フグに毒がある理由

大きな魚がフグを食べようとすると、毒がピリッとするので吐き出してしまうそうです。フグはこのために毒のあるものを食べて、身を守っています。

…というのをどこかで読んだのですが、ずっと違和感がありました。
フグに毒のない餌を与えて養殖すると、毒のないフグに育ちます。だからふぐ料理は養殖モノなら安心して食べられます。

身を守るために毒を取り込んでいるなら、毒が無い餌を与えられると強いストレスを感じそうなものです。べつに毒を必要としているわけではなさそうです。

これは本質的に検証できず、仮説にもなりませんが、こんなことではないのかなあ、と思っています。

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おいしい餌がたくさんある良い場所から追い払われた魚たちが、仕方なく毒のあるものを食べました。その多くは毒で死んでしまいましたが、耐え抜いたわずかな魚たちが少しずつ耐性をつけて、毒の餌を主食にするようになりました。餌の取り合いから解放され、また自分自身の体に残った毒が身を守るようにもなりました。
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食べるという行為は無条件に「良いこと」と思いがちですが、食べられる方も必死で抵抗するはず。どんなものにも何らかの毒があり、食べた側がどうにかして活用しようとした結果、その生物にとって良い餌になったのだと考えています。

人間もフグと同じです。進化した結果、ある種のものが人間にとって「体に良い食べ物」になっただけで、本質的にあらゆる食べ物に毒の要素があるのでしょう。トウガラシはカプサイシンという毒でで虫から身を守りますが、人間はおいしいスパイスとして好んで食べるまでになりました。トウガラシにとってはとんだ災難ですが。

食べ物が本質的に毒だと解釈すると、偏食や食べ過ぎ、砂糖など精製したものが体にあまり良くないのも納得です。


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