📌2024 5/5  “グレーブ・ア・ラ・モード”

アメリカで反戦デモが火を吹いている。運動の主体は学生で、バイデン大統領以下の頭を悩ませる事項となっている。まあ少し突っ込んで考えて、いやこの手の運動の主流といえば左派が取り仕切るので、これは米国内左派の好機とばかりの火の手の上がり方であると見て。しかしこの現代、もう左派も右派もあるか？ユーロ圏ではこの2派、熾烈に対峙しているとは聞くが、右派左派というよりかはユーロ圏各国個別でナショナリズムの熱が上昇して、特段所謂“左派”が歯を剥き出している気配は？ないと見る。“左派”？マルキシスムはもうとうに時代の彼方、アンティークな思想的調度品、まあ労働者が権利を主張したい場合に奥から引っ張り出す年代物の工具機械、か？言い過ぎか？欧州統一派が新しい左派とも聞くが。中国・キューバの国民だって頭からマルクス信奉している人など最早いない、いてもごくごくの一部だろう。

一旦、左右は置く。

思想角度の云々よりかは、もうほぼ日本の伝統というか習わしというか、アメリカで流行った物は日本でも流行になる、させる動きが発生する。1945の戦後以来、いや？それこそ幕末期以来ずっと。

ただこれもある意味で“昭和”でひと区切りになっているかも知れない。

時代の情報機器の過剰発展に伴って、アメリカ発！な流行発生に翳りが見えつつある。

90'まではまだ“アメリカ発！”だった。流行る物の根っこを探れば大体アメリカの所謂“最先端”のモードの再制作で、日本人は格好からそれを纏い、言葉や感情の傾向を真似していた。

いつの頃からか、流行文化の発生元がアメリカ一統ではなくなった。

向こうの感覚からすればどんなものか？

現代は日本が主流なのか？
日本のマスコミはそう言う。自国の民に向かってそう言う。

アニメ、ゲーム、マンガ…
これらはほぼ日本発で日本一統なのか？そんな気もする。諸外国の児童、若者、成人まで皆、日本のこれらに夢中になっている人も多くはいる、らしい？どこか断言し難い。ただ“eスポーツ”、テレビ・ビデオゲーム、これも古い言い方か？今はポータブルな機器がハードとなって遊ばれているが、まあ便宜として“テレビ・ゲーム”、これを“スポーツ”として概念的に捉える動きにまで過剰発展して。これはまたこれで本稿とは異なる問題点を見出すので、傍らに置く。

思想運動としての全体行動。これは流行るだろうか？編集柳井の予想では、流行るな、これは。数ヶ月遅れて、日本でも若い学生とアンティークな思想活動家が、教育及び公共機関に何某か威嚇的行為を振うだろう。投票率が40%に届かない最近、民主制に関しての無関心、意見の反映されない靄めいた憤懣が、こちらの思想行動に“参加型イベント”として流れる。

情報機器の過先鋭化は、半ば“タイムマシン”ともなり、ゲーム・アニメの過成長とは時間が逆行して、“昭和”のテイストがブームであるという。この“デモ”というアンティークは時代を経て甦り、選択志向されるだろうか？この推測の“鍵”は素材の明記に“メイド・イン・アメリカ”が刻印されている事にある。あと少し先に“反戦デモ”が日本で起こったなら、未だ日本人は、情報機器の過剰発展、娯楽遊具のクオリティ過多の進行方向に実は体が伴っておらず、意識下に染み込んだ“アメリカニスム”が根強く民衆的に残っている事の証左になる。

反戦感情の真実の核、中東及び東欧の戦争泥沼に対する国家の施策への糾弾、憤り、これらが日本に住む我々、ほぼ他人事の無関心で惹起していないのはニュースを見ずとも世間の風から感知出来るので、デモが起こってもそれは“グレーブ・ア・ラ・モード”。それはクレープの様な“グレーブ”で生地の薄い、なんだかアメリカンテイスト宜しくタップリと甘い物を仰山包めた、参加者各人の思い出作りの味の、そう、まさに“映え”の欲しい、“映え”作りのイベントとなり国内マスコミやインターネットを騒がせる事にだろう。それは問題の核心を突く、本来の意味の“グレーブ”とはほど遠く。