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今度はピカソ美術館でもピカソとミロの交友を振り返る

前回はバルセロナのミロ美術館で開催されているピカソ没後50年記念のミロとピカソ展について。

このミロとピカソ展はミロ美術館とピカソ美術館の共同で開催されていて、ミロ美術館の展示が期待以上だったので、ピカソ美術館へも行ってみることにしました。こちらも無料開放の日を利用。

ミロ美術館に比べてこちらは観光客がほとんど。場所が観光スポットが集中する旧市街であることと、ピカソの方が知名度が高いためでしょう。特に春節の休暇中のためか中華系の観光客が多くいました。混雑していたので最初はあまり集中できませんでしたが、中盤からガラガラでゆっくり鑑賞できました。

背景やミロとピカソの出会いなどについては前回のブログでご紹介したのでこちらでは簡単に。


ミロの初期の作品

ミロの初期の作品。カタルーニャのミロの家族の農場のある町Mont-Roig。

一番最初にピカソだと思った絵は、キュービズム時代のミロの作品でした。

こちらがミロ美術館で展示されていたピカソが描いたキュービズム作品。似たような構図とオブジェです。

ワシントンDCのナショナルギャラリー所蔵の「La Masia」。Mont-Roigにあるミロの家族の農場を描いたもので、友人であった作家のアーネスト・ヘミングウェイが購入したそう。かなり綿密に描かれていてしばらく目が釘付けになりました。

Miro, La Masia, 1921

一度見てみたかった作品なのでバルセロナで見られたのはラッキーでした。

抽象的なシュールレアリズムの作品へ

1920年代に大きく飛躍するピカソとミロの作品。その変化を見るのは楽しいです。

Picasso, Artist and His Model, 1926
Miro, Painting, 1929. ポンピドゥーセンター
Picasso, Rideau Pour le Ballet Mercure, 1924. ポンピドゥーセンター 
Nude in Red Armchair, 1929. パリ・ピカソ美術館

ミロとピカソのセラミックへの情熱

ミロ美術館ではミロの詩への情熱の展示がありましたが、ピカソ美術館ではセラミックにスポットライトをあてていました。

ミロのセラミックの作品。

ミロもピカソもセラミックを含めあらメディアで独自の表現を試みたそう。

晩年のピカソの作品

晩年のピカソの作品。二番目の若い妻、ジャクリーンがモデル。

Picasso, Jacqueline with Flowers, 1954. パリ・ピカソ美術館

ミロのオブジェの後ろにピカソのジャクリーンのヌード作品。ピカソはジャクリーンの絵を400枚以上描いたそうです。

どこか動物のような男性。晩年の作品はユーモアがあって好きです。

Picasso, Seated Man, 1969

90歳目前にして描き続けるピカソのエネルギーに驚かされます。

Picasso, The Family, 1970

ミロがピカソに捧げた作品

ピカソが亡くなるときまで住んでいた南仏の家で1968年に撮ったミロとピカソの写真がありました。子供はミロの孫でしょうか。ピカソが所有していたミロの作品二点も写っています。両作品とも今回ミロ美術館の特別展で展示されていたもの。男性のポートレートはミロの自画像です。ピカソが所有していたミロの絵がミロ本人が設立したミロ美術館に来るという感動的なホームカミング。

下はピカソが亡くなったその日にミロが完成させた作品ということから、ピカソに捧げる作品としたそう。

Woman, Bird, Star (Hormage to Pablo Picasso)

ミロがピカソ生誕100年を記念して1981年に描いた作品。

ミロ美術館とピカソ美術館、共同企画だけあってどちらも良くできていました。両方ともミロのピカソへの尊敬の念を強く感じ、ピカソはミロの友人、同士としてそしてメンターとして大きな存在だったことがヒシヒシと伝わってきます。両美術館とも過去に訪れていますが、今回の特別展は何十年に一度あるかぐらいの規模なので、学ぶことも多かったです。

本特別展は2月25日まで開催されています。

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