開けるとなんと冷蔵庫!これは嬉しいです。きちんとスイッチも入っていました。

冷蔵庫を開けてまたびっくり、ジュースに水、スナックとチョコレートバーまで!

毛布は棚の上。シーツ、枕カバーも袋に入って置いてありました。

扉の上に電気のスイッチがあり、空調も調節できます。ハシゴも右側に。

トイレは車両の終わりにあり共同です。シャワールームもありましたが利用しませんでした。

期待以上のアメニティで満足!

いざソフィアに向け出発!

午後8時出発で、13時間以上かけてのブルガリアのソフィアまでの道のりです。

出発時刻の夜8時でもまだ外は大分明るいです。

個室の車窓から景色を眺めながらトルコワインを。旅行に必ず持っていくセリアのプラスチックのワイングラスは便利。

イスタンブール郊外の景色。

こんな高層ビル群も現れました。

夕日がキレイです。

日が沈むまで車窓からの景色を楽しみました。

トルコ側の国境に到着

トルコの国境到着時間は夜中の1時なので早々就寝しました。

午前1時半、30分遅れでトルコ側の国境のKapikule駅に到着。

到着すると、車掌が「パスポートコントロール!」と巡回。パスポートと貴重品だけ持って下車。ホームの階段を降り駅舎へ。

駅舎にあるパスポートコントロールへ向かいます。事前情報では1時間待つ人もいるとのことで慌てて行ったらまだ7-8人並んでいる程度でした。数分で終わり、駅舎の外に出ると、猫が2匹お見送り♪最後までフレンドリーな猫の国でした。

出発まではしばらくかかりそうだったので部屋で寝転んでいると、またも「パスポートコントロール!」とガラーっとドアを開けられました。「パスポートコントロール行きましたけど?」と思って困惑。どうやらパスポートのスタンプを確認したかっただけのようです。

午前2時50分、大分時間がかかりましたがまた出発です。

ブルガリア側の国境に到着

午前3時10分、ブルガリア側の国境のSvilengrad駅に到着。到着10分前にブルガリアの国境警備が「パスポートコントロール!」と大声でまた扉をガラー。彼らは寝ぼけまなこな人々を色々見てると思うのでなんとも思わないんでしょうが、いきなり来られると焦ります。

駅に到着して少ししてから係員が部屋まで来てパスポートを回収し去っていきました。入国審査に並ばなくていいのは良いですが、手元にパスポートがないと不安なのでずっと起きていました。

ようやく、パスポートを返しに係員が戻ってきて、午前4時過ぎ出発。

ずっと寝てられればいいですが、国境で2回起こされるとやはり眠れません。

びっくりアクシデント発生!

しばらくすると日の出がやってきて、ブルガリア第2の都市プロヴディフ(Providiv)もすぐ。

そして1時間半以上遅れてプロヴディフに到着した電車。一部の車両はルーマニアのブカレストに行くらしく、車両の切り離しを行うようでした。

パートナーがホームにいたエンジニアに聞いたところ30分ほど停車するとのこと。列車にはカフェテリアや車内販売がないので、「じゃ、ちょっとコーヒー買ってくる。」とパートナーが出かけた矢先、電車が急に動き始めました!

やらかした!

プロヴディブは以前行ったことがあり、メジャーな街なのは分かっていて、その日中にソフィアに着けることは想像できたので、こういうときすぐ考えることは、「ソフィアに着いたらパートナーの荷物どうやって運ぼう!」

すぐにパートナーにSMSを送ると、何分かして返事が来て、「ホームに戻ったら電車がなかった!」とパニック!

そのまま、5分くらいのろのろと進んでから、何もないところで5分くらい停車。「お願い戻って!」と祈っていると、電車が動き始め駅の方に戻っていきました。こういうときの10分は永遠に感じます。

駅に戻ると、なんとさっきとホームが違う!SMSでホームが違うことを知らせ待っていると、他の乗客と喋りながらパートナーが乗り込んできました。

何でも休憩で電車を降りた人は近くに5〜6人いたらしく、みんなでパニックになったそう。ホームの変更も何も知らせられず、10分以上も「どうしたら!」とウロウロ。しかも駅のカフェはキャッシュオンリーで、コーヒーも買えなかったとのこと。

心臓に悪い出来事でした。

ソフィアに到着

電車はかなりゆっくりと進み、2時間遅れてお昼前にソフィアに到着。

共産圏時代に建てられた大きな駅の割にはガラガラ。

ここから歩いて街の中心のホテルに向かい、この日は寝不足もあり休息日に。

びっくりもあり、2度も起こされ疲れましたが、やはり夜行列車はワクワク感があって楽しいです。個室だったのでアメニティも充実していて、比較的リラックスして過ごせたのも良かったです。

次回はソフィアをのんびりと歩きます。


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