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「才能よ、雪に埋もれるな。」YMFノミネート作品、配信開始!

山形国際ムービーフェスティバル(通称YMF)に足を運んできました。U-NEXT映画部の林です。U-NEXTは「若きクリエイターを発掘し、映画文化を東北から盛り上げていこう」とするこの映画祭の意志に共鳴し、連携をスタートしています。

19回目を迎えた今回は11月10日からの3日間、東北最大級のスクリーンを持つMOVIE ONやまがたを舞台に行われました。招待作品とコンペティション部門からなる映画祭で、今年のコンペ応募総数は296作品。この中から選ばれた10本がノミネート作品として上映されました。

招待作品上映後には、各監督によるトークショーも行われた

ロビーで行われたレセプションパーティーには、招待作品のメガホンをとった山形出身の村川透監督、宮城出身の岩井俊二監督、岩手出身の大友啓史監督、そして阪本順治監督、清水崇監督と、ビッグネームたちが列席(監督名からそれぞれが関わった作品ページに飛べます。合計104作品、流石はビッグネーム!)。また、1000円のチケットで一般の映画ファンの方が参加できて、美味しい食事とお酒を片手に、監督たちと談笑できるというのだから驚きです。

吉村和文運営委員長が表彰式で「YMFは出会いを作る場。そしてその繋がりが繋がりを生んでいく」と語ったように、若い才能と著名監督、そして映画ファンが交わる姿を見るにつけ、ここから新しい物語が生まれていくのだろうということが容易に想像されました。

緊張の面持ちのノミネート監督たち

さて、今回U-NEXTでは、コンペ部門のノミネート作品のうち5本を配信開始しています。粒揃いの短編映画たちが見放題でご覧いただけますので、ぜひこちらからお楽しみください。

U-NEXTで配信中のYMF2023ノミネート作品

回復タイム(山口智誠監督/13分)

働き過ぎな女性が出会ったおじさんは…。山口智誠監督による心温まる短編ドラマ

仕事もプライベートもなんとなく壁にぶち当たっている感のある女性の前に突如現れた昭和風味でダサめなヒーロー……というぶっ飛んだ設定ながら、なんとも優しく、爽やかな余韻が残る一本。『愛なのに』等でも強い印象を残す向里祐香さんのナチュラルな芝居がとてもいいです。

KUTSUYA(武田成史監督/13分)

足が地面から離れなくなった男。現れた一人の靴屋。なぜ、こいつは俺の邪魔をする?

画の工夫、手数の多さ、スピーディな展開で、最後まで一気に集中させて見せ切る力が凄い。寓話のような物語で、何度も観て考察したくなります。

五時のメロディ(岩田隼之介監督/27分)

クルーズ名古屋で操縦士を務めるヒロインの成長と親子愛を描いたショートフィルム

結婚と離婚の現実、そこに横たわる親子の複雑な感情、愛。そして自分を囲む周りの人たちの優しさ。近藤芳正さん、佃典彦さんほか、名古屋出身のプロたちが脇を固める安心感抜群の温かいヒューマンドラマです。

ザ・ライト・コンビネーション(坂部敬史監督/14分)

泥棒の青年が認知症の老人と出会い、自分自身の過去向き合っていく短編

認知症の老人が、家に入ってきた強盗のことを、しばらく帰ってこない息子だと勘違いし……というところから始まる物語。これぞ正しいショートフィルム!といった佇まいで、じーんわり心に残ります。

自転車にのって(田中聡監督/21分)

書を捨てて新しい自転車で町に出た、映画好きな青年の物語

個人的に大好きな一本。観た後に気づいて驚いたのですが、『うまれる』で話題の田中聡監督作品でした。『うまれる』とはあまりにタッチの違う青春コメディドラマに仕上がっています。主演(今井慶さん)のフォルムも含めた天才的なキャラクターを活かし切っているし、母からのささやかな花とか水筒コーヒーとか、背景を描く上手さも感じました。


以上、U-NEXTで配信中のYMF2023ノミネート作品のご紹介でした。こうして見ると、全体的に優しくて、前向きになれる映画が多いですね。オススメです。


さて、かねてからU-NEXTでは、日本全国の映画祭を応援すべく配信連携を行ってきましたが、YMFも含めてその実績も50近くになりました。他の映画祭にも若き才能たちがたくさん集まっていますので、こちらもぜひお楽しみください!

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