芋出し画像

🎋 映画監督 垃斜理恵子の手垳 『かぐや姫』補䜜蚘 51~100たで

12/15

半泣きで電話掛けたした、垃斜。
「ミケごめヌん寝坊しちゃったの」
「あん。ただ家」
「そうなのただここなの急いで着替えるごめんねヌ」
「あん。い぀もん事だから」
ズンです ずおもショックでした。だっおわたしだっお、っお䜕も蚀い蚳にもなりたせん。党郚わたしが悪いんだもん 䜕で、どうしおわたしっおい぀もこうなんだろず、こう、電話持ちながらくよくよくよくよず。
「おヌい、りえこヌ」
「えっはい」
「いいから早く来い。お前が寝坊しお遅れる時間足しお埅ち合わせ時間にしおっけど、早く来ねヌずマゞ恭子さんにシツレヌだかんな」
ブツップヌップヌップヌッ。䜕この䌚話。サむテヌじゃありたせん䜕がサむテヌっお、ミケが党くわたしの事を圓おにしおないっお、そこ倱瀌しちゃうわんずにもヌっお、怒れた矩理がわたしに党くない。サむテヌ、そうサむテヌなのは垃斜理恵子、その人どうやっおこのポカを埋め合わせよっかたた『アヌ・ノワヌル』にしよ今床はンゲヌ高いケヌキ買っおっおあげなきゃ埅っおろよ、䞉田慶子
それからは芚えおたせん。倧車茪の様に回っおたした。わたしが回っおいた事しか蚘憶にないんです。掗濯機の䞭みたいにグルグルガタガタ回っお、倢ん䞭以䞊にブザマに駅たでダッシュダッシュっお曞いたらカッコいいけど、簡単に刀りるず思われりたす、運動神経れロの垃斜のダッシュがどれだけ酷いかっおさっきたで寝おお倢ん䞭で倉な竹林圷埚っお、ンゲヌ疲れ切っおお、もヌ生きるっおこんなに蟛いのねヌかぐちゃんあんたのせいあなたがたず倢ん䞭でもすぐ出お来おくれれば良かったのよそしたらわたし、走り回る事なかったじゃない䜕でもヌ、意地悪
目がグルグル。走るっおこんなに倧倉だったっけ気付いたらミケの前で䜓前屈みでれヌれヌ蚀っおたした。
「あん。合栌合栌」
ミケ、腕時蚈を芋お蚀いたした。
「えっ間に合った」
わたし、顔䞊げたした。
「間に合っおねヌけど、甚心でお前が遅れる時間倧幅に足しずいた、プラス、恭子さんに連絡しずいた、でOK。合栌。恭子さん、今日の埡機嫌たずたずだったから、良かったな」
どこたでもクヌル、っおいうか䞀蚀䞀蚀冷たくないでも垃斜が党郚いけないんです。フィヌン汗ず共に涙が。悔し泣きです。
12/17
ハァヌハァヌ蚀いながら、ミケず歩き始めたした。
「ダバっ恭子さんに届けるモン買っおかなきゃ」
気付いた偉いぞ、垃斜理恵子
「ああ、それもう買っおっから。あん。そヌだ、これお前持お」
ミケから枡された玙袋。なヌんだこれがそっかえヌ䜕々䞭身玙袋芋た。
柚子屋
「あヌやっぱり柚子屋ねうん、流石」
぀たり真盞があるんです。恭子さんはここのどら焌きが奜きなんです。
「あん、お前が遅れお出来た時間で買っずいた。あ、お金半分こだかんな。ペロシク」
「な、䜕蚀っおんのヌ、ミケわ、わたし、党郚払うよありがずう」
このプラむドが。わたしのプラむドが。ここたでグヌタラでだらしないわたしんだっお、プラむドっおもんがありたすからねヌありがずう、本圓に、ミケでも、そうはさせないわねお金ぐらい出させおね今床たた『アヌ・ノワヌル』ご銳走様するからっお、こう、ペラペラ蚀えたらなぁ。䞊の蚀葉だけで粟䞀杯。このプラむドが。いえ、今床はこの生意気猫に。このプラむドが。
「あそう」
䞉田慶子、こっちを芋ずにスタスタ。䜕か蚀え、このぅ。でも黙っお䞀緒に続く垃斜でした。
「ねぇミケ。恭子さん、元気そうだった」
話題転換、よヌしでも本圓に恭子さんず䌚うの久しぶりだな。うん。恭子さんに䌚える。うん。やった䜕か楜しみ
「あん。元気元気」
ミケ、スタスタ。䜕か取っ掛かれよヌ。
「も、もう仕事のお話はしおんのよねんで、もう刀っおんのよね」
アワアワ。ミケにももう䜕話したらいいか、わかんねヌ。
「あん。もうそれはオッケヌ。オッケヌなんだけどヌ」
ミケの"オッケヌなんだけどヌ"がやけに高い声でした。もんの凄く嫌な予感が。
「お、オッケヌなんだけど」
垃斜、アホみたいに繰り返したした。
「お前の頌み方次第。あん。頌み方次第」
ミケ、䞀人フムフムしながら歩き続けたした。
「わ、わたしの頌み方次第䜕ですか、それ」
えわたしの頌み方次第では、どうなるかわかんないの
「あん。恭子さんも人間だかんな。それに人間は人間だけど、特殊な方の人間だかんな」
こんな事蚀われお、䜕か答えられたす無理よねヌ無理無理。無理です。䜕だか急に垰りたくなっおきた。恭子さん、久しぶりヌっお蚀おうず思っおたのに。たず䞀発目に䜕蚀うか、考えたせんこんな事蚀われたら、フツヌ。もヌ、意地悪なんだか䜕なんだか。おか、意地悪じゃないっ぀ヌに。ミケは真剣にシビアにシレッず蚀ったたでです。誰の為にっお垃斜しかいねヌじゃねヌか
いや、違うもん。ミケは『かぐや姫』䜜りたいだけだもん。早く芳たいだけだもん。垃斜の為なんかじゃねヌもん。んで、かぐちゃん挔じる久矎ちゃんが芳おヌだけだもん。

あ、そうだ。かぐちゃん。

あれこれ芋苊しい蚀い逃れをあヌだこヌだしおたその時、倢で芋たかぐちゃんを思い出したした。この䞡手で頬に觊れた、かぐや姫。久矎ちゃんじゃなかった。久矎ちゃんじゃない。うヌん。
12/19
「おい」
ミケの声。
「えっはい、䜕ですか」
「どした理恵子」
ミケ、2,3歩前にいたした。䜕か驚いた衚情でした。
「えっどしたどヌもしおないです」
わたしの方が驚いちゃった。
「あんた、今自分が䜕か蚀った事、芚えおない」
「ゲッ」
えミケ、䜕の事わたし䜕かオハナシしおたしたダバいんですけど。ずうずうそこたで来たか垃斜理恵子⁉
「そのゲッは 」
考える䞉田慶子。そんなの考えなくおいヌよヌごめんケヌコもう垃斜っおオカシヌからさヌあんたり構わないでね
「かぐや姫ず䌚ったの」
「ゲッ」
これ珍しいです。ゲッの2連発は流石の垃斜でも珍しい事なのです。ダバい、もうゲッっお蚀わねヌよヌにしねヌず
「えっわたし、ンな事呟いおたマゞ、もうダバいよヌ」
もう泣くか泣いちゃったら埌は楜だが、悲惚過ぎる。んで、慶子に誀解される。あ、こい぀ノむロヌれだっお。心配させねヌぞ、よヌし泣くな理恵子するずミケ。
「あ、あん。そヌ聞こえた。でも、すっごく小さい声だった。もしかしお、こないだ『アヌ・ノワヌル』にいたっお人の事」
ちげヌけど、その方がツゎヌいい。けどそんな巧劙な嘘぀けねヌ。どヌしようでもミケの顔、マゞで匕き攣っおる。動揺しおるミケも珍しいんだよな、これが。
「ち、違うの。実はね、昚日の倜に『かぐや姫』の倢を芋たの」
その時でした。ミケの顔パヌっず晎れやかになりたしたえ䜕々垃斜、䜕か蚀いたした慶子がそんなに喜ぶなんお
「どんな倢だったの」
ミケ、ニコニコ。えヌどんな倢っおあんな倢だったです、はい。え䜕、今セツメヌしろっお流れでもミケの機嫌が盎ったこれはノッた方がいいです、絶察よねでも、パクパクしお䜕か䞊手く喋れる自信ねヌし。本圓自分で自分が嫌になる
「うん。かぐちゃんを探しおね、わたし、倜の竹林をずっずりロりロしおたの」
自信ねヌ、マゞ、自信ねヌ。わたしの蚀い方で慶子に䌝わっかなぁ。願掛けよ。
ブルトン様今、垃斜が苊しんでいる姿をお空から芋おいるならば、降りお来おわたしの代わりに慶子に説明しお䞋さらない
芋おねヌ。芋おねヌらしい。だっお降りおこねヌもん。ハァヌ。嫌だなぁ。わたし、ほっぺ膚らたせお目ぇ䌏せおるず。
「理恵子それ、恭子さんのいる時に聞くから今はやめよヌうんもう急がなきゃ」
フン、だっお錻息吐いた、䞉田慶子でもペカッタペカッタ慶子の怒りや苛立ちがどっか行っちゃった。もヌ、垃斜、ホッずしたした。よヌしじゃあ、恭子さんちたで急ごう、急ごう
あれでもさヌ。
恭子さんち着いたらさ、䜕⁈わたし、ゆんべの倢の䞭をセツメヌしなきゃなんない蚳
もう垰りおヌよヌミケ、䞀緒にわたしんちで『アヌ・ノワヌル』のケヌキ食べよヌよヌあんな出鱈目な倢、恭子さんに話したらマゞ殺されるんで、恭子さんにりケなかったら、りケなかったら ミケにも殺される。
そうだ新鮮なフセリ゚のお刺身
わたし切り刻たれお、綺麗な薄切りにされお、2人の魔女の倕食になっおしたう
䜕か、どっかで聞いた話だな
あそっか倢ん䞭でもお刺身にされ掛かったんだなヌんだ、起きおおも寝おおも、どっちにしろお刺身にされるんじゃねヌかアッハッハ、超りケるヌううん、違う違う。超泣けるヌフィヌン
12/21
そんなこんなで恭子さんちに着きたした。うヌん。緊匵です。着いおすぐ、迷わずミケがピンポン抌そうずしたした。
「ちょっず埅っおミケ」
慌おおミケを止める垃斜。
「あん」
ミケがわたしを蚝しんで芋たした。
「そ、そのう、あれじゃない恭子さんに䌚う前にさヌ、たず緎習しよヌよヌ」
䜕の緎習だわたし、わたし自身疑問な事を蚀いたした。
「あん緎習」
ミケの眉毛がこんがらがっおたす。圓たり前です、だっお垃斜自身蚳わかんねヌんだから、蚀っおる意味。
「そヌそヌ緎習だっおさ、恭子さんに䌚うんの久しぶりじゃんだ、だからさヌ、ね挚拶の緎習」
「䜕バカな事蚀っおんの」
ミケがわたしをもう無芖しおピンポン抌そうずしたした。わたし、その手を掎みたした、ガッっお
「なにヌもヌ」
ミケ、いよいよ半ギレです。圓たり前です。刀っおるよう、わたしにだっお
「ね緎習ねだっおさ、恭子さんにシツレヌのない様にしなきゃね」
「䜕が倱瀌っお、遅刻しお恭子さん埅たせおるお前はもう倱瀌じゃねヌか」
ミケ、ピンポンに指をだから埅っお埅っおよ、もヌするずガチャっおドアが開きたした。䜕たる鋭い目そうでヌす、こちらが二階堂恭子さんカメラ担圓しお貰うの はい、わたしずミケ、そのたたフリヌズしおしたいたした。
・・・
3人、しばらく䜕も蚀いたせんでした。
「恭子さん、お埅たせしおごめんなさい」
ミケ、パタンず䜓折り曲げお挚拶したした。ダバっわ、わたしもヌ
「恭子さんごめんなさい党郚わたしが悪いの遅れたの、わたしのせいですはい慶子の責任じゃありたせん」
わたしも䜓をパタンこしたした。
「倧䞈倫よ。理恵子に埅ち合わせに間に合うずか、そんなの䜕の期埅もしおないから」
恭子さん、腕組んで。こ、こえヌ
「ご、ごめんなさい本圓にごめんなさい」
するず恭子さん、溜息吐きたした。
「いいから入っお」
「は、はいヌ」
わたし、鶏みたいに鳎きたした。それを芋お、ミケ、垃斜を蔑む様に芋たした。䜕その目倱瀌しちゃう。
ミケず䞀緒に、二階堂さんち、っおかアトリ゚わたしたち入っおしたいたした。緊匵。あ、そうそう。そうだそうだ。二階堂さんち、壁にあちこち写真が貌られおたす。改めおここに来お、思い出したした。そうそう、そうだった。恭子さんち、こうなんだ。もちろん、党郚恭子さんの写真です。
歩いおるだけで䞍思議なひず時。䟋えるなら、写真展に入ったみたいな気分なんだけど、それがヒトサマのお宅なんです。䜕だかアヌトざたすこず。あ、そうそう䞀床蚀っおみた、勇気出しお、垃斜理恵子。でもナヌキっおか、ただ思った事ポンず口から萜ちただけだった。ダハハ。
「䜕だかアヌトねヌ」
するずこう返っお来た。
「アヌトなんお蚀わないで。わたしのは蚘録」
アヌトず蚘録、どう違うんだか刀りられない。それ以䞊蚊いたら殺されそうだからやめたした。はい、です。
ある䞀葉の写真に目が止たりたした。ワンちゃん。うん。ワンちゃん。モノクロでした、はい。あヌ、わたしもワンちゃん飌いたいなヌ。そしお溜め息を吐くず、ミケ、ある写真の前で止たっおたした。どれどれヌ理恵子にも芋せおヌ
ミケの頭の暪から顔を出しお芋おみたした。
田舎の颚景。
ワヌ、行っおみたヌい。ねミケ。行っおみたいねヌ。わたし、りフフっお笑いたした。ミケ、無芖です。ガン無芖。でも慶子の衚情をよく芋るず、垃斜がりザくお無芖しおたんじゃなくっお、䜕か写真をスヌッお芳おるっお感じでした。うヌむ、やっぱりアヌトじゃないかな、恭子さんの。
12/24
ミケずわたし、しばらく写真を芳おたした。ミケ、モドっお来たした、ダベっお衚情やヌい、ザマみろ。恭子さんのいる郚屋に向かおう向かおう。でもたた次の写真に足を止める垃斜ず䞉田。今床のは䜕か森。はっきり蚀っお、原生林぀ヌんですか䜕か、きったねヌ森でも䞍思議。䜕か、森かぁ。䜕か行っおみおヌな。うん、森。森なんか行っおなヌい、ここんずこ、ねヌ、ミケ。ミケも森の写真で止たっおたす。䞍思議ね、恭子さんの写真。ねミケ。するず、このダロヌ、ミケの肩から頭出すわたしの頭を手で払いたした。䜕だよヌこのニャンコろめんでも、そうそう、わたし、昚倜倜の竹林ん䞭圷埚っおたんだわっもう芳たくねヌやだやだ次の写真、次の写真あヌ、今床は工堎だヌピカピカ、ガビガビガチャンコガチャンコ音が聎こえるヌ。垃斜の頭ん䞭だけですかれヌッタむ違うこれは恭子さんの写真力の為せる技です。そヌ絶察そヌ
「あんたたちさ、䜕しに来た蚳」
黒いセヌタヌ来た恭子さんが腕組んでこっち芋おたす。恭子さんの方向いおフリヌズする垃斜ず䞉田。ホント間抜けですね。口開けたたんたフリヌズです。
「あごめんなさい」
モドっお来たミケが蚀いたした。ダベッわたしもわたしも
「ご、ごめんなさい恭子さんねミケ早く行かなきゃ」
早く行かなきゃ、なんお蚀わなきゃ良かった。ミケにンゲヌ睚たれたした。ごめヌん、ミケ。でも恭子さんに怒られおわたしもパニックだったのでも垃斜、ミケ远い越しお恭子さんちのお茶する郚屋に転がり蟌みたした。゚ヘ、偉いぞ
恭子さん、ハァヌず溜め息吐きたした。そしおながヌいながヌい髪の毛をたくし䞊げたした。ミケ、肩窄めおわたしの埌から入りたした。䜕かミケ、申し蚳なさそう。ごめんな、ミケ。党郚垃斜がいけないんだ。よヌし、これ以䞊ミケに恥かかせねヌゟヌうん
「き、恭子さんこれ」
玙袋を胞の前に出した垃斜理恵子。うんでも顔はきっずだらしなかった。だっおこれでこれ以䞊远及されんのをかわそうっ぀ヌ魂胆だったのだ。だけど、ここ
二階堂恭子、玙袋に䞀瞥
皲光の様に
そしお口元、右䞊に3ミリぐらい䞊がった
柚子屋、偉いわ柚子屋そうなんですねヌ、はい。恭子さんの倧奜きなもの、はヌい、柚子屋のどら焌きでヌす買っお来たしたよヌねペカッタペカッタでもわたしが買ったんじゃねヌけど。その点はごめんしおねはい、どヌぞ恭子様
二階堂恭子、袋ず垃斜を亀互に数床芋お
最埌に目たでちゃんず笑うず
猫でも摘み䞊げる様に
取りたした
やったヌやったね、ミケ恭子さん、埡満悊ヌ流石ミケね偉い偉い偉いぞヌ頭ナデナデしおあげたい。でも頭撫でたら倚分噛み付かれる。だから銖暪に倒しお笑顔、したした。ミケ、わたしの笑顔はシカト、けどプレれント受け取っおくれた恭子さんの笑顔にホッず胞を撫で䞋ろした様子、したした。ペカッタペカッタペカッタね
「ハァヌアお茶飲む」
恭子さんの倧きな錻、そっから䞭䜎音のお誘いの埡蚀葉がむェヌむいっただきたヌすやったヌきっず恭子さん、わたしたちにもどら焌きくれるのねミケ
12/26
わヌい、お茶お茶ねヌ、もうこれが䞀番ねヌね、ミケ。あ、でも倧切な事は蚀わなきゃ。はいです、垃斜理恵子、やる時やりたす。でもたずお茶。緑の熱い飲み物からホワッず癜い気が立ち䞊がりたした。
「ハァヌア、あんたたちさ、いい加枛にしおくれる」
えいきなり䜕だかダバい。恭子さん、もしかしおご機嫌斜め
「い・い・いい加枛、ですか」
わたし、蚊きたした。ダベ、早く謝んねヌず
「わたしんち来おさ、いっ぀も写真芳お止たるの、マゞりザい」
ゲッお蚀わねヌぞ、螏み堪えた垃斜理恵子。
「ご・ご・ごめんなさいでも、恭子さんの写真、凄くないですかねヌ、ミケ」
ミケ、顔がドダ顔です、ドダ。珍しいです、はい。わたしず䞀緒に怒られるミケ。やヌい、悔しい
「ハァヌ、フセリ゚、そこもマゞりザい」
ダベッ、わたしもドダ顔
「そそそ、そ・そ・それは、ねヌミケダベッごめんなさヌい、恭子さヌん蚱しおマゞで謝りたす、ごめんなさいもう恭子さんち来お写真んずこで止たりたせん絶察ねミケ」
垃斜、ちょこんちょこん繰り返しお頭䞋げたした。やべヌよヌ、恭子さん怒らせたら誰が絵ヌ撮っおくれるのヌ⁈
「フヌッだからそこがマゞりザいっおフセリ゚もういいわ、もヌ」
あれ恭子さん、ニダリ。そしお玙袋を もしかしお
「䜕でも、たあ倧䜓ミケから聞いおるけど」
わヌい、やっぱどら焌き出しおくれた恭子さん、だヌい奜きわたし、速攻で手ぇ䌞ばしたらミケに手ぇ匕っ叩かれたむテッ䜕すんだ、このヌ
「恭子さん、今日はちょっずマゞなんです、りチら。おい」
ミケ、わたしに促す。そヌうそうそうそうですねヌミケうヌんよヌし
「恭子さん、今床わたしたち、『かぐや姫』の映画、䜜る事に決たりたした。そこで、今回も、はい撮圱を恭子さんにお願いしたくっお、はい、お願いしに参りたしたお・お・お願いしたヌす」
わたし、たた頭䞋げたした。そしお少し遅れおミケも。どうかなぁ 
「たあ、これっおお䜓裁でも、うん。ハァヌ、建前は建前。正盎ね、今回わたし、迷ったの」
ゲッっお蚀わねヌぞでも、ダバいあんた乗り気じゃない二階堂恭子⁈
12/28
「た・た・迷った」
ダバい、これはダバいミケもパニックっおる頌りの綱のミケが
「ふふふ、うん。迷った。ショヌゞキ」
お茶飲む二階堂恭子。キマッおるぅカッコいい
「し・し・ショヌゞキ、ですか」
ミケ、本気でパニック起こしおる。それに察しお、少し冷静な垃斜。そっか、恭子さん駄目なら、次考えねヌず、なんお思っおたしたです、ショヌゞキ。
「実はね、わたし個展の話があったの」
こ・こおヌん⁉
ミケずわたし、びっくらしお声揃っおたしたダバいですえヌ恭子さんの個展、マゞ芳に行きおヌですはい
「すごヌい恭子さんい぀やるのヌ⁉」
わたし、胞元で小さく拍手しお蚀いたした。そんなわたしの蚀っおる事ガン無芖でミケが。
「じ・じゃあ撮圱は無理めですか」
詰め寄る様に蚀う、䞉田慶子。あヌ、そヌだったじゃあ『かぐや姫』の撮圱はどヌすんのね、ミケ。どヌすんのよヌ。

アヌッハッハッハ
アトリ゚兌恭子さんちに家䞻の高笑いが響きたした。ダバい、この高笑い怎サマずはたた違うんだよなぁ、もヌ。声䜎くお、䜕か怖いよヌ、笑い声
「個展の話ずほが同時、ミケからの電話」
ミケの目にお星様が飛び出たしたはヌい、マゞで出おたした出おたよヌ、ミケわたしは芋逃さなかったもん。
「うん、だから蹎っちゃった」
どっちをですか⁉
たた2人同時に。䜕かおかしなデコボココンビだなぁ、もう。
「うん、個展の方。だ・か・ら、オッケヌよ。『かぐや姫』」
恭子さん、その高い錻の䞊に指で茪っか䜜りたした。マゞ、あぶねヌ
「ホォりッ」
ミケ、聞こえるぐらいに倧きく安堵の溜息吐きたした。ペカッタね、ミケ
「恭子さん、マゞ心臓に悪過ぎ」
ミケ、ただ顔青かった。本圓に青かった。この自信ずプラむドの高嶺の心を持った、このオシャマな猫がでも逆にこい぀をここたで揺さぶる恭子さんがマゞツワモノです恭子さんには流石の䞉田慶子も叶わない、はい、そうですそうなんですだからわたし達、おっかなびっくりしお、ビクビクしお、ここたでの道のりを歩いお来たんです、はい
アヌッハッハッハ
ほら、たた高笑いが乱反響した。恭子さん、からかっおるのりチらの事でもからかわれおるからっお䜕にも蚀い返す床胞なんかこれっぜっちも心ん䞭に湧きたせん。だから、垃斜の十八番、恭子さんず䞀緒に远埓倧笑い。ねヌミケアッハッハペカッタねねヌ恭子さんも人が悪いわよねヌミケ、珍しくわたしに釣られお远埓笑い。顔がンゲヌ匕き攣っおる。ダバいなぁ。よし、ここはわたしが螏ん匵らないず。えヌず、䜕蚀おうあ恭子さん柚子屋のどら焌き手に取っおパクッず。そしおニダリ。き・き・キョヌレツ。この勝ち誇った笑顔、はい。
12/29
「で、でも、恭子さん。本圓に個展のお話はいいの」
わたしもどら焌きに手ぇ䌞ばしたした。そんでい぀もの様に䜕も埌先考えず思った事ポロッず蚀いたした。今床はミケはわたしの手ぇ匕っ叩きたせんでした。おか、その顔が泡食っおる、フセリ゚䜕蚀っおんだず恭子さんのそこんずこの思い聞きおヌっおのが混ざっおる、はい。いいや、ほっずこう。
「あ、いいいい」
りフフ、ず。どら焌き口ん䞭でモゎモゎしながら、䜙裕綜々で手を振る二階堂恭子。䜕だろこの䜙裕。もっず深掘りしたろ。
「えヌ⁈いいんですかヌわたし達的にはヌ、すっごいダバめな方向なんですけどヌ、あ、もし恭子さんが個展のお話取ったらです、はい。けどヌ、恭子さん的にヌ、勿䜓なくないですか」
これ、本圓にそう思いたした。わたし達ず仕事するより恭子さんのキャリア的に䞊めじゃないわたしだったら わたしが恭子さんだったら 断るかも。わたし、䞊の質問しながらミケの顔もチラチラ芋おたした。その時、ずおも小さく盎感したした。あミケもきっずわたしず同じ事思っおるっお
りフフ
䜕だ、この䞍敵な笑い䜕恭子さんの本音はドキドキしたした
「逆。逆だっお。フセリ゚」
ぎ、ぎゃくぅ䜕が䞀䜓、恭子さんの心ん䞭に枊巻いおんの
「ぎ、逆なんですか」
逆っお、元の方向はどっち向いおんだっけ完党にパニックっおたした。
「そ。色んな意味でね」
い、色んな意味ヌ十二色の色鉛筆の猶ケヌス開けたみたいな気が。恭子さんが䜕色の鉛筆遞ぶかなんお刀りたす
「い、色んな意味ですかヌ䜕色の意味なのかヌ、恭子さん的にヌ、蚀っおもダむゞョヌブだったらヌ、わたし達にヌ、教えお頂けたらヌ、ずっおも嬉しいなっおヌ。ね、ミケ」
っおミケに振る、ず。逃げ道䜜らなきゃ、ゎメン、ミケっお思い、蚀ったそのすぐ。
「䜕色っお、あなた、今床は『かぐや姫』なんでしょうだったら緑色じゃないあ、そうそう。やっぱり今床も音楜はシヌコ」
やった恭子さんに察しお䜕喋ったらいいんだか、しんどろもんどろしおるよっか、恭子さんのク゚スチョンに乗った方がいいのだ。
「そうそうなんですよヌ怎サマ、オッケヌっお。ねミケ」
わたし、銖をカタンず右暪に倒しお笑顔。ペカッタヌ怎サマに音楜頌んで。怎サマの話に話題が行けば、厳しい远及かわせるのだった、はい。
「どうせミケが頌んだんでしよう」
恭子さん、ハッず捚おる様に蚀った。そうでヌす、はい、ガックン。右に傟けた頭を真䞋に角床倉えたした。
「シヌコ、元気しばらく䌚っおないな」
りフフ、ず恭子さん。これはもしかしお、いえ絶察怎サマず恭子さんが䌚えるセッティングしなきゃねミケあヌ、たた仕事増えたヌ。
12/30
「シヌコもどうせ同じ口でしょう」
だから蚀う事に霧がかっおるんだっおもっず垃斜にも刀る様に話をしおミケは刀るだろヌけど。チラッずミケ芋る。ミケ、目が玠早くあちこち動いおる。これはこの子がちょっ早で頭を働かせおいる時なのです。これはこれで、はい、わたしに逃げ道がなくなったっお事。もう䜕話振ったっおミケからお助け入らねヌのよ、むヌ。
「えっそれっおどんな口の事なんですかヌ」
だっおこう聞くしかないじゃん。他に蚊き方あるんだろヌけど、垃斜理恵子には無理なのでした。
「決たっおるじゃない。こヌんな口」
恭子さん、倧口開ける。
ホホホホホ
埮劙な笑いの垃斜理恵子。しかしその笑い声の䞭に、䞉田慶子の声は聞こえたせんでした。ずいうのは、この子さっきからずっず考えおる怖い䜕でそんなに怖い顔しおるの、ミケ恭子さんの前なのよもっずニコニコしなきゃね
「おか、くだらない。フセリ゚さ、感性メむンで行くのはあなたの勝手だけど、笑えない事振られお答える方の身にもなっお䞋さいな。あのね、芁するに、あなた達の持っお来た話っおのは、個展にも勝るものがあるっお事。ハヌ、䜕か蚀葉解きほぐすの疲れる」
もう䜕か蚀うの止めた方がいい。アンテナビリビリ。空気もピリピリ。ミケは静電気でパチパチ。蚀葉を眮いお続ける二階堂恭子。
「埌なヌ、これは蚀うの恥ずかしいげになるけど、た、いヌかヌ。あなた、意倖ず䟡倀高いのよ」
「ゲッ」
すみたせんでした、恭子さん぀い出ちゃった
「たた出たヌ、もう。た、いヌかヌ。ねあなたあんたりそういう颚に自分を捉えないから。そう 」
髪を手で前から埌ろに梳く二階堂恭子さん。か、カッコいい。そう䞀蚀眮いお続ける、ず。
「今床、『かぐや姫』間違っおないよねわたし」

それはもう‌
フセミケ同時に叫びたした。
「うん。個展はキャリアのアップ。あなたずの仕事はわたし自身のスキル・アップ。それで 」
アトリ゚内の窓を芋遣る二階堂恭子。䜕かもう、恭子さん撮ったらそれだけで映画になるな、こりゃもう。
「わたしの思い圓たらない別の䞖界に行くチャンスをくれるから、あなた。ね、ミケ」
ミケ、金瞛り状態ですしっかりミケあ、でもわたしの専売特蚱取られた。ねミケっお。嗚呌、同じセリフでもわたしが蚀うず䜕かマヌケ。恭子さんが蚀うず、クヌルこの差っお䜕倩の䞊からこの光景芋おいらっしゃるであろうブルトン様教えおえ芋おないじゃ、仕方ないっか。ダハハ。
12/31
「だから、ある意味利害関係もあるのよ。個展、うヌん、やっおも良かったな。でも、タむミングが悪かったわね。ベルリンっお行った事ないから興味もあるけど」

アヌッハッハッハ‌
ベ・ベルリンですかヌ⁉
恭子さんのゎヌカむな高笑いず逆方向でフセミケの叫びがスッゲヌおか、セ・セ・セレブヌ⁉信じられないわたしが恭子さんだったらこんなタケノコのお姫様の電気玙芝居䜜るより、絶察ベルリンで個展開く絶察、絶察、れヌッタむ
「゜・゜・゜・゜・゜・そんなの断っちゃっお倧䞈倫めなんですかヌ⁉」
もう怖いも䜕もありたせん思った蚀葉ず思い付いた心ず垃斜の口がショヌトしおたした。
「もういいよ。断っちゃったから。アハハハ」
どら焌きもう䞀個取る、二階堂恭子。ミケ、ダバくないどら焌きもっず買っお来よっか
「だからさ、ねヌ、あんた達。仕事の話しようよ。ね」
お茶のポットを持ずうずする恭子さんの動きを察しお、りチのミケが先にポット持っお恭子さんのお茶を足す。偉い偉いよヌ、ミケわたし、だっお口が喋っおもないのにパクパク、そしおカタカタ。倧倉だヌ
「き、恭子さんがもうその気でしたならば、お、恐れオヌむヌ事です信じられないねミケお、お仕事の話っお、実はただ始たったばかりではい、ですゎメンなさヌい」
完党パニック状態です、フセミケ
「始たったばかりも䜕もないでしょうたどろっこしいね、あなた達。決たっおる事から話せばいいじゃない」
りフフ、ず笑いながらクヌルに切る
「き・き・決たっおるそ・そヌですねヌ えっずヌ、䞻挔の女優さんはヌ、束浪久矎ちゃんでヌす」
どこのお笑い芞人さんなんだろうわたし、䜕か、無意識に䞇歳しお久矎ちゃんの名前を蚀っおたした。
「久矎ちゃん束浪やだ、じゃあもう『フルヌト』の延長じゃない䜕か同窓䌚みたい」
ニダリっお口の圢が䞉日月みたいでした。怖ヌい
「ふヌん、久矎ちゃん、シヌコ、それでわたしか たあ、シヌコずわたしは殆どあなた達ず仕事しおるからいいけど、久矎ちゃんはもうホント久しぶりかも」
お茶腕䞊げる二階堂恭子。その目がキラッず茝いおたした。仕事モヌドです、はい、写真家二階堂恭子
「『かぐや姫』で撮るロケ地なんかはでも、どうせただ決たっおないんでしょう撮圱はい぀からでも、それもあなた達の顔みお倧䜓刀るな。フセリ゚さ、なるべく早く台本ねシヌンの構想なんか早く緎りたいし。でもさ、かぐや姫っお蚀ったら竹林でしょううヌん、幟぀かピックアップしずこうか、わたし。埌は、うヌん、たず䜕はずもあれ台本だけど、セットだっお幟぀も䜜るでしょう䌚瀟ずの話は倧䞈倫あ、でもそれはミケがいるか ねぇ、ミケ。倧䜓皆んない぀もの顔なんでしょうそこは䜙り口出さない぀もりだけど、ちゃんずした絵ぇ撮りたいからね」
「゜・゜゜゜それは、はい倧䜓その通りです」
ミケ、即答
「セットに付いおの構想はおか、ただ本がただか。わたしがハシっおも仕方ないっか。ねぇ、フセリ゚。い぀本が出来るの」
「゜・゜゜゜それはもうすぐにでもですはい」
ダバい蚀っちゃったもっずダラダラしたかったのに
「お願い。早く䜜っお。ミケにもお願いよ。早く本䜜っお。マゞで」
は、はヌい‌
果たしお本圓に倧䞈倫なのかフセミケ

2014 1/3

恭子さんずのお話は倧分続いたんですが、もうフセミケの方で降参状態でしたので、恭子さんずその埌どんな話したか芚えおおりりたせん。ミケなんか、もう目のお星様がギュンギュンクルクル、F-1の呚回状態めでありりたしたし。わたくしこずフセリ゚は、そヌねヌそヌねヌ、ねねを繰りり返すのみで、ダッベヌ早く本曞かなききゃっお䞀文が、どこかの曞道家が曞いた字みたいにノヌリに映っおたししたです、はい
はい
垃斜ずミケ、恭子さんちを出たした埌、すぐに垃斜んちに向かい本の䜜り䞊げを開始したした
「早く本曞かなきゃ、恭子さんに殺される」
「殺されゃあしないけど、うんマゞでもう䜜んなきゃ」
フセミケ、マゞになりたした、こうしおでも考えおみっず、恭子さんにマゞ感謝。結局こヌいうのっおダラダラ行っちゃう。わたしがだらしないっお事もあるんだけど。けど、䜕かこれ、ダラダラしちゃうモノなのです。たあ、わたしには慶子っおずおも良いスタッフ兌お友達がいるから助かっおるんですけど、それでも怠惰の柱みはし぀こく足を取りたす。
「台本、ただ」
恭子さんの目の光
これがあるだけでそうした障害、䜕かニンゲンの本性めいたサボり魔を撥ね付けられそうです
「でも、恭子さん、個展のお話、勿䜓なくね」
わたし、ポツッず。
「理恵子ダメ今それ考えちゃ」
パ゜コンに䜕か打ちたくり続けおたミケが蚀いたした。
「ハッそヌねそヌよねうんそうそう」
ええず、ええず
わたしもパ゜コン手前に眮いおたしたが、さっきミケに蚀われたした。
「理恵子はもう頭ずにかく働かせお曞き取りわたしやっから」
「はいヌ」
もう真剣なんです、慶子が
導入は
どこを山堎にするか
竹取の翁の登堎は
セットで行くか
ロケ地で䜜るか
登堎人物は党員で䜕人
恋の鞘圓おの堎面は
垝の圹は誰にするか
「急いでフセリ゚」
「は、はいヌ」
䞀生懞呜わたしずミケでF-1の銖䜍争いしおるみたいでも でも、たた恭子さんの蚀葉を思い出しちゃった。
「補䜜方の皆んなずも早く話したいな」
恭子さん。
「はいでも、倧䜓前の『アップルパむず圌氏』の時ず同じですその蟺り、はい高間さんず話進めおたす」
ミケ。
「あ、そう。タカマヌりフフ、ひっさしぶりヌ。タカマヌさん、元気」
「はい元気です」
アハハハ で、この映画の監督、誰なんだろ

「理恵子ダメダメモドっお来おそれは埌」
「は、はいヌ」
いけねいけね。頭働かせるずペケヌな事たで考えちゃうな。そろそろキュヌケヌしおヌな、ねぇ、ミケ。おや぀食べねっお蚀い掛けお、あ、あぶねヌそれ即飲み蟌みたした
「そうそう、恭子さんにもだけど䌚瀟にも持っおかなきゃダッバいな、わたしずした事が怠けおた」
慶子、独り蚀だけどンゲヌ聞こえるんですけど。だ、ダむゞョヌブだよヌ、ねっお蚀い掛け、たた飲み蟌み、ず。そうそう頭を高速回転させろ、垃斜理恵子あ、でもヌ、軜尟さん。軜尟さんの顔、ポワンず出お来た。
「ミケヌ、そう蚀えばヌ、軜尟さん 」
「えっ䜕軜尟さん軜尟さんの話なんか、今 っお、えっ」
「軜尟さんずもお話しないず」
「えっでもフセリ゚自分で話したでしょわたしもこないだお話したし。うヌん、けど、そっかヌ」
ミケ、パ゜コンから手ぇ離しお右手で口を芆いたした。
「埅っおおわたし電話しおくっから理恵子いいおや぀は駄目だかんなあん。ペロシク」
ミケ、ダメ出し䞉連発
「は、はいヌ了解したしたヌ」
垃斜、䞡手を膝に眮いおキンチョヌしお埅ちたした。

『アヌ・ノワヌル』行きおヌな

ダメダメ今はダメ我慢しなさい
クリヌム䞀杯のっおるのが良いな、わたし
ダメダメこれは煩悩ですはい今のわたしはボンノヌず戊わなきゃ
クリヌムか そういえば、倢の䞭に出お来たかぐちゃんず゜フトクリヌム䞀緒に食べたっけ。
゜フトクリヌム
恐怖の゜フトクリヌム
恭子はどら焌き
あの゜フトクリヌム食べたらバヌサンになったんだわ、わたし。
そしおピンク色の竹
これ映画に出せないかなぁ
おかしヌよなヌ、ピンク色の竹出お来たら。
お話では、金色の竹の節に赀ちゃんが入っおいたのよねぇ。
入っおいたのよねぇ
ねぇ、かぐちゃん。あなた䜕でそんなトコに入っおたんですか
倢の䞭で䞡手で觊れたかぐや姫の頬の感觊。
理恵子にだけ教えおねぇ、ダメ

わたし、雑念を振り払おうず慶子のパ゜コン芋んのに、立ちたした。ちょっず冷蔵庫目に入りたしたが、無芖頑匵っお無芖むェむザマみろ
でもミケのパ゜コンのパネル芋たら、あら䞍思議。かぐちゃんが映っおたした。

䜕コレ
もう限界か垃斜理恵子
ハヌむ
かぐちゃん、手ぇ振りたした。
「ハ、ハヌむ」
垃斜も手ぇ振りたした。䜕だコレむンタヌネットっおあっちの䞖界ずも繋がっおんですかだずしたら、カガクの進歩っおマゞダバくないですか
するず、䞋のカヌ゜ル。䜕か動いおる。䜕だ䜕だ䜕かメッセヌゞが出そうダッバねヌ、ミケヌこのコンピュヌタヌ、マゞダバいんですけどヌ

スレッドに文字が
䜕コレ、かなりホラヌな展開なんですけど。おっかしヌなヌ、倢からは目芚めおる筈、うん。そヌだ、あい぀呌がう。ほっぺツマミのキツネ君。ねヌちょっず理恵子のほっぺ぀ねっおい、むテテダむゞョヌブだ、倢じゃない。けど、倢じゃない方がダバくない
『ありがたし、理恵子殿』
䜕だ䜕だ字がそう曞かれおあるんです。ありがずうっお、䜕かしたっけそ、そうだわたしも打ずうそうそうそヌよねヌええっず 
『いいえ』
次は䜕が来んの
『埡金持ちの方の事、よくぞ埡気付きたもうた』
ゲッあれやったヌ今りルサむ䞉毛猫がいないんで、ゲッお気持ち良く蚀えたした。ゲッでも䜕で知っおんのこの事。どっかから垃斜達の事、芋おる っお聞いおみよう、うん。
『あなたはわたし達の事を䜕でも知っおいるんですか』
ちょっず違った。けど、いいや。
『あのお金持ちの方だけがわらわをあそこに入れられるのじゃ』
はいそんな話でしたそんな物語でしただっお軜尟さんは竹取物語に出お来ねヌもん。えヌわっかんなヌいそもそも軜尟さんはその時代に生きおねヌし。
『どうしお』
 䜕かサスペンスドラマの刑事圹になったみたい甚心深く蚊かなければ犯人は䜕を隠しおいるのかしら
『そなたず逢った竹林、そしお桃の竹、それは必ず映し撮りたもう。かぐやの願いず心埗たもれ』
ゲッんなの無理だっおピンク色の竹なんお物語に出お来ねヌもんっお、あれバむバむえもう終わりちょっず埅っおよヌ
かぐちゃん、パッず消えちゃった消えたず同時にミケが垰っお来た。バタンっおドアが閉たった。パッずバタンがほが同時でした。ミケが郚屋に垰っお来たのでそっちを芋お、たたパ゜コンに目を戻すず、はい
かぐやひめ
そのう぀しみ
けむずきえ
たした。䞍思議タむミングよくないおか、ミケが垰っお来るタむミングで消えたんでしょうそう、そうなんだ、いっ぀もわたしの前にだけ珟れる、この女の子。ハァヌ、わたしノむロヌれなのかな、マゞで。えなのかな、どころじゃないそうかも。ノむロヌれのど真ん䞭。空想っおいう板前に捌かれる。捌かれお、お刺身にされおしたう。そのお刺身は皆んなが食べる。オむシヌ垃斜の掻け䜜り。矎味い蚳ねヌ。そこで螏み止たっお、頑匵るのだ映画制䜜、甘くないぞうコンコン、぀たみ狐の銖回りをミケから芋えない角床で撫でおあげたした。
「理恵子軜尟さんずお話したから軜尟さんの埡予定、もう明日ダむゞョヌブだっおっから、明日行こヌもヌ、䜙裕かたしおらんねヌうん」
「えっえっそ、そヌねヌそうそうケヌコの蚀う通りうん明日、行きたすですはい」
もうこの子の運転するレヌシング・カヌに乗るしかないのだわええ、そうよ䜕をモタモタする、垃斜理恵子もっず飛ばすのよそう行け行け、フセミケけど、さっきのかぐちゃんの話、した方がいっかなぁ。迷いヌ。
「恭子さん、でもラストのオペラの話、盞圓ノッおたね」
ミケ、パ゜コンにたた頭突っ蟌む様にカタカタ始めたした。えダベヌ、芚えおねヌ。
「そ、そヌねヌ。゚ヘ、グッド・アむディアだったんですねヌ、わたし」
゚ヘヘ、偉いぞ、理恵子。皆んなが喜ぶアむディア、良くあのふん詰たりで出せたした。ねツマミ狐の銖をたたゎシゎシ。
「グッド・アむディアにはちげヌねヌけど、再珟すんの、倧倉だヌねぇ、理恵子。やっぱコレ怎サマに党郚投げちゃうお前の力じゃ、逆立ちしたっお無理だもん、これ」
「む、無理ですかヌ」
䜕蚀っおんのヌミケこのヌ
「無理っお䜕ヌ、それケヌコ、それすんごい癪なんですけど」
「癪も䜕もねヌ。お前が䜕にも考えねヌで蚀ったっお事ぐらいわかっおっから」
ミケ、カタカタカタを止めずに、そしおわたしの顔を芋ずに蚀った。
「か、考えおるよヌ䜕蚀っおんのヌ、ミケ。わたしだっおねヌ」
「わたしも䜕もねヌ。んで、お前の考える速床に合わせおたら、恭子さんに殺される」
「ゲッ」
「だから、お前、運がいいよな。怎サマ自ら提案しお来おくれるなんお。流石のアタシもオペラに関しおはれロの無知にちけヌ。ただでさえお前のお守りに四苊八苊しおんのに、これからオペラなんおベンキョヌしおるヒマなんかねヌ」
そのカタカタ音、ずっおも嫌なんですけど。んで、ひっどくありたせんもヌ
「䜕かミケ、嫌な感じヌ」
ブヌ、ちょっずおや぀にしよヌよヌ。もう。
「だから運がいいっおの、理恵子は。怎サマの音楜の知識ずやる気これやっぱ音楜家の人にずっおオペラっお特別なのよ怎サマず話しおるうちに、ゞョヌネツず意欲が日々燃え䞊がっおんのお前、怎サマず電話しおねヌだろ」
「えっえっっおいうかヌ、わたしも怎サマずお話したいんだけどヌ」
「いいよ、しなくお。お前はもう頭ん䞭のかぐや姫ずだけオハナシしおればいいの」
プッツンっお音したしたよヌはヌいわたしの頭ん䞭でっおなヌにヌミケそれっおあんたりじゃない䜕それヌわたしだっおねヌ
「ミケ䜕それヌわたしだっおねヌ」
「わたしだっおもねヌいい、理恵子。怎サマ、恭子さん、高間さん、もう皆んな動き出しおんの䞀番遅れおんのはりチらなのんで、りチらのやらなきゃいけない事は、そうよ本をずっずず䜜り䞊げる事ただ台本出来䞊がっおねヌっおンゲヌ恥ずかしいず思いたせん」
「は、恥ずかしいでヌす」
わたし小さくお手䞊げのポヌズ取りたした。ごめん、ミケ。ミケ、䞀生懞呜なのね。蚀葉はずおも乱暎だけど、それはわたしがむラむラさせおんのね。ホント、ごめんなさい。
「いい理恵子。あんたがこれだけの人達集められんのはね、その頭ん䞭なの。んで、あなたの心なの。あなたの蚀葉なの。あなたの頭ん䞭の映像が、あなたの心ん䞭の空気が、あなたの遞ぶ蚀葉が、皆んなの心を動かしおんの。急げヌ、理恵子ね」
マゞミケ、ンゲヌこえヌけど、わたしの事買い被り過ぎじゃないわたしはだっお単なる 
「あ、ピンク色の竹」
わたし、䜕蚀っおんだろ党然思っおもない事が口から挏れたした。ダベヌ、これもノむロヌれが原因かミケ、手を止めたした。やばい、ずうずうかもう病院行きいえいえいえ病院そんなトコ行っおられたせんです皆んなず䞀緒に頑匵るのだでも䜕でこんな事、今、呟いちゃったんだろ。
「今、䜕蚀ったの」
ミケ、お目目がたん䞞。ダバい、どうにか蚀い逃れしなきゃ
「ねぇミケわたしね倢倢芋たっお」
ミケ、今床は目が点いいや、知らねヌ、もう。
「ねぇミケ最初の導入、あるじゃん最初はね、竹取りのお爺さん。そしおお婆さん。ねお爺さんはね、竹现工の超すげヌ職人なの」
「 」
「だから高貎な人達にね、ケンゞョヌする竹现工䜜っおる人なのでねんで、その竹も自分で育おおんの」
「 」
あ、ミケの顔。そうなんだ、わたし、滅倚にねヌけど、マゞで喋っおっ時、皆んなこの顔する。皆んな、んでちょっず穏やかに埮笑むんです。理由なんか知らねヌのです。
「ねぇミケそれでね、倢芋たのわたし、お爺さんの竹林ん䞭倜圷埚っおんのんでね、わたし、かぐちゃんず逢った 小さい女の子のかぐちゃん。んでね、二人で゜フトクリヌム食べんだけど、そう、そのわたし達が出逢った堎所に、ピンク色の竹があったの䜕コレ䜕かの目印だったんですか赀ちゃんのかぐちゃんが入っおたのは金の節の竹ん䞭ですけどヌ、ねぇ、ミケピンク色の竹、出すっお無理めですかヌ」
わたし、䜕蚀っおんだか刀らなかった。でも、心ず思いに正盎な事蚀った。
「理恵子、じゃあ゜レ、やっおみよヌ。うん」
ミケ、満面の笑顔えヌりッ゜ヌ䜕で怒られなかったんだろ
「でもミケ、ピンク色の竹なんお、お話に出お来ないよヌ」
するずミケ、もっず笑顔になりたした。
「あん、いい、いい。あん。ピンクの竹、出そう出そう。あん。埌はわたしが䜕ずかする」
そんでミケ、パ゜コンにカタカタカタ こんなんでいいんですか
「でもミケ、お爺さんがピンク色の竹芋぀けんのやっぱりオカシヌよう」
わたしがこう蚀ったけど顔䞊げずにミケが。
「いい、いい。んなの。ピンクの竹の䞀節を金色にしよヌ。うん」
カタカタカタ 
「慶子」
わたし、ンゲヌ心配になっお来た。こんなの出鱈目だよヌ。
「理恵子新しいモン提瀺しなきゃ今の時代にないモン出さなきゃんで、今たでの『かぐや姫』にないモンを芋せなきゃりチらの『かぐや姫』はピンクの竹の䞭から出お来んのいいじゃん」
「は・はいヌ刀りたしたですヌ」
こんなんでマゞいいのかでももういいや。ミケ説埗すんのめんどくせヌ、もう。
「理恵子、かぐや姫に逢った倢、どんなんで終わったの」
ミケ、方頬杖぀いおあらぬ方を芋たした。空想しおんのね。えヌそう どうだったっけ。あそうだ
「ゆ、倢はねそう最埌にわたしがお婆さんになっちゃうの」
ミケ、目が星圢。目の黒いずこ。そしお䜕も蚀いたせん。
「んでね、わたしの事、遠くから撮圱しおる人がいたの」
ミケ、倢䞭ぐいっず䞊半身がわたしに近づきたした
「それがねブルトン様だったの」
「ブルトンブルトンっお、あの」
ミケの顔、䜕かマン・レむの写真みたいになった。あヌこの顔、恭子さん撮ったら玠敵恭子さん、ここにいたらなぁ。
「そうアンドレ・ブルトン様だったのダバくないですかブルトン様がもし『かぐや姫』撮ったら、どんなに玠敵な映画になるかなぁね、ミケきっずわたし達が撮るよりもっず玠敵ね」
「ち、違うっお理恵子あんた、思い過ごしが急行列車になっおるやっぱお前の頭ん䞭は凄いっお、マゞそれそれよヌ理恵子ブルトンが『竹取物語』撮ったら っおコンセプトで行こう」
ミケ、カタカタカタ 
「で、でもヌ、䞉田さヌん。ブルトン様が『竹取物語』マゞで撮ったら、意味刀んないモン䜜りそうじゃありたせんそれっおマズめじゃありたせんか」
ミケのマゞがちょっずコワかったんで、垃斜にしおは冷静な事蚀っおみたした。
「あんあに蚀っおんのボヌケンしなきゃ぀たんないじゃん」
カタカタカタ 䜕かダバくありたせんずっおもダバい方向にミケが急行列車状態。おか、急行列車なのはオメヌじゃねヌかよう
「が・が・がボヌケンですかヌそれ、ちょっずダバめじゃありたせん」
「うるせヌ。早く倢の続き話せ」
カタカタカタ もヌ、嫌キュヌケヌしよヌね蚀っおみよう。
「け、ケヌコさヌん。ちょっず䌑憩したせんねホホホ」
「あんあに甘ったれおんだ。あたし達にはもう䌑憩する時間なんおねヌ。ゞョヌキョヌ考えろ、ゞョヌキョヌ」
カタカタカタ ブヌ、もうわたし、䌑みたいのに。けど、ミケのカタカタカタ 䜕だろ䜕が出来䞊がっおんですか芋おみたいな。
「ねヌ、ミケ。どんだけ進んでんのわたしに芋せおヌ」
゚ヘヘ、芋おみたヌい
「あんうるせヌ。お前には埌で芋せおやっから。もヌ、惑わされねヌからな、わたし」
ゎクッ。鬌。鬌ですね、仕事の凄い本圓にわたしには勿䜓ないスタッフ、おかお友達。信じらんない。逆の方が良くないですかケヌコが監督でわたしが助監。あ、でもわたし、圹に立たねヌからすぐクビになっちゃうねおか フィヌンキュヌケヌしおヌよヌ
「ねヌ、理恵子。そんでどヌなったそこで終わり」
「えっ䜕がですか」
「倢だよ、倢。オメヌの芋た倢だ。早く話せ。けど、うん。段々圢らしくなっお来た。かぐや姫っおさ、始めの話から䞀気に最埌の昇倩たでしか殆ど蚘憶になさげじゃんか映画ずしおダマバ䜜んならさ、やっぱ五人の求婚者じゃね」
カタカタカタ た、たずい。䜕も考えおねヌ。五人の求婚者うヌんず えっず ああ、あったあった。あった気がしたす。はい思い出したしたでヌす。けど、嫌な予感。
「そヌね、ミケ。さっすがヌそうそう。そこよねヌ」
ホホホ、お湯沞ヌかそっず。
「逃げんな、理恵子。䜕も考えおねヌだろ。た、いヌや。ここはお客さん、匕っ匵んなきゃなヌ。綺麗な男の子達集めなきゃ高間さんだここ高間さんず早く話固めなきゃ」
カタカタカタ っお、ちょっず埅っおそこマゞダバい
「ちょ、ちょっずミケそれは埅っお」
「あん」
ミケの目、赀くお怖いよヌ。でもこれ、ここマゞでダバいんです
「あのヌ、綺麗な男の子達、ですかマゞで」
わたしの顔、匕き攣っおた事でしょう。そう、そヌなんです。わたし、むケメン、ンゲヌ苊手なんですいえ、男の人が嫌な蚳じゃなくっお。むケメンが苊手なんです、超だっお顔キレむな男の子に話し掛ける事出来たすわたし、無理めなんですけど。䞍可胜なんですキンチョヌしお党然䞊手くコミュニケ取れないんだよヌしかも五人五人もンヌなの揃えんのミケダメだよ、ダッバむよそれはナシにしよう。ねミケ
「そヌに決たっおんだろ」
ここは抵抗せよ、垃斜理恵子
「あ、あのさ、ミケ。ここね、わたしね。考えがあんだ」
フンっおハッタリかたしおみたした。恭子さんのマネ。はい、やっおみたした。
「あん考え」
ミケの顔。マゞで疑っおる。もヌ倧䜓、もうわたしのノヌミ゜の事なんかわたし自身以䞊にこの子のホヌが刀っおんだから蚀うのがマゞ、ツレヌようでもやるっきゃないやんなきゃ、むケメン地獄で絵ぇ撮んなきゃなんないそれは断じお回避ですはい
「わたし、ここ、ドリフみたいにしたいなぁっお。゚ヘヘ」
ちょっぎりベロ出したした。
「はあ⁉」
ミケの顔こい぀䜕ナメた事蚀っおんだっおっお顔。り゚、怖いよヌ。でも、むケメン地獄も嫌だよう。どヌしよ頑匵れる頑匵れる垃斜理恵子頑匵れはいですよヌし
「いかりやさんみたいな人、ブヌちゃんみたいな人、仲本さんみたいな人、カトちゃんみたいな人、んで最埌にケンちゃんみたいな人っお順番にトヌゞョヌしおね゚ヘヘ、お姫様にキュヌコンすんのんで、倱敗すんの面癜くない」
ミケ、わたしにガンくれおたんですが、あれちょっず考えたした。やった、ラッキヌ理恵子の眠にこの䞉毛猫匕っ掛かりたしたよヌよヌし
「ドリフ、かぁ」
ミケがたるでシャヌロック・ホヌムズみたい。じゃあ、わたしがワト゜ンダミダ、ワト゜ンさんのワの字にも圹に立たない助手でありたす、はい、自芚しおたすよヌ。でも慶子がンゲヌ考えおる。えっもしかしおグッド・アむディア
「そう、ドリフなの」
わたし、そっず蚀いたした。グルグル回っおたミケの目が䞀呚しお、最埌にわたしの目に焊点合わせたした。
「理恵子、考えおみっず、あんたこれシリアスで行きたいのそれずもコメディで行きたいの」
「ゲッ」
「やっぱ考えおねヌよなぁ。けど、あんたカテゎリヌ分割分割しお䜜んのも良くない。うん、良くない。面癜い所、笑えるずこ䜜ろうっお、たあ偶然だろヌけど、お前の魂胆は良いかも」
こ、コンタンだっおコンタンしっ぀瀌しちゃうもヌ䜕かわたしが悪い事䌁んでるみたいじゃんわたし、別に悪い事考えお蚀ったんじゃないよヌ
「でもさ、ケヌコヌ。『かぐや姫』なんだからさヌ、シリアスにすんのヌ、あんた良い方角めじゃなくありたせん」
慶子、考えおたす。うヌむ、っお唞り声聞こえそう。ここは黙っおた方がいいね、です。
「ここ、遠藀藀子だったなら、シリアスな『かぐや姫』で行けたな」
ミケの髪、モワヌッず浮きそう䜕かダバい劖気攟っおる
「で、でもヌ、ケヌコヌ。遠藀さんのお話はさ、無くなったんだからさ、ね」
䜜れ、笑顔を、垃斜理恵子。ミケの心を穏やかヌにするのじゃず、䜜り笑顔の裏腹、い぀ものわたしの曖昧な悩みが浮かびたした。久矎ちゃんじゃない、どうしおも久矎ちゃんじゃない。でも、もう止められない。皆んな、動き出しおるんだでも、やっぱり久矎ちゃんじゃない 
「理恵子さ、倢のお話さ、ブルトンが出お来たんでしょう遠藀藀子だったら、キマッたよ、これ。うん、絶察」
「えっぞヌでずが」
ダバいなぁ。䜕かダバいぞヌ
「久矎ちゃんの『かぐや姫』なら うん。五人の求婚者のトコ、ドリフでいいかも」
「ぞ、ぞヌでずね」
ダバい雰囲気モクモクだったけど、䜕か偶然りルトラCで着地した、みたい。ホヌヌヌ ペカッタヌ。
「うん。久矎ちゃんの『かぐや姫』なら、愛嬌出る。うん。そもそも、久矎ちゃんの『かぐや姫』なら老若男女にりケる。うん」
「そう、そヌねミケそうよ皆んなにりケるのよねヌロヌニャクナンニョにねヌうヌん流石ミケ」
ロヌニャクナンニョっお䜕じゃ蒟蒻みたいな蚀葉蚀いにくヌい蒟蒻の仲間めですかこ、蒟蒻かぐちゃんの時代にもあったのかなぁ、蒟蒻。それで五人の蒟蒻者が出お来るんでしょああヌ今気付いたやったヌ五人のむケメン蒟蒻者地獄を回避出来たのだ䜕だヌ、良かったじゃん、垃斜。ツむおるツむおる。
理恵子殿
出䌚いの顛末たで
蚀うおたもれ
ふずさっきのかぐちゃんの顔ずメッセがわたしのノヌリに浮かびたした。簡単に蚀っおくれるよなぁ、もヌ。慶子に物蚀うのっお倧倉なんだぞう。䜕か気に障っただけで、ミャヌッっお来るんだから、ミャヌッっおでも蚀わなきゃなぁ。ツラい、クスン。
「あ、あのう、䞉田さヌん」
恐々。でも悪倢の五人のむケメン地獄をアむディアで乗り切った、結構、匷気もない事もなさげ、である。り゜。やっぱこえヌもんはこえヌよう。
「あんドリフっぜい求婚者達か でも理恵子ヌ。ここむケメン達にドリフっぜくやっお貰ったら、いいんじゃね」
カタカタカタ 人の呌び掛け、党く聞いおたせんね、ミケ。んで ダバいちょっずちょっず䜕でシチュ゚ヌション、むケメン地獄に戻すのよヌ嫌だっおでも ここは䜜戊だよヌし。
「あのね、ミケ。わたしの芋た倢のね、最埌はね」
ピヌンず逆立ちたしたこの子の耳が
「あんんで、理恵子、倢ん䞭でどヌなったの」
わたしの足元でツマミ狐がハッハしおるコヌフンすんなわたし、今䞀生懞呜話そうずしおんだから
「゜フトクリヌムをね」
そこでギクッずした。その埌、わたしは慶子ずお別れをしたのだ。わたし、䜕か涙が出お来そうになりたした。
䜕で、慶子ずお別れしなきゃならないの
ねぇかぐちゃん
あなた䜕か知っおるんなら教えお
そしお倩囜のブルトン様䜕か知っおるんだったら、教えおくださらない
䜕も答えは返っお来たせん。圓たり前っかぁ。答えは自分で探しなさいっお事。うん。わたし、それ、スッゎくよく刀っおる぀もり。
「子䟛のかぐちゃんず䞀緒に食べたの。んでね、゜フトクリヌムを持っお来たのは ミケ」
ミケ、キョトン。あヌ、蚀っちゃったぁ。
「わたしも出おたんか、理恵子の倢に」
カタカタもやめたした、䞉田慶子。
「そうそうなの慶子も出お来たのよヌ」
んでも、わたし、はい、こんなわたしでも刀りたした、ミケずの悲しいお別れがあった事、これを蚀っおはならない事。だっお、これを蚀っおしたったら 䜕だか本圓のお別れみたいになっおしたわない嫌絶察嫌ですそんな事
ブルトン様あなたなんお酷い本を䜜るの
『倢の䜜甚に関しお結果ずはどうでもいいものだ』
かぐちゃんあなたは䜕か蚀う事ないのもう
『倢なんだから、あんたりドノコノ考えないの』
そうなんですかねヌ。うヌん。
「んで、理恵子の倢ん䞭のわたし、䜕か蚀っおた」
ミケ、興味接々。でもわたし、クヌルに。
「ううん、゜フクリヌムわたし達に持っお来お、どっか行っちゃった」
こうキメた。恭子さんばりに、です、はい。
「そう 」
ミケの声、䜕だか残念そう、けれど䜕か考えおそう。銖をゎロゎロ暪に振っお、たるで本圓に猫みたいでした。
それから、どれくらい時間が経ったか
二人殆ど䌑たず。ずっずミケのカタカタを聎き続け。わたしは䜕ずいうか、蚘憶蚘憶を掘り起こす様に話し続けおいたした。ミケはわたしのその倢蚘憶それを忍耐匷く聎き取りながら、それをずっず文曞にしたり、ちょっずした図の様な物を䜜ったり、を続けおいたした。
わたし、疲れた頭で
たるで癜衣を来た猫ちゃんに
カりンセリング受けおいる
錯芚空想
浮かんでいたした
これはこれで䜕かに䜿えそうだぞう、うヌん。ずか䜕ずか。わたし自身もぐうたらっ気を远っ払う様にしお頑匵っおたした。
ハタず、暪を芋るず、ツマミ狐がハッハッおゞャンプしたり。遊んで欲しヌんだな。でも、今はダメ理恵子もマゞなんです。はい、そうです。
「でもさ、理恵子。あんた、これ、本圓にずっず䜜りたかった映画なの」
「えうん」
珍しくゲッの出ない垃斜理恵子。぀たりくたびれ果おおいたんですね。でも䜕ずっず撮りたかった䜕を
「本圓」
ミケ、頭掻く。疑っおるな よし。
「うん。だっお曞き溜めおたシナリオあるもん」
次、想像を絶する事が。
「オメヌは䜕で今たでそれを出さなかったんだヌ‌」
バンっず䞡手でテヌブル叩いた䞉田慶子。垃斜理恵子、硬盎。䞀瞬で氷に。
「いヌ加枛にしろわたし達、恭子さんちから垰っお来お今たで䜕やっおたんだおか、わたしバカみたいお前はいヌよでも、わたしの時間ず劎力、返せヌ」
凍り付いたわたしの目からホロっお涙が。
「ご、ごめんね。ミケ」
涙がテヌブルにポタリ。
「いヌや違ったわたしずした事がそこんずこ考えずくの忘れおた」
ミケ、拳をグッず握りたした。
「ご、ごめん。本圓に」
するずミケ、髪を前から埌ろにズッずたくし䞊げるず。
「理恵子、それ゜ッコヌで持っお来お。゜ッコヌで」
スゎい、ミケ、䞀瞬で冷静になりたした䜕お匷い子なのわたし、口開けっぱなしで呆然ずしおたした。
「聞こえおる゜ッコヌで持っお来お」
「は」
わたし、急いで曞き溜めを仕舞っおある所にダッシュしたしたでも、聞いおミケ。ホントはね、芋せたくなかったの。これはこれで、材料っ぀ヌか䜙り材っ぀ヌか。蚀わなくっおもいっかっお思っおた。ミケや皆んなず䞀緒に䜜っお行ったほヌがいヌなヌ、みたいな。おか、どこだどこだないない捚おたマゞ勘匁キャヌッ出お来おっおツマミ狐が偎寄っお来たお前はいいの

1/12

「ああったヌ」
思わず声を䞊げたした。その声にびっくりしお、ツマミ狐、逃げお行きたした
「ねヌミケミケあったあったあったよヌ」
そのキッタねヌノヌトをミケのパ゜コンの暪に眮きたした。ドサッず眮くずモワヌッずワタボコがフワフワずその䞭の䞀぀がミケの錻の䞋にダバッ
「ックシュンええい」
ミケ、パッず手でワタボコ払うずわたしの事なんか䞀切芋ずにノヌトを開き始めたした。ホヌッ良かったヌ。怒らなかった。

しばらくミケはわたしの曞き溜めを読み続けおたした。

わたし、お腹は枛っおたけどミケに怒られそうだったので我慢しおたした。

どれくらいの時間が 

ん䜕か聞こえる。聞こえるな䜕よヌ、わたし今我慢しおんだから、お腹空いおるの。え䜕うるさいなヌ、もヌ。

「理恵子ヌ起きろヌ」
「えは、はヌい」
ダバッ、萜ちおた。たたしくじった
「うんうん。読んだ、党郚読んだ、゜ッコヌで。お前がマゞで考えおたっお分かったこれを持っお行けば、䜕だヌ恭子さんにあんな催促されなかったぞう、理恵子ヌもヌ」
ミケ、目の䞋にクマが。
「あ そう」
わたし、疲れもあったけど、䜕かこう、䜕ずも蚀えない気持ちでした。

わたしの原案、本圓の原案、初めお人に芋お貰った 

「どうかなぁ」
わたし、俯いお小さな声でミケに蚀いたした。
「どうかなも䜕もないよ理恵子、もうこれで行くしかないの良いも悪いも、今はもうないのけどね、うんやっずわたしにも芋えお来たぞう理恵子、䜕でわたしにもっず早く芋せおくれなかったの」
ミケ、髪がマリモみたい。フワフワでモシャモシャで。゚ヘヘ、䜕か倉。でも。
「あ、ありがずう。ミケ」
わたし、コテンず䜓折り畳みたした。涙もたたポロ。
「゚ヘヘ、うんでもさ、お前が蚀わねヌで隠し持っおたの、返っお良かったかも」
「えっ嘘」
䜕でミケ。
「お前の頭ん䞭でゆっくりずお姫様ず䞖界芳が倉化しおんのうん。だっおさ、お前のこのノヌトん䞭にはピンクの竹は出お来おないもん。だからさ熟成しおんの、きっずうん」
「じゅ、熟成ですか」
䜕か焌いおるりィンナヌの映像が浮かんだのはなぜテレビのCMかモクモク煙出お、ゞュヌゞュヌ焌けお。っおお腹枛ったヌ
「ミケ䜕か食べようお腹枛った」
わたしが珍しく叫んだ、半分怒っおあり埗ない、けどお腹枛ったするず。
「うんそうねピザ頌むかでも今䜕時」
二人、壁掛け時蚈芋るず、午前3時うヌんりィンナヌ、レヌゟヌコん䞭にあったっけ岩窟王のモンテ・クリスト䌯みたいにレヌゟヌコ開けるず、むェむありたしたヌ
「ミケこれ焌くよ」
「オッケヌ」
やっず噛み合っお来たぞフセミケ

1/14

わたし、キッチンに立ちたした。そいで、キャベツずにんじん切っお、そいでパンは 
「ミケ、パン焌いお」
「オッケヌ」
ミケ、パン焌く係、兌たたカタカタ始めた。垃斜はトントン野菜切る。うヌんお腹枛ったお野菜切るのに異垞に力が倚分、目も血走っおた。怖かったよ、倚分、そん時のわたし。

カチッ
バッ
ゞュヌゞュヌ
カッカッカッ

焌けろ、焌けろヌこのういい感じで焌けろヌ塩、パッ胡怒、ガリガリッえいえいえヌい
「出来たよヌミケ、パ゜コンやめ食べよう」
「あんパンはオッケヌだから」
ミケ、既にバタヌヌリヌリしおたした。䜕か涎垂らしそうなだらしない笑顔のミケ。なヌんだ、この子もお腹枛っおた蚳そうだよねうん
わたし、りィンナヌの炒めもん皿に分けお出したした。そしお箞。焌けたパン、ミケから貰った。ありがずヌ

ムシャムシャムシャ 

蚀葉、無かったです、はい。モクモクずモグモグっおたした。
「飲み物、䜕か出す」
「あんうん。氎かお茶がいい」
「オッケヌ」
わたしレヌゟヌコからお氎出しおグラスを出しお、んでミケのグラスに泚いであげたした。
「あんがず」
「ううん」
そしお食べ続けたした。
「あ、焌きそばにすれば良かった」
わたし、ふず。
「あん、いいよ、もう。あんがず。んヌ、ちょっず萜ち着いたヌ。ねヌ、理恵子。これ圢、䜕ずかしたら、んで、朝になったら食べに行こヌね」
ミケ、お氎飲む。
「そヌねヌ。うん、そうしよヌ」
わたしもお氎。でも、お氎じゃあちょっずなぁ。
「ミケ、コヌヒヌかお茶䜜るよ」
わたし、もう立っおたした。
「あんうヌん、あんがず」
「どっちがいい」
「コヌヒヌがいい」
ミケ、ニッコリ。うん、ペシ。わたしもコヌヒヌが良かったの。
ミケ、パ゜コンは匄りたせんでしたが、パネルから目を離したせん。うヌん、この執念
「ねヌ、理恵子」
「うヌん」
わたし、ケトルから目を離さずに返事したした。
「あのさヌ、わたし、これ預かっおさ、仮綎䜜っからさ、あんた、軜尟さんの所には人で行っお」
わたし、ちょっず考えたした。そしおミケを芋お蚀いたした。
「うん、そうねぇ。その方がいっか」
するずミケ、コクンず頷きたした。
「埌ね」
「なあに」
䜕だろな あ、お湯沞いた。コヌヒヌ、コヌヒヌ。

1/17

「うん、わたしその仮綎䜜っお高間さんんトコ持っお行く。ちょっず理恵子に芋せる時間、マゞねヌかも」
ミケ、少し俯きたした。
「ミケ、䜕そんなの党然ダむゞョヌブだよいいよ、ミケ、進めお」
わたし、笑っちゃいたした。
「だっお、理恵子の本なのに」
ミケ、口を窄める。䜕䜕䜕
「えヌ䜕蚀っおんのヌ、ミケ。んなの、わたしがサボりたくっおたのが党郚悪いんだし。ミケが䞀生懞呜取り戻そうずしおくれおるんだから、わたし、䜕も蚀う事ないよヌ」
゚ヘヘ、良い事蚀ったでもチョッピリ高間さんずかず話すの面倒くせヌ、ずも思っおたしたです。
「いいの」
「いヌよヌブむブむ」
サむンはブむです、ブむこないだ昔のドラマやっおお、それ受け売りたした。
「よヌし、わたし、責任重倧だヌ頑匵んなきゃ」
「頑匵っおミケわたしも頑匵るヌそうだな、軜尟さんに䌚ったら、怎サマや恭子さんずももっず話さなきゃ」

でも久矎ちゃんじゃない

サッずその䞍吉なワン・フレヌズが過りたした。䜕でこんな時にやっずフセミケのコンビが噛み合っお来たっお時なのに
「軜尟さんにはわたしが電話しずく」
ミケ、そう蚀いたしたが、わたし血盞倉わりたした。
「ダメダメミケ、それはわたし自分で電話するミケはミケの事にシュヌチュヌしお、集䞭」
あれ立堎逆転したた、いっか。
「倧䞈倫ちゃんず時間間違えずに軜尟さんトコ行ける」
なヌにヌこの子シッツレヌしちゃう
「えヌ行けるよヌ倧䞈倫だよヌ。それぐらい」
わたし、ちょっず怒っお蚀いたした。
「そんなんで恭子さんずの埅ち合わせ遅刻すっから怖いっおの、マゞで」
あ たたい぀ものフセミケに戻っちゃった。シュン。コヌヒヌ、ズズッず啜るミケ、クヌルです。そしお、たたアホみたいに口開けっぱの垃斜、マヌケです。でもぞこたれんな垃斜理恵子
「倧䞈倫倧䞈倫今床は絶察遅刻したせんからはい」
ミケ、サッず流し目したした。
「あん、刀った。埌、そヌだなヌ、なヌんか疲れドッず来ちゃったね。もうこの蟺でやめずこっか」
盞圓疲れおんのね、ミケ。疲れさせちゃっおごめんね。でも、わたしも盞圓キおた。食べ終わっお、䜕だか頭働かせたくなくなっちゃった、おか、できねヌ。疲れおんの、やっぱ、わたしも。
「わたし、始発で垰る」
ミケ、疲れおはいたしたが䜕か爜やかに蚀いたした。
「そうね。ありがずね」
わたし、心からそう蚀いたした。
「もうちょっず、理恵子のコレ」
ミケ、数冊の『かぐや姫』原案に手を乗せたした。
「読んでね、そんで」
ミケ、じっず原案を芋お䜕だか笑い含んだ顔しおたした。笑いっおより、嬉しさ刀りたせん。でも、わたしにもその思い、䌝わっお来たした。
「『かぐや姫』、始めよう。撮圱、始めよう」
わたし、ずおも嬉しくなりたした。
「うん。頑匵ろうね。ミケ」
わたしのかぐちゃん。倢の䞭でかぐちゃんの頬に觊った時の感觊がこの手に蘇っおいたした。

1/19

朝が来たした。ミケずお別れ。
「じゃあね、理恵子。軜尟さんずのお話、お願いね」
「うん任せお」
わたし、䞡手を合わせおお腹のトコにおいお䞁寧に蚀いたした。ミケ、プッず吹き出したした。
「あん。たた電話するね」
「うん。じゃあね。気を぀けおね、垰り道」
わたし、姿勢を綺麗にピンず身䜓を䌞ばしお蚀いたした。たたミケ、プッず吹き出したした。
「あん」
ミケ、ずうずう垰っちゃった。䜕か寂しいな。うん、でも次だ今日軜尟さんず䌚うのよ遅刻せずにでもその前にひず眠りしよ。ハァヌ、ねっむヌい。

マダム

はい

あらやだ、ブ、ブルトン様キャヌッ超ステキヌこんな超近接でわたしが寝っ転がっおるすぐ暪、枕元にブルトン様が䜕これシチュ゚ヌション、シンデレラなんですけどダッバこの歳になっおもシンデレラの倢芋るんですか女っおえヌ、そうです、そうですよヌ女の子は幟぀になったっおお姫様なんだぞう䜕か文句あっかっお、でも超近接ブルトン様、マゞダバい。カッコ良すぎ

時間は䜙りありたせんよ

えええ、そうですわね

゚ヘヘ こんな倢、滅倚に芋れねヌんだから䌚話匕き䌞ばすゟ

マダム時間がありたせんよ

えそうだったかしら。ホホ、そうねぇ、もう少し眠っおいおは駄目かしら

マダム、いいですか決しお他の誰にも蚀っおはなりたせんよ

ゲッじゃなくおえ䜕かございたしおムッシュヌ

この映画のプランセスずなる人は、真実のプランセスは、確実に存圚しおいるのですよ。マダム、その人はある呜がある人の内に宿った時に、マダム、あなたの元に来る事でしょう

えどういう事ですのムッシュヌ。

するず、䜕ずブルトン様、わたしの額にキッスしたしたキャヌッ思考回路厩壊状態䜕だか刀んねヌけど、倢から芚めたくなヌい

倢から芚めたくないよヌ

バッず起きた垃斜理恵子額に手を圓おる。え嘘おか倢本圓なんですかっお珟実じゃねヌ。シュン ぀たんないのヌ。ずずずダバい急がなきゃ時間はアハハハ、なヌんだ。ただ10時。でももう支床しなきゃ軜尟さんに䌚いに行くのだでも䜕だヌ、も少し倢芋おおたかったなヌ いけねいけねダメダメ、駄目だわたし、甘い倢の名残りを、頭を暪に匷く振っお振り払いたした。
軜尟さんに䌚っお、『かぐや姫』のお話するぞヌ

軜尟さんちのピンポンを抌したした。やっお来たしたです、はい。時間はええ倧䞈倫絶察遅れたりすっぜかしたりしたせんでしたよ
「りえちゃんお久しぶりよく来たね」
軜尟さん、自ら迎えに出お来おくれたした䞀䜓どんな身分なんだ、わたし。
「お昌は食べた」
「え ただ 」
狙った蚳じゃありたせんよ。お昌抜きで来たしたです。けど、頭のスミでチラッず思っおいた事は事実でヌす。軜尟さんちでお食事頂けるかもっお。゚ヘヘ、わヌい、やった。
「そうじゃあ食べ物も、うん。がかぁただなんだ。䞀緒に食べよう」
「あ、アリガトゎザむマヌス、ホホホ」
口の䞭、唟湧いお来た。超セレブのお宅のお食事。゚ヘヘ。あっずむケネ違う違うお食事に来たんじゃねヌんだから気を匕き締めろ垃斜理恵子

1/21

案内されお食卓に。盞倉わらずゎヌセヌだわヌ家に垰りたくなくなっちゃう。おっず違う違う意識を散らすなダメダメダメダメっお思いながら、でも豪華な蚭えにポケッずしおしたう。どヌしたらいいのあら奥様久しぶりでございたす頭、ピョコンず䞋げ。
「りえちゃん。久しぶりヌ」
奥様、手ヌ振る振り方がもうセレブ。鎖骚の蟺りでサラサラっお手ヌ振る。そんで、盞倉わらずお矎しく。最初もそうだったもん、りチ垰っおから鏡芋た時の敗北感。しばらく立ち䞊がれなかったな あヌダメダメたた違う事考えおる
「たあ座っお」
旊那様、奥様ほが同時に。オホホ、では倱瀌オホホ、ケッコヌな気分ザマス事っおダメだかんな、あんっおミケの声が。刀っおマスヌ頑匵るぞ
「あの、その、はい」
もうこっちから切り出すぞ
「ん」
軜尟さん、䞡腕立おおテヌブルに、んで重ねた䞡手に顎を乗せた。キマッおるぅ。顔がくたプヌみたいだから、笑顔もハチミツ味あヌ、お昌、ハニヌ・トヌストにしお䞋さらないオホホ。心ん䞭で。っお油断すんな。
「あの、ですね、はい。ワタクシこの床」
「結婚かな」
「ゲッ」
返しで斬られたグワッ
「ちちち違いたヌすやヌだヌ、軜尟さん゚ヘヘ」
ワタクシ、お口に手を圓おおオホホ。違いたすわよ、冗談キツいんだから、旊那様。オホホ っおぞこたれるな垃斜理恵子
「あなた、それ良くない冗談よ」
奥様、隣で。オホホ、助け舟出しお頂けお䜕だか嬉しいわ。ね足元のツマミ狐の銖を撫でる。撫でお自分の䞀杯䞀杯のココロを宥める。あヌ、䜕かコむツにも名前付けなきゃ。よく出お来るわねヌ、あんた。ツマミ・キツネかぁ。コンコン。思い付かない、いい名前。っおダメだたヌた倉な事考えおる
「そっかぁ、ごめんごめん、りえちゃん。気に障った」
「゜゜゜・そヌんな事あヌりたせんよヌオヌッホッホッホ」
やだ、ねえお前ねえ軜尟さんに䜕蚀われたっおねヌオヌホッホッホ
「それで」
軜尟さんの優しい目が。ハッはいです
「゜・そヌなんです、実はですね、はい。この床、ワタクシ、新䜜映画を䜜る事になりたしお、なんです」
よくぞ蚀った垃斜理恵子んで、こっからなの、うん。こっから。だっおはっきり蚀っおおねだりしに来たんだもん。嫌だなぁ、映画䜜るのっお。䜕か、ズルいよなぁ、わたし達。
「どんな映画」
軜尟さん、腕のピラミッド厩さずに垃斜に尋ねたした。あら、奥様も暪にチョコン。座った。足元のコむツ、ハッハッ始たった。お座りもうするず䜿甚人の方がお茶を持っお来おくれた。アリガトヌ。いっただきたヌす。ズズッ。っお、二人の目が。き、気たずい。ねえ、ミケ。このシヌン匕っ匵るすぐ繋いだ方がいいどっちめですかヌ
フィヌンミケにも来お貰えは良かった

「゜゜゜、それはですねヌ」
お茶碗持ち䞊げおあらぬ方を芋る。぀たり匕っ匵っおたす
「䜕だ、勿䜓ぶるなぁ、りえちゃん。早く教えおよ」
軜尟さん、お茶碗持぀。奥様、ずっずこっち芋おる。その䞍適な笑みが怖いのあれ䌌た様な笑みする人がいたなっお恭子さんだぁ 

フセリ゚さ、マゞ、トロ過ぎ

奥様の顔ず恭子さんの顔がダブったあ はいお茶碗眮く
「は、はいかぐや姫でヌす」

かぐや姫⁉

倫婊二人で声揃ったわヌい、びっくりしたヌね凄いでしょね芳たいでしょ
「わぁ、驚いたなぁ。かぐや姫りえちゃん、今床は埡䌜話に挑戊かぁ」
軜尟さん、奥様を芋お朗らかに。䜕か、シアワセヌ。うんらやたしヌ。奥様、軜尟さん芋おニコニコ。わヌい、奥様も嬉しそう。うんうん、いいぞう。
「はいですかぐや姫なんですそうです、はい。それで今、䌚瀟の方ずも打ち合わせ、沢山しおたすです」
「ああ、そう 䜕だ、もっず早く蚀っおくれたら良かったのに」
軜尟さんの笑顔は焌けたトヌストの様に䌞びやか。うんうん。いいぞう。
「そいで 」
ダベッ、普段蚀葉出ちゃったテヌネヌにテヌネヌに
「ん䜕でも、協力しおくれっお事だろううんうん。りえちゃん達のかぐや姫なら芳たいよ。がくに出来る事なら蚀っおね」
倩䜿が 皆さん、ほら、倩䜿が。このくたプヌの埌ろに埌光がホワヌッお。そいで、倩䜿達が わたしには芋えたしたはいわたし幞運過ぎお死にそうその暪の奥様、もうマドンナですね。もう。こんな䞖界あるんですか

それを切り取りなさい
絵にしなさい
マダム

䜕ですか今、ブルトン様の声が聞こえた。気のせいっお䞋芋たら、ツマミ狐がわたしを芋䞊げおる。お前が蚀った蚀ったのそんで、お前の口はブルトン様の口ず繋がっおんのそれずもお前こそが、わたしの䞖界ずブルトン様やかぐちゃんの䞖界を繋ぐ、䜿者䜿者なんですかだったらもっず倧事にしねヌず
「かぐや姫挔じるの誰なの」
軜尟さん。
「ははヌい久矎ちゃんでヌす」

頭ん䞭ピカピカ。もう倢の倢、そりゃあブルトン様にキッスもされるわ、ダハハ。
「久矎ちゃんいいね」
軜尟さん、もう久矎ちゃんの倧ファンだもの。嫌がる蚳ありたせんもんねヌねお前。コンコン、今床はお前のほっぺツネっおやろっか
「 」
あれ奥様、無蚀。埡機嫌悪くなっおしたったかしらダベヌのだでもうっすら笑っおたす、はい、ただセヌフですよヌねお前。
「䜕だ、ならもう『フルヌトず私』だね。でもりえちゃん、あんたり同じの䜜るのはいけないよ。ねえ、がかぁさ、やっぱり新しい物みたい。ねえ、りえちゃん。でもな、うヌん、かぐや姫か どんな颚に撮るの」
くたプヌ、デレッだらしない顔でもあれですね、その、䜕か空想のお話っお、童心にモドりたせんねえお前。そうそう。くたプヌの顔、だらしない、はテヌセヌしたす。男の子の顔にモドっおたの、ねえお前。
「どんな颚になるかは、はいお楜しみにヌでヌす」
どこのお笑い芞人だでもあんた倧差ないな。たあいいや。だっお楜しいんだもん。
するずお食事、運ばれお来たした。はい、セレブです、セレブんちです。運ばれお来たした、はい、食べ物が。でもその時です。䞀人の女の人が、お食事ず䞀緒に入っお来たした。

䌌おる少し䌌おる

軜尟さんちのお嬢様あれ随分䌚っおなかったねえ倧っきくなったねヌっおか、もう立掟なレディヌです、レディヌそしおくたプヌの方にそっくり。䜕か衚情が䌞びやかで、少しテレンずしおる。く・く・久矎ちゃんより、かぐちゃんのむメヌゞにピッタリヌダバッどうしようねえお前 っおハッハッが始たったダバいよヌもう久矎ちゃんで決たっおんだからヌ
「垃斜さん、お久しぶりです」
「真矎ちゃん、久しぶりねえ」
忘れおた、名前曞くの。軜尟真矎ちゃんでヌす
「䜕のお話」
ワクワクっお顔もう半分くらい知っおる癖にねえもう、お前。っおハッハッやめない。軜く頭叩いお鎮める、ず。
「りフフ、映画のね」
オホホ、ず口を手に圓お。ホホホ うヌん、かぐちゃんに近い真矎ちゃん、かぐちゃんやっおみないっおカルヌく蚀えたらなぁ。
「えヌ䜕の映画ですかヌ」
笑顔が玠敵。真矎ちゃんが玠敵っお蚳じゃありたせん、はい、䜕か笑顔っお玠敵。ねそうだわたし、この『かぐや姫』で皆んなを笑顔にするのよヌしやる気出お来たっお今たで無かったのかりルセヌ、ほっずけねえお前。コンコン。

「それはね。かぐや姫でヌす」
真矎ちゃんだず䜕かキンチョヌしない垃斜理恵子。䜕故なんだでも䜕かフツヌに話せたした。
「えヌかぐや姫ヌマゞヌ」
真矎ちゃん、胞元で小さく拍手。えヌそう芳たいねヌ、理恵子の䜜る『かぐや姫』、芳たい゚ヘヘ。
「䜜るの倧倉じゃないですかヌ垃斜さん、スゎヌむ」
ちょっずトゲが 䜜るの倧倉えヌ、倧倉ですよヌ映画䜜んの、ずっおも倧倉ですよヌずっおも倧倉、ずっおも倧倉 ミケの顔が出お来た。ああ、恭子さんの顔出お来た。ああ、怎サマも、ああ、高間さんも。ここから出たら、たた皆んなに远い詰められる。もヌこっから垰りたくないよヌ
「うヌんダむゞョヌブ今回もね、皆んなスンゎむやる気なんだから」
シツボヌさせない、はい、わたし監督ですもの。ここは頑匵る。はい
「さあさあ。食べよう」
軜尟さん、促す。おか自分がお腹空いおたんじゃねでも助かった、ふヌ、食べよう食べよう。

食べる、食べる
ニコニコ、モグモグ
結構なお味
ねえお前
でもお前にはあげなヌい
ザマみろ
あ、でもコむツの口は確か
ブルトン様ず繋がっおた
じゃなきゃ、あげないず 

ゆっくり食べたしょう

䜕かそんなフレヌズがナペナペ棚匕いおたした

開き盎っお、ゆっくりゆっくり

「うヌん、じゃあただただ始たりの段階なんだね」
軜尟さん、口をナフキンで拭き拭き蚀いたした。
「えっええ、実ははい、そうなんです」
わたしも口を拭き拭き、持っお来たハンカチで。オホホ、持っお来おお良かった。
「たずは久矎ちゃん。うん。芳たい。うヌん、たた䌚いたい」
軜尟さん、ニッコリ。
「えヌかぐや姫挔じんの、久矎ちゃん束浪久矎ちゃんえヌチョヌスゎヌむ」
興奮する真矎お嬢様。えヌそう久矎ちゃんでそんなに嬉しいやっぱ久矎ちゃんに力、凄い。改めお。たあ、このくたプヌんちの皆んなが久矎ちゃんのファンっお事もあるけど。ミケの県力に脱ボヌ。はい、あの闇に光るギラギラお目々、はい、怖いです、けどミケ、ナむス・チョむスのグッゞョブです
「でも真矎ちゃん、䜕か、この時代の衣装、着おみたくない」
䜕を思ったのか垃斜理恵子䜕蚀っおんのヌバカバカバカわたし、ふず蚀った事、゜ッコヌで削陀したかったけど既に時遅しゲンゞツはスマホのタップでポンッず削陀出来ねヌのだ

「えヌ䜕゜レヌわたしも映画に出しお貰えるっお事嘘でしょう冗談でしょう」
真矎ちゃん興奮
「それはそれはりえちゃんダメだっお」
軜尟さん。
「りフフフフ」
奥様、お口に手を圓おお。どっちなんだろ真矎ちゃん、映画に出おみる軜尟さんず奥様はオッケヌ
「゚キストラりフフ」
奥様、笑い続ける。満曎じゃあありたせんねねやったヌ蚀っおみるもんだっお自分で意思持っお蚀った蚳でねヌけど。真矎ちゃんがちょっず偎に、スクリヌンのちょっず䜕凊かに映っおるだけでも違うかも。

違う

え誰ですか
ブルトン様

違うっお男性の声で聎こえたした。勿論、わたしにだけ。

えそれっお真矎ちゃんで『かぐや姫』行けっお事ですかちょっずテヌブル䞋の狐を芋たした。するず、アむツ、もういたせんでした。

いたせんでした

そしお、サヌッず颚が。そう、倢で芋た竹林で感じた颚が。頬を。

違う䜕が違うの

わたしの觊ったかぐや姫は
真矎ちゃんでもありたせん

解答

䜕お冷酷な䜕かわたし、ンゲヌ詊緎に立たされおる

じゃあ正解は

久矎ちゃんでもありたせん

では

軜尟さん達の笑顔がたるで映画のスクリヌンに映っおいるみたいに冷たい。

わたしがここにいない

䜕故

"真理ずは自動的に珟れる。故に、こちらから探そうずしおも芋぀からないのだ"

わっびっくりした耳元でブルトン様のお声おかわたしの背䞭に狐が捕たっおたす。ダバいダバい振り解けない狐、隠す為に背をピヌンず匵りたした

「軜尟さんが駄目っおったら駄目ですけど」
わたし、真矎ちゃんを芋たした。ずおも含みのある目で。䜕これわたし、わたしを制埡しおないです、はい。ただ肩に捕たっおる狐を隠すだけで粟䞀杯するず真矎ちゃん、俯いおしたいたした。でもね、顔が笑っおるんです、ええ芋逃したせんよヌ、垃斜理恵子は
「駄目も䜕もなぁ。だっおりえちゃん、真矎はこれから留孊するんだよ」

ドッシャヌン
昔っぜく蚀うず 

ガビヌン

 ゚モいはい、珍しく、激レアな垃斜理恵子のやる気先走りモヌドが゚モくも、いえいえ脆くも厩れ去っお行きたした、䞀瞬で。くたプヌの䞀蚀で。気を取り盎しお行こヌねブルトン様

真矎ちゃんただ俯いおたすが、ニダけおたす。出おみたいうんそうでもリュヌガクじゃあねヌ、しょヌがないもんねヌ。それは垃斜にも䜕ずもしおあげられたせんもの。
「りフフ、良かったねヌ、マミ。お誘いだけでもねヌ」
奥様、カップにスプヌン立おたしおクルッず䞀回し。䞀番満曎じゃなかったもしかしお
「うん」
真矎ちゃんも䞀぀コクッず頷きたした。そっかヌ、残念だなヌ、垃斜理恵子監督は。ねヌ、無理撮圱の時だけ垰っお来ればいヌじゃんねでも、いっかヌ。しょヌがない。もうやめた。いヌじゃん、やっぱ久矎ちゃんで 

駄目だ

りルセヌなヌもうお前、もう背䞭から離れおよう理恵子のお願いねあ、でもダベッ声のヌシ、ブルトン様だったんだ嫌われちゃうそれは絶察ダメですよう理恵子を嫌いにならないで
「たあ うん。そんな話も、うん。でも、ただただ始たったばかりなんでしょう、りえちゃん。なるべくがくらぁ、聞かない様にしたいな。出来䞊がった物芳る楜しみはずっお眮きたいよ。なぁ」
くたプヌが奥様に促し、奥様は無蚀の笑顔で同意。真矎ちゃんも。あ、ちょっず真矎ちゃんず目が合った。したら、この子ベロ出した。しゃヌない、しゃヌない。しゃヌないダンケ。゚ヘヘ。
「は・はヌい」
お返事だけは䞀人前。
「たたね、『フルヌト』みたいな物をさ、うん」
「は・はヌい」
今床はちょっずガッカリめでお返事。これがチッず蟛い。ずっずずっずずっずわたしっおこれ蚀われおんの。『フルヌトず私』みたいな物、期埅しおたすっお。んでその埌に䜜ったや぀、悉くヒョヌカされないの。これがムショヌに悲しい。だっおどれも䞀生懞呜䜜ったんだよけど、皆んなザンコク。えヌ、ずっおも。はい。愚痎です。けど、ずっずずっずずっず久矎ちゃんずフルヌトがわたしの回りで垞に螊っおるの。それはそれは楜しそうに。けど。けど。そしお、軜尟さんも、い぀もそう。二蚀目にフルヌト、フルヌト。でもそん時、『フルヌトず私』の話をする軜尟さんの顔はずっおも華やぐ。いっ぀もいっ぀も、い぀たでもい぀たでも、『フルヌトず私』の話をする、したがる。ずっおもずっおも愛されお、幞せな映画だけど、けど、わたし、ああ、この映画を憎んでんのかなわたしが、ううん、わたし達が撮ったのに。そしお、わたし達の手から離れた、わたし達の映画がわたし達から離れたその時、そう、そうなの䜜品っお手から離れた時の実感おあるの信じられるあったの少なくずも、わたしにはあったそしお補䜜者から䜜品が離れた時、それはもう悲しさ、切なさ、そしお応揎 応揎
たた、ただ、くたプヌが『フルヌトず私』の話しおる。ケッコヌ奥様も真矎ちゃんも飜き飜きしおる。そんなの構わず話すくた。刀っおお話し続けおんのかなわたし、それをずっず盞槌打ったり埮笑んだりしお聞いおあげおたした。

えお母さんみたい

映画䜜品のお母さんではあるかも知れたせんけど、このくたプヌのお母さんになる぀もりはモヌトヌありたせんでしたですよけど、軜尟さんに限らず、皆んなそうなの。わたしの『フルヌトず私』を愛しおくれた皆様は、いっ぀もワタクシ垃斜理恵子を捕たえお、い぀たでもい぀たでも映画の話をするの。わたしはその床に、その人達のお母さんみたいになっお聞いおあげるの。

今床はかぐちゃんのお母さんになるの

くたプヌの話を右から巊に流しながら、決意を新たにしたしたですぞヌ

1/25

「理恵子」
「は、はヌい」
ミケ電でしたです、はい。䜕だよヌ、今床は䜕の事で怒られるんだろ
「今からそっち行くかんなあん」
「は、はヌいお埅ちしおおりたヌす」
拒吊も䜕もあったもんじゃありたせんでしたです、はいダッバいな、ミケ、ンゲヌ燃えおる。ダバいよ、絶察怒られるでもねヌ、こっちにも良い話があるんだヌねコンコン狐たずヌ、軜尟さんの党面協力オッケヌ貰ったのヌむェむこれが目に入らぬかっおねぇ、もう軜尟さんのカオ、チラ぀かせれば高間さん達皆んな黙っちゃうんだからねぇお前。はヌい、ラッキヌですよヌ垃斜理恵子んでね、も䞀いっ個。
軜尟さんちから垰っお来たわたし、゜ッコヌでパ゜コンに向かいたしたのです、はい、マゞで。そんで、ラストシヌンのオペラ仕立おの構想を進めおたのどんなんなるかはただ曞きたせヌん゚ヘヘ。そん時に恭子さんから電話来た。ダッベ超怖いんですけど
『フセリ゚さぁ、『かぐや姫』の竹林のロケ地、䜕か候補地あるの』
『えっコヌホチですかヌただでヌす』
恭子さん、溜息。
『あのさぁ、ワタシ探しおみたんだけれど、ずっおも栌匏のある、歎史も叀い竹林芋぀けたの。それでね、ワタシ、アポ取ったらさぁ、オッケヌ出お。どうフセリ゚的に』
『フセリ゚的にも䜕もありたせヌんオッケヌでヌす』
もうバカですね、バカ。垃斜理恵子。シュン。
『あらそうじゃあさ、芋に行っおみない䞀緒に。奈良にあるの、そこ。あずそうそう竹林、党郚セットで撮るっお蚳じゃないよね』
『はいはいはヌい党郚セットじゃないでヌす』
䜕も考えおなかった。いえいえいえ䜕も考えおなかった事もありたせんでしたですだっお最埌のシヌンは党郚セットじゃねヌず出来ねヌもんです。
『良かったヌ。うん、じゃあ䞀緒に行こうね。ミケも来るかなぁ』
䜕か楜しそう、二階堂恭子さん。゚ヘ、わたしも䜕だか楜しくなっお来たわヌい旅行よ、リョコヌむェヌむ
『あ、じゃあミケ、誘っおみたすです、はい』
『そう先にあなたに電話したからさ。埌でミケも誘っおみようっお思っおたんだけど。じゃあ、お願いね。あ、シヌコも来るかなぁ聞いおみよ。いいよね』
『はヌいオッケヌでヌす』
『りフフ、うんじゃあね』
『はヌい』
プツッ
恭電、終了。ダッタヌ皆んなで旅行するのむェヌむ

1/26
ピンポヌン
あヌ ピンポンの音たで燃えおたす、䞉田慶子。ハァヌ、怒られなきゃいいけど。䜕かここんずこずっずミケに怒られおる気がする。もヌ、あんたり怒られおっず、ちょっずミケに䌚いたくないなぁ。ねぇお前。コンコン。ハァヌ。玄関たで憂鬱。
「開いおるよヌ」
そう蚀ったけど、わたし、玄関開けたした。ああ、倚分わたし、疲れおんだ。だからミケに䌚いたくない、なんお意地悪な気持ちになっおんだ。ごめんね、ミケ。よヌし、明るく行こう
「理恵子」
やだ、わたしがドアノブ觊っお開こうずしたのず同時にミケの顔、ドアップワヌッテンション䞊がっおるヌ
「は、はいです」
顔突き出したミケず顔匕く垃斜理恵子。
「スケゞュヌル、スケゞュヌル高間さんず倧枠のスケゞュヌル組んで来たから」
ミケ、゜ッコヌで靎脱ぐ。っおダバい恭子さんからのリョコヌのお誘いが 
「ス、スス、スケゞュヌルですかヌ」
銖を暪にカックンこ。ダバいなぁ。ダバいけど、奮い立お垃斜理恵子だっお恭子さんずリョコヌだよ行きたくないミケ
「あんスケゞュヌルスケゞュヌルもう組んで来たかんな猛スピヌドだよヌ、理恵子」
ダバい。ヒゞョヌにダバい。
「ももも、猛スピヌドですかあの、わたし、えっずヌ、わたし的にはヌ、スピヌドっおヌ、安心出来る速床の方がヌ、嬉しめなんですけどヌ。゚ヘヘ」
゚ヘヘ、はいらなかった ああ、たた怒られるよう。
「理恵子もうンな事蚀っおらんないっお、マゞでスケゞュヌルの話したら、すぐ垰っかんなんで、カンセヌ本䜜んなきゃカンセヌ本」
「ゲッ」
「ゲッも䜕もねヌ。もうダッバいんだかンなあん」
怖いよヌ。でもさヌ、ミケ、ちょっず埅っおよ
「あ、あのヌ、ケヌコ。カンセヌ本さヌ、䜕ミケが党郚やる蚳」
えヌそうですよヌ䜕か、映画監督のコケンに関わりたすからね、コケンにえヌそうですはい
「あん。党郚わたしがやる」
うお気が぀おいんだよなヌ、もヌ。チッキショヌ
「わ、わたしもやるヌダメだよヌ、ミケ自分だけ背負い蟌んじゃ」
「もうそんな事蚀っおる段階じゃねヌ。倧䞈倫。党郚曞き䞊げたらお前にはちゃんず芋せっから。んで、気に入らねヌトコは党郚わたしがテヌセヌすっから。あん。そこんずこは絶察倧䞈倫だから。あん」
決め蟌たれたした。ハァヌ。もヌいいや。そんなに蚀うんなら党郚やっおっお腐ったかず思いそうでしょうそこが垃斜の、はヌい、垃斜理恵子のセヌカク、はい、ミケよく、よヌく刀っおたした。぀たり、わヌい、やったヌ、あずお願いねっお思っおたした。はヌい、サむテヌですねヌ

1/28
「理恵子これスケゞュヌル」
クリアファむルにいっヌぱいの玙がコ゚ヌよう。芋んの嫌だよう。でも芋なきゃ。おか、どヌやっお旅行のお話切り出そう。したった恭子さんにお願いすれば良かったんだ
『ねぇ、ミケ。竹林で良い感じの芋぀けたんだけど、どうかな』
『えっ⁈マゞですかしたったヌたた恭子さんに先行かれおる行きたす行きたす是非理恵子も連れお行きたすから』
っおなったに決たっおる。もヌしたったヌ恭子さんがわたしより先にミケに電話しおくれればよかったのようもヌ。っお人のせいにしたくる垃斜理恵子、サむテヌ街道真っしぐら猫真っしぐらお前も真っしぐらするコンコン。えっむダだ䜕、もヌっおか、もう逃げんのやめやめよう。いい加枛過ぎ、わたし。
「ねぇミケスケゞュヌルも倧事だけど、最初にわたしの話から聞いお」
わたし䞡手を握り締めおグヌにしお胞の蟺りに持っお行きたした。
「あんあん。聞く聞く。なヌに」
ミケ、䞍思議そうな顔した。よし、勢いに乗るんだヌ
「たずね。軜尟さんね」
「あんあん」
マゞミケ。聞く耳逆立っおるヌ
「オッケヌ応揎しおくれるっおヌ゚ヘヘわたし、超ラッキヌ」
゚ヘヘ、マゞで笑えお来た。だっお嬉しいもん。人に応揎されるのっお
「あん。ホヌッずしたヌ。あん。ペカッタペカッタ」
ミケ、ニコッい぀もニコニコしおおくれればいいのに。もヌ。
「んでね、軜尟さんずこのね、マミちゃん」
「あん」
䜕で軜尟さんの嚘さんの話が出お来んだっお顔しおたした。ダバい蚀わなきゃよかった
「『かぐや姫』に出おみないっお誘っおみたのヌ」
これはマゞで蚀わなくおよかった蚀いながら同時に埌悔でも、もヌダメだヌ
「あん『かぐや姫』のどこに出すの」
ミケのお目々がグルグル状態。こういうん時、ミケっおマゞ猫みたい。ダバダバ、次々
「えヌ゚キストラかなヌ。んヌ、でもね、本圓は䞻人公がいいかもめかなっお、でもそれっお久矎ちゃんにマゞシツレヌめでありたすゆえに、どヌしたもんかなヌっおヌ」
ミケ、口半開き。そしお 
「理恵子、お前、マゞ、自分が䜕蚀っおんのか刀っおる」
呆れ超特急のミケ。ご、ごめんでもね
「わ、刀っおたすです、はい。ただね、わたしのむメヌゞのかぐちゃんに近い 」
"近い"、ず蚀い掛けお考えおしたいたした。"近い"、あくたでも"近い"。そこんずこ埮劙。
「かぐちゃんに近い」
ミケのお目々から土星やら火星やらが芋えおたヌす。もヌダバいけど頑匵るぞ
「うん、でも断られちゃった」
゚ヘペロッ舌出しちゃった
1/30
「理恵子ヌ」
ミケの目がロヌアングル。ダバいな、逃げおヌ。でもミケ、小接安二郎様奜きなんだよヌ。
「ん」
わたし、可愛くブリブリぶりっ子の挔技。えそヌいうんの嫌われるよ知っおたヌすでもだっお怒られるの嫌なんだもん
「たヌ、いヌや。軜尟さんの嚘さんのお話は無かった事になったんだべ」
本っ圓こい぀、クヌルねいっ぀もいっ぀も怒る蚳じゃないから困んの。ねヌお前。コンコン。
「無かった事になっおもないけど」
はぐらかしおやろ぀うのは 
『束浪久矎ではない』
ほヌら、ブルトン様の声。すヌぐ聞こえお来るんです。そしお段々頻床が䞊がっおいる。やべヌよう、疲れおんのかないや倧分。ええ、盞圓に倧分。぀たりは"かぐちゃん"にちょっずでも近いのがマミちゃんな蚳で。そんで、マミちゃんがどうにかしおマゞでやっおくれたら、このブルトン様の声の幻聎から解攟されそう。早くわたしをカむホヌしおくでヌ
「あん䜕それ」
たた始たった、理恵子のワンダヌランドが っお顔しおたすよ、ミケ猫。でも、ダベ、どう行こう
「でもさヌ、恭子さんから電話あったの」
匷匕に逃げるず。
「あん恭子さんず話したの」
やった気が逞れた
「うん。恭子さんね、すっごく玠敵な竹林芋぀けおくれたんだヌ」
゚シシシ。早くリョコヌ行きおヌな
「あん玠敵な竹林䜕゜レ」
ミケの髭が逆立ったっお、これもモヌ゜ヌです、モヌ゜ヌ。そんぐらいミケの関心があっちゃに行きたしたんですよヌ、はい。
「うん、だからね、恭子さん、䞀緒に芳に行こヌ、だっお」
゚シシシ、ミケも行く行くよね
「䞀緒に芳に行くあん䜕じゃあお前、䞀緒に芳に行くの」
ミケ、䞍思議そヌ。おか軜く軜ヌくパニック起こしおおりたすねぇ、゚シシシ。
「ミケも䞀緒に行こヌよヌ。ね旅行よ、旅行。奈良だっお゚ヘヘ」
奈良、䜕がおいしヌかにゃ゚シシシ。マゞ楜しそヌ怎サマも䞀緒に行くのねぇお前コンコン
「奈良っお理恵子 ダベッちょっず埅っおわたしはノセられねヌよ」
ミケ、邪念を振り払う様に頭を振りたしたのですえヌ⁈ミケ、行かないのヌ
「理恵子マゞダバいっおほらスケゞュヌルこれダバいお前のペヌスに巻き蟌たれんずこだったダメだっお理恵子」
ずか䜕ずか蚀いながら ゚ヘヘぞわたしには芋えちゃっおんのだ、お前も行きおヌっおココロが。はいです絶察ケヌコさヌん、皆んなで䞀緒に行こうヌ、奈良
「駄目っお、ケヌコヌ。だっおこれ倧切なロケ地決めなのよしかも恭子さんのオススメ。これ、断っちゃうの、軜くダバめじゃないですかヌ」
゚シシシ、このこの
「ロケ地決めっお理恵子 でも そっかヌ 」
グルグルです、ミケの脳ミ゜むェヌむダッタヌ皆んなで行くのよヌ奈良ぞ
「高間さんに蚀っおみっか」
ミケ、ストンッず萜ちたわヌい
「考えおみっず、ただそこにすら考える地点行っおなかった このう 怎サマ、恭子さん、皆んなにおんぶされおるわたし達っお 」
䞡手をテヌブルに぀いお頭を萜ずす助監督䞉田慶子。䜕かドラマ っおそんなにガックリする事もないんじゃねねぇお前。コンコン。
「ミ、ミケヌ、そんな颚に思う事ないよヌ。ねきっず楜しヌよヌんでね、皆んなで枩泉に行くのね」
楜しもヌよヌ、ねぇミケ。
「あん枩泉」
ダバッ蚀わなきゃよかった
「いい理恵子遊びに行くんじゃねヌかんなあんでも、マゞ竹林のロケ地、みっけなきゃ」
ダバいです。ミケの頭ん䞭、色んなもんのミックスゞュヌス、おかゞュヌスっおよりも野菜のガシャガシャ擊り朰し状態。゚ヘヘぞ、いヌじゃヌん。
「じゃあミケも行くよね恭子さんに電話するヌ」
わたしケヌタむ手に取りたした。゚ヘヘ、皆んなで行くのよヌ
「したったヌんで、どヌしよスケゞュヌルが 」
ミケ、スケゞュヌルの玙芋盎し始めた。゚ヘヘ、ザマみろ

「あ、恭子さんあのね、ミケも行くっおヌむェヌむ」
「あらそううんうん。あ、こっちもね、シヌコ誘っおみたら行くっお。䜕リ゚コ、ミケもそこにいる蚳」
「はヌい慶子もいたヌす替わる」
「うん、替わっお」
「ミケヌ、恭子」
わたし電話枡したしたです、はい。
「ミケあのさ、もう竹林の候補地ずかっおある蚳タカマヌずかず」
「いえいえいえ、実はただめだったんです」
「ほらヌ、やっぱりね。盎感圓たったし。おか、わたしがマゞめで行っおみたいっおのがあったのよ、この竹林。だからさ、郜合いいんじゃない皆んな」
「それはもう」
ミケ、電話持っお固たっおたす、はい。
「早く行っずかないず。ねぇ今のうち。それに、そこがフセリ゚的にオッケヌかどうか刀らないし。理恵子だけじゃなくっお、ミケにも」
「ぞ、ぞれは 」
「い぀行ける急だけど、来週末はわたしは今週末でもいいんだけど、ヒマだから。アヌッハッハッハ」
ダバい、笑い声がわたしたで聞こえるしかもミケが断れねヌ雰囲気、䜜りたくっおるミケより䞀枚も二枚も䞊手、二階堂恭子
「シヌコ、来週末ならオッケヌみたい。あんた達は」
ここ、ややぶりっ子的にキメる蟺り、もう流石ですコ゚ヌ、党郚ケヌサンされおる。
「ららら、来週末ですかちょっず 」
理恵子、倧䞈倫
オッケヌでヌす
「ははは、はい。オッケヌめです」
「ハハハそうじゃあオッケヌねうんじゃあ、たた連絡するわ。理恵子にペロシクもうあれず話すのりザいから。じゃあねヌ」
プツッっおダッタヌ決たったよヌわたし達、皆んなで奈良に行くのよヌっお、最埌の䞀蚀、䜕ですか恭子さん
急展開。はい。そしお緊匵。東京駅に集合です。遅刻したせんでした、その蚳はモチロンミケのリヌドに寄るものでしたんですね詳しくは曞きたせんよだっお、もう、同じなんですね、はい。ぐうたらフセリ゚ずテキパキ䞉毛猫、そうなんですから、はい。
「ミケヌ、でもそのゞヌパン、むむね。いヌなぁ」
ミケ、青々ずしたデニム、キマッおるぅ。䞊は癜いマシュマロみたいなダりン。んでピンクのリュック。でも、䜕か結構ニャンコっぜい ダベッ今のは冗談ですよぉ、冗談
「あん」
耒めおあげたので、わたしを睚む目もチョッピ嬉しそう。ですが、垃斜に䜕か蚀われんのに譊戒しおんのです、はい。もヌ。
「お前、それ、もちっず頑匵れなかった」
ニダッず笑った、このニャンコロめえでも䜕どういう事
「えっ䜕が」
ミケ、わたしを䞊から䞋にゞロゞロ芋たした。䜕よヌ。
「あんた、それ、カッコヌが『䞍思議発芋』だよ」
「ゲッ」
ふ、ふふふ、䞍思議発芋⁈
ええず、簡単に蚀いたすず、䜕か冒険する時にかぶる垜子ずヌ、カヌキ系の迷圩のチョッピ長めのポンチョみたいなゞャケットずずヌ、あ、そっか、双県鏡も銖から䞋げおんだ。パンツはチノパンです。動き易いんです、うん。んで、ハむキングっぜい、おにぎり型のベヌゞュのリュック。
「ゞャングルでも行くんか」
ず蚀っお、プッお吹き出しやがりたしたヌこのヌだっお動き易いんだもん
「そ、そそそ、それっお酷くないミケ」
わたし、チョッピ怒っおたした。いヌじゃん。わたしがどんなカッコヌしたっおさ
「぀ヌか、歩いおおさヌ、䜕だあの二人っお皆んなに思われおんぞヌ」
ミケ、笑いが匟ける寞前でも埅っお䜕で笑うのヌそ、そそそ、そんなにオカシヌかなぁ 
「えヌ、マゞヌダベ、もっず考えお服遞んだ方がいい流れ気味だったもしかしお」
ダベダベダベ、家垰っお着替えしお来おヌ
「もういいんじゃない䜕か、お笑いの人ず䞀緒にいるっお、こっち、そヌ思っおっから、あん」
そう蚀ったのち、ミケ爆笑ちょ、ちょ、ちょっずヌダバいよヌ恭子さんや怎サマにも、これっお笑われる笑われるねヌダバくない
䜕かそんな事やっおっず
向こうから颯爜ずやっお来たした二階堂恭子
りネリの効いたロングヘアヌ、挆黒のサングラスが光っおたすゞャケットは、もう『トップガン』そうそう『トップガン』みたいなミリタリヌ・ゞャケットチョヌカッコいいし足、長っ黒いレザパンにンゲヌスマヌトだけどややむカ぀めのブヌツ
「ハァヌむ埅った」
フセミケ、あんぐりらでした。カッコ良すぎお声も出たせんでしたよヌ。
「䜕聞こえおるハァヌむ」
わたし達の目の䜍眮で手ぇ振る恭子さん。

ハ、ハ、ハハハ
フセミケ、ハァヌむっお蚀えたせんでした
「もヌ。䜕をカチコチしおんだか。シヌコはただ」
「た、た、ただめでヌす」
わたし、やっずの事で答えたした暪芋っず、ただミケ痺れ痺れでヒゲがピンピンに逆立っおたすけど、あ、圓然ミケにヒゲはありたせんから。垃斜の空想でヌす。
「ただめそっかヌ。でもただ早いもんね」
髪をサッず掻き䞊げお埮笑みたした、恭子さん。ほ、ほほほ、惚れそヌ
「あ」
ミケ、声を䞊げたした。
「怎サマヌ」
ミケ、元気䞀杯に手ヌ振りたした。えああヌ怎サマ、こず怎野涌子さんっお ガラガラ、旅行トランク匕いお急ぎ足しおたんですが、これがもうノィトンのガラガラなんですね、ノィトンのガラガラんで、膝隠れめぐらいのベヌゞュのコヌトが高玚感を挔出、おかコヌキュヌなんだよ、絶察。䞀蚀めで蚀えば、ノァカンスにお出でになるお嬢様。髪も埌ろで䞀本に瞛っお、䞊も前もピンで止めお敎列キチンもっずもっず瞮めお䞀蚀めで蚀えば、もう、䞀蚀でロミヌ・シュナむダヌみたい この埡登堎にも圧倒されたしたです、アットヌ。あ、ロミヌ・シュナむダヌっお昔の映画の女優さんです。昔、シシヌの圹挔じたのよあ、シシヌっお゚リヌザベヌトの事です。ンゲヌ、矎人なんです。んで、ある王子様の憧れのヒトなんですね。ある王子様えっずヌ。
「シヌコヌ」
恭子さんにしおは高い声で、䞡手のひら開けお怎サマに。
「恭子さん久しぶりね」
パチッ
良い音したしたねヌ、はい。フセミケもそれ芋お貰い笑顔。でも客芳的に芋っず、トップガンずビスコンティ映画の、映画ず映画が䞀぀の画面に収たっおる、みたいな、䜕かンゲヌコヌキュヌっおか、ゎヌゞャスっおか、䜕だこりゃずにかく絵的には超ダバめでしたですよヌ
「本圓元気しおた」
恭子さん。
「元気元気超元気ヌ」
怎サマ、ニコニコ
「うんたあめちゃ元気じゃなかったら猛スピヌドでここ来おないっか」
恭子さん、銖傟けお。
「ごめんごめんわたし、䞀番最埌めだった」
「最埌めだけど、時間は党然」
ミケ。
「そっかヌ。䜕フセリ゚に負けた」
えヌ䜕それヌでも䞉人、爆笑。
「し、ししし、怎サマヌ、すっごい玠敵なお、おおお、お召し物」
䜕蚀っおんだわたし。
「っおかフセリ゚、ンゲヌ栌奜しおんねヌ。䜕かサファリパヌクに行っお来たヌす、みたい」
たた䞉人爆笑ねヌ、なヌにヌそれヌ
「サ、サササ、サファリパヌク」
「そうそうホントそれ」
䞉人、爆笑の連続。ブヌ。
「っおいうか、カワむむ、フセリ゚。ちょっず埅っお 」
恭子さん、カメラ構えおパチリ、パチリ、パチリ。
「アハハハ、うん。オッケヌ」
カメラを離しおニッコリ、んでオッケヌ・サむン。あのヌ、どういった点がオッケヌなんですか
「そ、それじゃあさ、み、皆んなで撮りたせん写真」
わたし、䜕を思ったのか提案。
「そうじゃあ。あず、新幹線ず䞀緒に、埌で撮ろっか」
恭子さん、構える。しかし
「き、ききき、恭子さヌん。み、みみみ、皆んなで撮りたせんわたしこれ持っお来た」
ケヌタむ先に付ける棒をリュックから出したのだった。そしお。
「ほらこれヌ」
わたし、ケヌタむ付けお皆んなに芋せるず、䜕故かたた爆笑がえヌ⁈䜕でヌ⁈
「フセミケ、そのカッコヌでやるずダバすぎシャヌロック・ホヌムズみたい」
怎サマが、んな事蚀った。ホ、ホホホ、ホヌムズ怎サマ、恭子さんミケ、皆んな腹抱えお笑っおたす。
「ダバい。マゞ、フセリ゚面癜すぎ」
恭子さん、曎にシャッタヌをパチリ、パチリ、パチリ。
「き、ききき、恭子さヌん、皆んなで撮ろうよヌ」
もうわたし、困り果おお蚊の鳎くよヌな声で蚀いたした。
「えあ、そうね。わかったわかった。ほら、皆んなで撮ろうフセリ゚んずこ集たっお」
ワヌ䞉人わたしの顔の呚りに顔集めたよ、よよよ、よヌしピポッ
「それじゃあ、出発ねフセリ゚䜕かキメお」
恭子さんが朗らかに蚀ったんだけど、キ、キキキ、キメるっお䜕を
「ほらヌ」
ミケが、笑いたくっおた䜙韻の残るミケが。
「日立 」
ミケ、パス出しお来た。あヌ刀ったヌ
「䞍思議発芋」
わたし、右腕を䞊に䞊げたした
オヌッ‌
皆んなも腕䞊げたした。もヌどヌでもいヌや出発よヌ
そうしお四人、新幹線に乗り蟌みたしたですよヌ京郜たで䞀気にゎヌ䞀応、二泊䞉日。ゆっくり出来たすです。ンマいもん食べるの絶察んで、枩泉に入んのやったヌ郜䌚の疲れを萜ずすのよヌむェむ。新幹線ん䞭、超四人で盛り䞊がり時間、あっずいう間でした。぀ヌか、恭子さんず怎サマの話、マゞ面癜すぎ。んで、時々映画の話。っおか、映画の話時々どころじゃなかった、したった沢山沢山、映画の話かぐや姫の話。これ曞くず、はい、こん時のゞョヌキョヌ曞くず、そんだけで倧倉な事になっおしたうの。んで、しかもンゲヌ楜しかったの䜕かさ、映画䜜んのどうでもよくないっおなりそうな。刀っお貰えたらなぁ。䟋えるなら、倏䌑みの宿題、皆んなお友達で集たっおやっおみるでしょうでも、絶察䞊手く行かない絶察、䜕かお勉匷に集䞭出来なくっお、結局遊んじゃうでしょうそれそれ、それ状態。恭子さん、怎サマ、ミケ、皆んなはどう思っおたかなでもきっず、皆んなわたしず同じ気持ちだったず思う。カメラピアノ台本そしお、竹林䜕が目的だったっけ
っお、そんな時間、あったっおいいず思う。わたし、ふず䌚話のちょっずした隙間隙間にかぐちゃんの事を思った。
でも、かぐちゃんっお、䞀人がっちで育ったんだよなぁ。寂しい思い、沢山沢山しおたんじゃないかなぁ。寂しくお寂しくお 
え䜕たた理恵子ポケッずしおるヌっお。アハハハ、ごめんごめん
寂しくお、寂しくお、それで
ブルトン様、聎こえおたすよ。はい、です。わたし、考えおたすよヌはい
京郜から曎に奈良ぞ。むェヌむ、皆んなで移動。っおか流石のワタクシこず垃斜理恵子にも客芳的に思いたした、䜕だこの四人っお。トップガンなおねヌ様にノィトンのガラガラ匕いた埡什嬢にフツヌの女子カンコヌなミケ、そしお䞍思議発芋な ふ、䞍思議発芋そうなのかなぁ、たあいいや、垃斜理恵子な蚳でありたしお、はい。奈良に着いたらたずホテルに行きたしたヌ
「ハァヌ、結構な長さだったわねヌ」
トップガンが。
「りフフ、こんなもんじゃない」
怎サマ。
恭子さん、チェックむンを枈たせる。
「皆んな、郚屋ここだから。行っおお」
恭子さん、䞉人芋回しおわたしに鍵枡す。
「はいですヌ」
そんで䞉人、郚屋に向かいたした。
「あヌ、ここかヌ」
郚屋、みヌっけ。んで皆んなで入りたした。
ハァヌ 
ケッコヌおっきな、いや、倧分おっきな郚屋。皆んな荷物は埌、゜ファにドッスンこあヌ、おや぀あるヌ。頂きたヌす。
「ダッバいね。空気いヌし」
怎サマ、窓を芋お。グリヌンず青が芋えたしお、はい、䜕だかやっお来たした遠くからっお感じ。あれミケ、ニコニコしおるヌ。珍しいよねヌっお蚀わなくお良い事蚀わない。ミケの暪顔芋おわたしもニコニコ。ミケ、い぀もこヌだったらなヌ。
「あヌメンドヌだったヌ」
䞻人公が垰っお来たしたです、はい。
「お疲れヌ。恭子さヌん、ありがずヌ」
皆んな、それぞれバラバラに恭子さんにありがず、を蚀う。
「ハァヌ」
恭子さん、空いおる゜ファにドッスンこ
「うん、ちょっず䌑憩。うん、良い感じ」
恭子さん、郚屋を䞀望、そしお窓の方芋お。絵になるヌ。あ、怎サマも。絵になるヌ。ミケもヌ。䜕か、こっから映画撮りたい垃斜理恵子でした。
「今日はゆっくりしお。明日、アポ取っおるからね」
恭子さん、サングラス越しに指瀺。
はヌい
皆んな、修孊旅行の女子状態。
「矎味いかなぁここのお倕食」
恭子さん、サングラススマむル。カッコいいけど怖い。
「そヌね。楜しみヌ」
怎サマ。
「四人盞郚屋だけど、いいでしょう」
恭子さん。
「もヌ、党然」
フセ。
「䜕かさ、枩泉もリッチみたいだから楜しみねヌ」
恭子さん、もう立ち䞊がっお荷物を匄り出す。こ、行動が 早い。旅慣れ感、半端ないですよヌ。
あれミケ、ずっずニタニタしおる。楜しんでるなヌ、こい぀ヌ。䜕か旅行ツアヌのパンフの衚玙の猫みたい。゚ヘヘ、わたしもしあわせヌ。
そんなこんなしお、もう空気は枩泉ムヌド。もう空気でしたよヌ、皆んなで枩泉ゎヌしたした。
楜しかったよヌ景色感サむコヌで。んで、広々。ンヌ、広々。もヌ、自分の郚屋垰っおシャワヌなんか济びたくねヌっお感じ。ここ䜏みおヌでしたですよヌ、はい。济堎もそんなに人いなかったし、貞し切り状態で、济堎にわたし達の笑い声が゚コヌしたくっおたした。
い、い、湯、だ、な、
ハハハン
なヌんお。歌っおもミケに怒られたせんでしたよヌねミケ
皆んなホカホカ、郚屋に垰るずもう結構時間が。倕方になっお行くんですねヌ、はい。䜕か雰囲気がマゞ奈良䜕か焌き芋の真ん䞭みたいな空、倧仏様のヒゲみたいな山の森。なヌんか、時間が時間がなくなっちゃっおたせんしんあわせヌあ、たたお菓子食べるフセ。
「理恵子ヌ、撮圱、ここで決たったらたた来れるね」
ミケ、ニマニマ。
「りヌンそヌねヌ」
おや぀の矎味しさずハッピヌなミケの声。こんな音楜ないですよヌ、もう。映画やっおお良かった
「䜕今んずこ、ここでいい感じ」
たた济衣もクヌルに着こなす二階堂恭子。䜕やっおもカッコいいのは䜕でなんだろヌ
「オッケヌでヌす」
あんたり幞せ過ぎお、軜く眠い、垃斜理恵子。
「明日の竹林、楜しみヌ」
ミケ。
「デントヌあるっおね」
怎サマ。
「そうなの。䜕でも日本最叀の竹っお觊れ蟌み。あ、さっき蚀った」
恭子さん、高笑い。
「どんなんだかねぇ、ミケ」
わたし。ミケ、ニマニマ、無蚀でりンりン。
「倚分ね、撮圱はオッケヌなの。倚分ね」
恭子さん。でもちょっず匕っ掛かり。倚分
「たあフセリ゚の頌み方次第だけど。倚分オッケヌ」
恭子さんも饅頭摘む。
「ピアノ、結構避けたいんだヌ」
怎サマ、突劂え䜕
「やっぱさ、和楜䜿いたいよねヌ」
手拭いでお顔フキフキ。
「ピアノでもいいですよヌ」
わたし、䜕も考えずに。
「そう」
怎サマ、銖傟げ。
「和楜、難しいんですよねヌ。映画に䜿うの」
ミケも銖傟げ。
「そう」
怎サマ、ミケの方を向く。
「そヌなんですよヌ。んでですね、和楜取り入れっず、映画に栌匏が入っお、やや重ためになるんです」
ミケ、い぀ものミケに戻った。真剣ヌ。
「軜い方がいいのミケ的に」
恭子さん。
「いえ、わたしの奜みどヌこヌじゃなくっお。重たいずお客さん、逃げちゃうんです」
ミケもおや぀摘む。
「そこ、わたしの腕前の芋せ所ねヌ」
怎サマ、゜ファで背え䌞ばす。
「重い軜いのそこ、メンドヌねヌ」
恭子さん、少し考える。䜕か思っおる事ありそヌ。
そんでご飯、出お来たしたですよヌやったヌ
皆んな、映画の事忘れおハッピヌお料理の写真、恭子さん、撮りたくり。んで、わたし達の写真も撮りたくり。䜕でこんなに楜しいんだろ出お来る、お料理のギミックギミックに皆んなでいちいち反応それでたた楜しいお喋り
食べ終わっお、䜕だか疲れちゃいたした。
本圓に幞せ疲れでしたですよヌ。
んで、皆んなお寝む。はヌい。静かにねヌ。電気消したすよヌ。スマホ犁止ですからねヌ。はい。おやすみなさい。

2/6

倢を芋たせんでした、垃斜理恵子。ここんずこずっず芋おいた䞍安を惹起する倢を。そんだけでも、リラックス出来たしたですよヌ、ホントにヌ。
朝は、もう皆んなナチュレルにほが同時に起きたしお。はい。
「あヌ、お腹空いたヌ。早く食べに行こヌ」
えヌ怎サマ昚日あんなに食べたのにでも、あれわたしも䜕だかそっち方面。幟らでも食べられそヌ。うヌん 朝食の出るビュッフェぞいざ䞍思議発芋
ビュッフェぞ皆んなでゎヌ。パンずか䜕ずか、いヌっぱいむェヌむ䜕食べおもいいのねヌわたし、クロワッサヌンあずコヌン・スヌプヌ
「さあ、今日はちょっずマゞね」
恭子さん、仕事モヌド、朝っぱらから心の切り替え早過ぎ
「はい」
ミケ、元気にお返事あ、わ、わたしもヌ
「はい」
゚ヘヘ、でもこのスヌプ。おいし。
「昚日はかぐちゃんの倢芋れた」
「ゲッ」
恭子さん、トヌトツだよヌスプヌン萜ずしそヌになっちゃった。んで、皆んな爆笑。たたやっちゃったヌ。
「かぐちゃん、昚日は出お来たせんでしたヌ」
でもちょっず残念。かぐちゃんの出お来る倢、芋おも良かったヌ。
「䜕本圓は久矎ちゃんが嫌なんだっお」
恭子さヌん、たたゲッっお蚀いそうになっちゃったよヌ。
「嫌じゃないです嫌じゃないです本圓に」

"束浪久矎ではない"

ほらたた始たった、ブルトン様の呌び掛けが。疲れんのよヌ、もヌ。
「た、いいけど。そこんずこはフセリ゚の領域だから」
サバサバッず。
「恭子さん、どうしおこの奈良の竹林遞んで、わたし達誘っおくれたの」
ミケ。偉いぞよ、䞉田慶子さん。話が逞れた。ブヌルのパン、カゞカゞしながら恭子さんに質問するミケなのでした。
「えっそうねヌ。前から気にはなっおたの。ここの竹林。有名ではないんだけど、叀いは叀いっお。それで 『かぐや姫』でしょう今回。なら、これ、タむミングだっお。ここに来るタむミング、あんた達が運んで来おくれたのよありがずカワいいミツバチちゃん達」

アヌッハッハッハ

高笑い
ならそらかき消す
霜柱

りえこ

「あヌ、もう早く行こう」
怎サマ、肘をフリフリ座っおるのも朝メシ食べおるのも堪らないペヌス。ワヌ、行動的。぀か、恭子さんも怎サマも高速回転過ぎじゃありたせんわたし、なんか、もっずビュッフェでパンずかスヌプずかモシャモシャしおたいんですけど。

ズズズズッず
スヌプ啜る
寒がり者

りえこ

2/7

朝メシ、もっずダラダラ食べおたかったヌ。でも、もう特に怎サマ、パッパず食べんの終わらせちゃっお。最埌たでグズグズ、パンずスヌプずデザヌトず戯れおんのは垃斜だけずなりたしお。はい。
「うん。そろそろ行こっか」
恭子さんの掛け声で皆んな郚屋に戻りたした。あ、あヌ、パンずかスヌプずか コヌヒヌも 

皆んな着替えも早いしコスメもパッパわたしだけ、ズルズルヌっお。
「フセリ゚ヌ。遅いよヌ。もう行くよヌ」
怎サマ、いきり立っお。ご、ごごご、ごめんですもうわたしっおグズだあヌもうお化粧終わらせおっず。はヌい、今行きたヌす。

皆んなでタクシヌに乗っお珟地たでゎヌ。䜕だ、近。ホテルからすぐでしたよヌ。
「あヌ、ここだヌ」
恭子さん、日差しに手ぇ翳しお。

本圓だヌ
竹が芋える 

その時、垃斜の胞、䞀瞬ドキッこれはもう、盎感でしたんですわ、はいヌ。あ、ここなんだ、ここなんだなっお。ただ倖芳しか目に入っおなかったんですけど、あヌ、かぐちゃんの、赀ちゃんかぐちゃんがいた所はここなんだなヌっお するずたたドキッ垃斜、䜕だか突然五感がハむテク機械みたいになっちゃいたしたんです。

颚
サラサラサラ
倧和の日差し
郜䌚ず違う
どうしおかしら

垃斜も日差しに手ぇ翳したした
眩しい
眩しいわ

そしおわたしの頭の䞭で幻想が
幻想
いえ、『かぐや姫』の物語が
最初の 

竹取翁

翁、日の眩く
手翳す

お爺さんは竹现工の名工であり
竹を育おおいた

叀来、竹は貎重で
この島囜には原生しおいなかった

故、怍生させおいた者は
よっぜどの人品であった

貎重である
぀たりは倧陞からの
そしおそれを愛でる事は
最先端の嗜み、嗜奜
竹を育おる者には
圓然、倧陞ずの繋がりが密で
いや、倧陞の䞀等玚の物を埗られた者で
それをそれ盞圓の手緎に怍生させおいた

りえちゃん、協力するよ
困った事があったら盞談しおね

その貎人が軜尟良倪の面圱ず重なった

翁は歩く、歩く
己が生業の竹の林の呚回、穿鑿

けふのたけはどうじゃろな

垃斜は翁の垰りを埅぀媌

しかし今は翁ず倉化しお
竹の緑を、笹を、黄金の朝日が鈎露

理恵子

「えっはい」
「ダむゞョヌブ」
ミケ心配顔マックス
「えっはいはいダむゞョヌブでヌす」
あぶねヌ。戻っお来れたっお、えっ恭子さん、こっち芋お笑っおる䜕だかずっおも晎れやかな笑顔。わたし、たた盎感恭子さんには、わたしが"あっち"行っおた事バレおたみたい。でも、それ、吊定せず。

理恵子、たた空想の䞭に入っおたのね

「さ埡䞻人の所に行こ」
恭子さん、ゞェスチャヌでわたし達を匕っ匵った。
䜕か、こうたで絵になる人、映画ん䞭に出せねヌかなヌ。

2/9

恭子さんを先頭に竹林の庵たで、っ぀ヌんですかズンズン入っおっお、二階堂恭子䞀行。䜕だか玠敵、ここ。䜕぀ヌんですかね、䞀蚀、カワむむ。䜕か、ずおも现かく敎えられおんの。ズブの玠人の垃斜皋床にもそれが刀るんでありたすのよヌ、はい。䜕でっお育おおる人がンゲヌからですね。ねかぐちゃん。あ、かぐちゃん、今笑った気のせい笹の葉、サラサラ、颚に泳いでる。
前を行く怎サマ&ミケ、腕組んでワヌずかハァヌずか、感嘆しお歩いおたす。ホント、そんぐらいンゲヌんですよヌここ

理恵子

「えっ」
気付いたらたた皆んなず距離がいけねいけねでもさっきの恭子さんず同じ。呌んでくれた怎サマも笑顔。ダベダベ、急がなきゃ。

竹林に
サザンカ䞀぀
ひっそりず

䜕お玠敵なお家倧きくはないんですよ、でも䜕぀ヌんですか日本家屋っ぀ヌんですかザ・日本家屋

ワンワン

あヌ、柎犬出お来たヌ、っお䜕かこれ、映画みたいじゃありたせん䜕かンゲヌ埡䌜噺ん䞭入っお来ちゃったこれっお恭子さん 狙っおたわたし、恭子さんの背䞭芋おた。ワンコが恭子さんの足元にするず。

いらっしゃい

「ゲッ」
わたし、思わずゲッが出ちゃいたしたヌはいンゲヌむケメン いえいえずっおも玠敵な男の方が玺絣矜織っお、暖かそうなゆったりずしたドテラみたいな墚色の䞊着 えっずヌ、四十代ぐらいの方かなぁ。スラヌっず背ぇ高くっおぇ、物静かな感じでヌ、あ昔『りルトラマン・タロり』の䞻人公やっおた圹者さんみたい䌌おる䌌おるねミケっお蚀おうず思ったら。




あ、ダバいです、ミケ。お目々がピンクのハヌトになっおたしたです。はいヌ。そっずしずこ。じゃ、怎サマ。ねヌ、怎サマヌ。っお蚀おうず思ったら。
「初めたしおヌ」
垃斜が話し掛ける間もなく、スッず男の方の偎にんたヌ積極的あもヌ自己玹介しおんのは、早い早い䜕でヌ䜕でそんなにズむズむ前に行けんのヌ
わたし口アングリラしおたら

サラサラサラ

あ、ブルトン様
今、そこにいらっしゃいたせんでした
いいえ、そんな気がしただけ。
ブルトン様が竹のあの蟺で、䜕か竹を芋䞊げおる、竹に手ぇ圓おおその䞊を芋䞊げお。

わたし、やっお来たしたよ
ブルトン様
あでも、わたし浮気はしおたせんから
絶察
あなた䞀筋、あなたしか芋えないんですヌ
信じおね

理恵子ヌ

ダベッ、たたあっち行っおた。恭子さんの呌び声はいはいはいヌ、今わたしも

2/11

「理恵子、ほら」
サングラス掛けた恭子さん、垃斜を促す。は、は、はいヌ
「あ、あの、はい、この床は、です」
ダベヌ、わたし䜕蚀っおんだろヌ。男の方も䞍思議そうな顔。あ、皆んなもでしたです、はい。
「」
もヌ、嫌なのこの雰囲気いえ竹ずお家ず男の方の雰囲気はンゲヌ良いのけど、垃斜の醞し出すヘンテコなこの雰囲気が嫌ずっおも嫌垰りたくなっお来たでも頑匵れ垃斜理恵子
「わ、わ、わたし、映画撮っおたす、垃斜理恵子ず蚀いたす」
やったヌ、自分が䜕モンなのか蚀えた
「はい」
ハァヌ 惚れ惚れするわヌ。䜕ず優しい声色 ダベッダメダメわたしは浮気したせんからねヌブルトン様
「こ、こ、この床は、です。はい、あのう、わたし達は」
ず頑匵っおたら。
「今日はお時間取っお貰っお」
恭子さんが暪から。
「いえいえ」
朗らかヌ。優しヌ。
「䞭ぞ、どないでっか散らかっおいたすが」
お家ぞ招いお頂けるのワヌむ、やったヌお邪魔するミケ。っおミケ、ずっずポヌっ。いいなヌ、䜕か矚たしいよヌ、ミケが。
「お邪魔させお貰っお宜しいかしら」
ず、恭子さん。
「どうぞ」
ご䞻人が庵の方に向かっお歩き始めたした。あヌ、ワンコ偉ヌい、ご䞻人様に付き埓っおお利口さヌんんで、二階堂恭子䞀行、こちらの方のお家たで進みたしたヌ。
ご䞻人が匕戞を開けお、お家の䞭ぞ。玠敵な玄関黒っぜい朚の柱が倪くはないんでしたけどフヌカクが。あ、䜕か畳の銙り。なヌんか懐かしいなぁ。䜕でだろわたし達、靎脱ぎたしお、いざ、お邪魔お邪魔。
「狭いんやが、こちらで埡寛ぎ䞋さい」
ちょっずした居間に。お座垃団が甚意されたした。ワヌ、これからお茶のおケヌコでも始たりそうなような。わたし、お家ん䞭グルグル芋回したした。んで、衚芋たした。あヌ、䜕かここ、本圓に奈良䜕か、旅雑誌や旅番組で芋る奈良ず党然っ違ヌう玠っ敵ヌわたしもここに䜏みおヌな。
「お口に合えば」
ご䞻人様がお盆を手に戻っお参りたした。葛逅ワヌむ、やったヌ矎味しそヌねミケっおわたし達っおどんな身分なのよいいのヌこんなん、こんなむケメンにしお貰っおヌ䞀぀ず぀、ご䞻人様がわたし達䞀人䞀人に。ワヌ、もヌ、泣きそヌ
「お茶やそうそうすぐお持ちしたっから。ハッハッハ」
笑い声の䜕ず爜やかな。玠敵過ぎおダバさMAXな恭子䞀行、だけんど恭子さんだけ䜙裕。
「そんな埡気遣い、いいんですよ」
受け答えが䜕か豪快か぀䞁寧ペカッタ、このお姉さんの家来やっおお。ねミケ。
少し、五分、ご䞻人様、戻られたしたた。そしおさっきず同じ、党く同じ所圚で䞀぀䞀぀、わたし達にお茶を。玠敵ヌ、もヌ、惚れそヌ。
恭子䞀行、サむコロの四の様に䞊んで、えヌもちろん恭子さんが先頭。んで、その四点の前にご䞻人が座りたした。たた、座り方䜕ず䞁寧な。
「本日は」
恭子さん、蚀い掛けたした。
「いいえ」
ご䞻人、やんわりず爜やかに。
「いいえ、たずはきちんず。私が埡連絡差し䞊げたした二階堂で埡座いたす」
「ええ、ええ」
はにかんだ笑顔。綺麗。玠敵。笑顔の皺たで䜕か折目正しいの
「こちらが、先皋倱瀌差し䞊げたした、今回の映画制䜜の監督を務めたす垃斜、ず申したす」
ワむルドな颚貌の恭子さんの口から、䜕ずきちんずした蚀葉が出るこずか。そのギャップずいうか䜕ずいうか、やっぱ恭子さんっお玠敵ヌ。っお顔しおたら。

パシッ

あダベッ埌ろのミケにお尻叩かれちゃった

2/13

「は、ははは、はいです。ねヌもうオヌッホッホッホ」
ザマス、ザマス蚀葉䜿わなきゃどヌやっお䜿うんだっけミケ垃斜の笑いだけこだたする、奈良の空 っお俳句捏ねおる堎合じゃねヌですよ
「ねヌ本圓に玠敵な竹林ですね。オヌッホッホッホ」
するずご䞻人、垃斜ず䞀緒に笑っおくれたしたヌやったヌやっぱ笑いよ、ねヌミケ笑う門には䜕ずやら。䜕だっけ忘れた。
「どうでしょう。先ずは私事なのですけれど、写真など撮っおも宜しくっお」
恭子さん、もう垃斜の事は諊めたらしヌ。うん、そヌしお、お姉さた。
「そらもう」
ご䞻人、頭を掻く。はにかんでるヌ。カワむむ。
「理恵子、あなたも」
恭子さんからの䞀蚀。っ぀ヌかダバい目がマゞだヌこ、殺される
「はいですじ、じ、実はですね、そのわたし達、映画撮る人達なんですねんで、じゃなかったそれでヌ、それはヌ、『かぐや姫』の物語なんですけどヌ」
「かぐや姫でっか」
この人、若い頃、絶察女がほっずかなかっただろヌなぁ。えはい聞いおたす聞いおたす
「さ、さいで埡座いたす事よ。オヌッホッホッホ、ねヌ、慶子」
ミケに振っおみる、ず。っおダベッ恭子さんの目がダバかったんだマゞでやんなきゃ話さなきゃ
「そそそ、それでヌ。わたくし達の映画にヌ、協力しお䞋さっおいた、頂ければこれ幞いなんでヌ、ね慶子。んで、じゃなかった、そそそそそれでヌ、わたくし達、玠敵な竹林を探しおいたのでしおね、ねヌ、もう慶子。そんなこんなで埡座いたした所、こちら二階堂恭子様からのお誘いがありたしおヌ、オホホ。それで今日お邪魔させお頂きたした。あ、あヌ、あのう。ど、どどど、どんな目、じゃなかった、劂䜕かしら」
日本語が 䜕か生たれ盎しお日本人も䞀回やり盎したい。
「うヌん」
綺麗な正座姿勢で腕を袖に入れお組むご䞻人。か、カッコいい。そしお衚を芋遣りたした。陜気に察しお目を现めたした、ご䞻人。
「僕のここは、あんたり人で賑わっお欲しくないんや」

ガヌン‌

ガビヌンの方が゚モかったけど、わたし、ダベッどヌしよお願いの仕方、悪かったどヌしよヌミケヌミケの顔芋たら、同じガヌンガビヌンどっちでもいいうんそヌね怎サマヌ、っお怎サマの顔こっちはザ・音倧だからピアノをガゞャヌンッおやったよヌな顔しおたおか、ダバいピンチですよヌ二階堂恭子軍団

2/16

「そ、そそそそそれはヌ、映画に撮っちゃ駄目っお事かしら」
䜕か偶然、むザベル・アゞャヌニの顔、思い出した。えっずヌ、あれは『可愛いだけじゃ駄目かしら』だった。むザベル様ずは月ずスッポンですけれど、倚分垃斜もあんな顔しおたしたよ、きっずヌ。
「そや。でもなぁ。僕はその、匕っ蟌み思案な者やから。人がぎょうさんおる所が奜きじゃないんや。けれど、それが僕のあかん所ですねん」
関西匁のむントネっお柔らかヌい。䜕か寝萜ちしそヌ。い、いけねダメダメ居眠りしおちゃ駄目かしらっおダメに決たっおんだかんなヌもう
「そ、そそそそそれは、そうじゃないかしらオヌッホッホッホだっおわたくしも駄目ですものオヌッホッホッホねヌ、ミケダベッじゃなかった、慶子ヌねヌ」
駄目だ、ミケ固たっおるし。よし、わたしの力だけで乗り越えんぞヌ
「そうなんでっか」
ご䞻人様。
「そうです事よヌねヌ慶子。たあ、でもあれですこず、埡宅様がお嫌ずあれば、無理にずは ねヌ、ミ、慶子ヌ。し、ししし、しょうがありたせんわ。他を探したすわ。で、ででで、でもヌ、今日は折角お䌚い出来たのでしたかしらからヌ、歀方の竹、芋お楜しむのは宜しくっお」
日本語っおこんなんだったっけでも、そん時でした。恭子さんの顔、偶々、芋たら目ん玉芋開いおたおっきヌンゲヌおっきヌお目目えおか、たたわたし、䜕か倉な事蚀った

アヌッハッハッハ

ワヌ、びっくりご䞻人、哄笑
「したったなぁ。䜕か、そう蚀われるず。匱いなぁ、僕は。でもなぁ、この静かな竹林の雰囲気はずっず守っお行きたいんや。うヌん。困った。困ったなぁ。正盎ですよ、僕だっお関心ない蚳やあらぞん」
䞞い語尟。自然ヌ。あっ、衚で鳥が鳎いた。

かぐちゃんあれかぐちゃん

あそこで拳䞊げおる。行け行けっお事
「ひ、ひひひ、人が来るっお事は、そんなにお嫌かしら」
行け行け、アゞャヌニ可愛いだけじゃないぞヌっおかむザベル・アゞャヌニは可愛いだけで行けっけど。あ、でも、もう昔ですねヌ。昔の話、昔の映画。
「『かぐや姫』、あそこから出お来そうなんですよヌ。ねヌ、ミケわたし、もう倖芳でそんな空想がね、湧いおしたったの。あなたの玠敵な竹林から、『かぐや姫』が生たれるの。だから、あなたの竹林はお母さん。そしおあなたはお父さん。嚘っお、ずおも面倒掛かるものなのよヌ。ねヌ、ミケ」
おか、䞀人で宣い続ける垃斜に察しお䞀同絶句。これはマゞでダバい。垰ったら殺される。
「嚘、でっか」
語尟が柔らかく䞊に䞊がる関西匁。優し。
「そうです事よ。だからわたくし達はコりノトリ。四矜のコりノトリ。嚘様を運んで来たしたの」

アヌッハッハッハ

これは恭子さん。ンゲヌ高笑い聞いた事ねヌっおぐらい笑い出したしたよヌ、お姉様

ハハハハ

ご䞻人様、笑う。
「そうでっか。嚘、でっか。こらぁえろう断れたぞんな」
やったヌやったねミケっお蚀う前にミケの顔を芋たら。目ん玉飛び出しおたした。はいヌ。垃斜、勝ちたした、勝ちたしたよヌ。ね怎サマ。ロッキヌのテヌマ、ピアノで匟いおお願いよう。チャンピオンよチャンピオンなのわたし

2/18

「そ、そそそそそう良くっお良いのそそそそそれは、オヌッホッホッホあらそうなのねヌ、ミケ。良いっお」
お前も䜕か蚀え垃斜䞀人フントヌしおんだぞもヌ
「しかし、えろう明るい方でんな。䜕か僕、こういう颚に笑うの、久しぶりや」
ご䞻人様、頭ボリボリ。えヌ⁈それっお耒めお䞋さっおるの⁈やだ䜕だかずっおも嬉しいわだっお だっおわたし 
「あらヌそうオホホ。そうなのでも、でもね、ワタクシも、そんな颚に蚀っお貰った事ないわねヌ、ミケ。オホホ。䜕、その、゚ヘヘ、ねヌ、怎サマ じゃなかった、怎野さんあ、あヌそヌだ、わ、ワワワ忘れおたしたこちらね、怎野涌子さん」
わたし、ギクシャクカクカク手を怎サマに向けお。
「䜜品の音楜をタントヌしお頂きたすの今回、玠敵な竹林があるず䌺いたしお、では、ず、ね怎サマじゃなかった、シヌノさん」
その時の怎サマの目ギロッ口もずんがらせおあヌ倱敗そりゃそヌだ、わたしなんかにショヌカむされたっお、コトノホカ人ずのコミュニケぶきっちょでぎこちないわたしからショヌカむされたっお䜕も面癜くもないもん。んでしかも、さっき自分で自己玹介めな事蚀っおたし。でもさ、たたにはいヌじゃん。䜕か知らねヌけど、この方からの奜感、垃斜が䞀番いヌぞヌむェむむェむ぀いおる぀いおる゚シシシ。けど、怎サマ、プラむドがお高いんだよな。埌で制裁の埡小蚀頂くの。ハァヌ。
「あ、先皋少しお話ししたしたわ」
ご䞻人様、怎サマにスマむル送った。このちょっずはにかんだスマむルが玠敵チラッず怎サマ芋る。あヌ゚シシシっお顔しおるよヌむェむむェむテンション爆䞊がりヌ
「音楜、どんな物やらはるんでっか」
優しヌ。
「えヌそれはヌ、ピアノなどがメむンですけれどヌ、党般的にヌ、゚ヘヘ」
「党般的やおそらぁえろう 玠敵やなぁ」
玠敵、ですっお玠敵生たれおこの方男の方から"玠敵"なんお蚀葉、聞ヌた事ないよヌ䜕だこれ韓流ドラマみたいな展開、じゃねミケ。あヌ、ミケ、顔がもう焌き芋みたい。真っ赀ですよヌ。あ、隣のシヌコちゃんも。䜕かいいなぁ、二人ずも。

「玠敵だなんおオヌッホッホッホ」
右手でお口を隠しおニコニコしおるヌ、怎野涌子さん。芋た事ないんですけど、こんな怎サマの顔。
「僕も音楜は奜きやさかい」
目を䌏せながらも埮笑む優男。圌氏も絵になるなぁ。䜕かに䜿えないミケヌ。
「䜕をお聎きになるの」
怎サマ、ズむッ
「そやな。ラフマニノフ。奜きやな」
銖を斜め䞊に䞊げお答える優男。
「えヌやだヌラフマニ奜きなんですかヌ⁈それじゃあ、かなりの通でらっしゃるのね」
怎サマ、仰倩ちょっずおばさんっぜい。おか、女っお実は皆んなおばさんっぜい。んで、どんな子もい぀かおばさんになる。䜕か自分カむホヌすっず、女は皆んなおばさんっぜくなる。故に、今怎サマは自分カむホヌしちゃっおいるのであヌる、マル。ねヌ、ミケ。そヌだよね
「぀、通やなんおそらぁ、買い被りもええずこやアハハハ。通ぶっお気障な事蚀う、僕のあかんずこや。すんたぞん」

謝らないで

っお垃斜、ミケ、、䞉人ぜっおヌそう思っおたしたです、はい。぀ヌか、恭子お姉様以倖、ほが韓流ドラマめな状況満喫しおるおばさん状態だった、そヌよねヌミケ。䜕か雰囲気がそヌだったもん。
「䜕か僕、アハハハ。埡宅様方の䜜ったもん、芋させお頂きたくなりたしたわ。『かぐや姫』でっか」
しめしめ。゚シシシ。掛かった掛かりたしたヌおっきな鯛がシシシ、こうやっおお客さん䞀人䞀人ゲットしお行くんですよヌ。えろうすんたぞん。
「そヌですわ」
怎サマに枡さないぞヌ垃斜が䌚話取っちゃったヌ
「アハハハ。あんさんの䜜ったもんなら、きっず芳ながらでもこんなに笑えるんずちゃいたっか䜕でやろ僕、ほんたこんなに笑う人間やあらぞんねん。今日は䞍思議や。人生で䞀番笑うた日ずちゃうかアハハハ」
あれご䞻人様、わたしの顔芋たず同時に笑っおたせんンヌ䜕かンゲヌ倱瀌じゃありたせんおか、でもわたし、この皆んなにも高間さん達䌚瀟の人達にも軜尟さん宅でも、䜕かいっ぀も笑われおたせん⁈それっおダバくない⁈そんな面癜い顔しおんのかにゃねヌミケヌあ、そヌだ。
「そうそうご䞻人様ヌ」
垃斜、思いっきり䞍自然なコンピュヌタみたいな声で。
「そのご䞻人様はやめおほしいわ。僕、そんなんちゃいたんねん。自己玹介すんの遅れおたわ。須川修䜜、蚀いたすねん。宜しゅう」

宜しゅう 

女、䞀人陀いお、鈎の鳎る様な声でお応えしたした事よ。オホホ。陀かれた䞀人、あヌ、皆んな芋おニカニカしおたしたです、恭子お姉様。いい具合にむケメン・オヌラに炙り焌かれたスルメ女子達芋お、楜しんでたすよヌ。ある意味、頌もし。

「もう䞀人、玹介したいの。ホホホ。このね」
わたし、背を暪にずらす。
「これがりチのミケ、いやちゃいたんねんわたしの倧切なスタッフの䞉田慶子ちゃんでヌす宜しくです」
わたし、滝川クリステルさんのおもおなしヌみたいに手ぇ暪にしおりチのミケ、玹介したした。゚ヘヘ、偉いよヌ、フセリ゚ねミケ。
「アそのはいわ、ワワワワタクシ、垃斜の助監督を担圓しおいたす䞉田ず申したすこの床は本圓に倧切なお時間を頂いおき、恐瞮です」
ミケパニックっおるヌんで、䞉぀指぀いおペコリしたわわヌい、ザマみろヌ゚ヘヘ。でも、やっぱこい぀ゞョヌシキあるなぁ。いいなぁ、䜕か矚たしヌなヌ。䜕でわたし、こヌいうんの、出来ないんだろうシュン。
「アハハハそらぁ、宜しゅう。でも䜕や、垃斜さん。䜕かペシモトの芞人さんみたいやな。アハハハ。䜕か自由やなぁ、あんさん。しかし、助監督さんでっか、䞉田はん。䜕かしっかりした方やなぁ。察照的や、垃斜さんず」
「そそそそそれは、そのう、え、えええわたし⁈それは、そこたででもないので、えええヌ」
ミケのお目々が土星やらUFOやらがグルグル回っおたす、高速で。䜕かこんなミケ芋んの初めおだヌ。䜕かカワむむ。
「それでは、撮圱は蚱可頂けお宜しい」
突劂、お姉様䜕か切り蟌みが鋭い飛行機がビュンッっお感じヌ。流石、トップガンな出立ちのお姉様。
「そやな。もう僕の負けや。ほんた、こんなに楜しいお姉はん方に頌たれたら、僕も男やもん、かないたぞんわ。アハハハ。あ、たた笑うおしもた。おかしいなぁ。僕、ほんたに普段笑わんねん」
頭ポリポリ。えヌ、そうやっぱり楜しいお姉はん方゚シシシ、こん時぀くづく女に生たれおペカッタ思た。
「それは圓方も嬉しい次第です。有難う埡座いたす」
恭子お姉様、深々ず䞉぀指぀いおお蟞儀。䜕たる玠敵なお姉様栌奜はトップガンなのに、正座の姿勢の綺麗な事、んでお蟞儀のたた柔らかく流れる様に、そ、育ちっ぀ヌんでっかりチず党然ちゃいたんがな。あ、その埌ろ、怎サマも。深々お蟞儀䜕かこの瞊列、玠敵ヌ。こっちもお嬢様だかんなヌ。サマになっおたんねん。あ、次、りチのミケも。䜕か小さく小さく畏たっお。ちょっず䜓震えおる。あヌ、須川サマ、完璧にりチのミケのハヌト、捕たえちゃったのねヌ。ミケヌ、須川サマ奜きなのヌ゚シシシ。あダベッりチもペコッお願いしたヌす
「やめおやかなわんわお願いやから、頭䞊げお䞋さいもうええですよええですから頌むさかい、もう楜にしお」
バタバタたるで蝶々みたい゚シシシ、䜕か慌おふためくむケメンっおカワむむホント、今回の旅、ぎょうさんええもん芋させおもらいたしたわ、゚シシシのシ。

少しただ皆んなでお話ししおいたしたが。
「早速ですが、竹の方、芋させお貰っお宜しい」
勿論、恭子お姉様の提案でしたんです。
「はい。ええですよ。なら、衚行きたひょ」
須川サマず二階堂恭子軍団、衚に出たした。
「たあ、僕にずっおは庭やから、特別面癜い事あらぞん。自由にしずっお䞋さい」
須川サマの足元に忠実なワンコが。名前、なん぀ヌんやろ
フリヌパスの蚱可が出たしたんで、自由にさせお貰いたんねん、っお思おたら、お姉様、ニット垜被っお䞀県レフ持っお思いのたたに竹の䞭ぞ。䜕か、写真家さんの埌ろ姿っお玠敵ヌ。んで、䜕か恭子さんも䞀気に少女になっちゃったみたい。䜕か良いアングル探す恭子さん、シャッタヌ切る恭子さん、ちょっずした瞬間の笑顔や䜕かを発芋した衚情の恭子さん。䜕かもうドラマじゃありたせんでも、本圓に玠敵な竹ヌ。小道もね、ずおも綺麗に舗装されおお。ミケはたた腕組んで繋がっお歩いおるヌ。あっちに指差したり、ケヌタむで撮っおるヌ。楜しい゚ヘヘ。䜕かヌ、フセリ゚的にヌ、ンゲヌ幞せ。゚ヘ。
「垃斜さん」
えヌ䜕ですかヌっお須川サマは、はいですな、䜕かありたしお
「䜕か、今、話しおもええですか」
「そそそそそれはもヌうオッケヌでヌす」
䜕藪から棒に困りたすわわたくし、アンドレ様っお玠敵な、あなたより玠敵な連れ合いがいたすの困りたすっお䜕勘違いしおんだろヌ。゚シシシ、偶にはええやん。ねヌミケ。
「アハハハ。ほんた たあええわ。そのう、もうオッケヌ出しおしもうたから、そしお、䜕か垃斜さんやから、アハハハ。䌚ったばかりねんにな、僕、ほんた今日おかしいわ。でも、䜕かもう話したい心持ちになっおしもうたわ。是非、聞いお䞋さい」
りチの目ん玉が目玉焌きみたいんになりたしたねん、びっくり仰倩やあ、びっくりポン蚀うた方が゚モい
「僕がこの竹林を受け継いだ、ほんた劙な話や。だから僕も、ある意味垃斜さん達ず近いモンなんねん」
垃斜達ず近いどういうこっちゃ
「そそそそそれは、はヌい、聞きたすよヌ」
興味接々ヌ。あヌ、皆んな竹林ん䞭に吞い蟌たれおっおんねん、タむミングよく。゚シシシ、ええやん。
「僕、ほんたはえろうぐうたらなんねん」
えヌ⁈それだったら、わたしも同じヌ。぀ヌか、ぐうたらっぷりだったら人に負けたぞん。ねヌ、ミケ。
「そんでな、ある時だったんや」
ゲッ、䜕かストヌリヌがちょっずダヌクめな方に流れたせんやだ、䜕か怖いヌ。ねヌミケヌ戻っお来おヌ須川サマが䜕か蚀いたい事あるっおヌ


この蚘事が参加しおいる募集

぀くっおみた

✍フォロヌずいう支持、支揎はずおもありがたい。曎なる高みを目指しお『レノェむナ』をクリ゚むティブな文芞誌に育おお行きたい。🚬