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図書館超活用術

図書館超活用術 最高の「知的空間」で、本物の思考力を身につける
奥野宣之・朝日新聞出版
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最近、本についての本を読むのが結構好きなんですけれど、まさに図書館で棚眺めてて「あら面白そう」と手に取った本です。
作者さんの名前見たことあるな、て思ってたらあれだ、
「一冊のノートにまとめなさい」
のシリーズを書かれた人だ。情報整理のエキスパートが図書館を熱く推す本です。相当図書館お好きな人ですねこの内容…

この方、子供の頃から週2~3で図書館通って、複数の図書館を並行して利用し、さらには図書館の使い方の理解を深めたいと司書の資格まで取っちゃったそうで…
そこまでのエキスパートではないにしても、本や情報収集がお好きな人、勉強がお好きな人、アイデアを欲している人には大変参考になる本です。

冒頭、「ネットでの調べ物て案外不便」という話を、例を出しつつ懇切丁寧な説明から入り、なぜ今図書館なのか、図書館の何がいいか、最近の図書館いいぞ、図書館の使い方知らない人も多いのでは、等々…
本文内に「図書館は使い倒してなんぼ」とありますが、説得力めちゃくちゃある御本です。
序盤の「こういうことがあった場合」という例え話がビジネス寄りの話だったので
「あー、いかに仕事に活かすかみたいなやつかー…あんまり仕事に絡めた本読む気分じゃないんだよなー…」
て思ってたんですが、逆に仕事がどうとか企画がどうとかの話は序盤だけで、基本的には「アグレッシブな図書館利用者になるための手引」です。
どんな人にもどんな事態にも図書館は役に立つんだぞ、という話を一冊かけて綴っているような本なので、読み終わる頃には近隣(となり駅、となり街あたりまで)の図書館調べちゃったりするかも知れません。

この本は序章+6章の全7章で構成されてるんですが、日頃もりもり図書館使ってる私でも
「図書館の話題でそんなに書くことある…?」
て思いつつ読みはじめたんですが、
「へーー」
て思える情報でいっぱいだったので、図書館なんて子供の頃に行ったきりだなあ、とか、普段お出かけ先の選択肢に入らないなあ、て人なんかはかなり面白いんじゃないでしょうか。
本読まない人、本読もうと思いつつ読めてない人、調べ物や勉強がいまいちうまくないんだよなと思ってる人、家に書斎が取れない人、何か勉強したり特定ジャンルの知識を増やしたい人、悩みがある人、などなど…なるほど、色んな人に図書館がオススメなのが納得出来ます。
「夢を叶えるゾウ」でも、歴史の中で大体先人が似たような悩み味わってるから、悩みがあるなら図書館行って本読めて書いてあるの思い出したりしてました。

図書館という場所は、本がタダで借りられる場所なだけではないとよく理解出来ますし、個人的には図書館て予算削減だのの話や司書さんの冷遇条件ばっかり耳にするので、設備減ってるのかなて思ってたんですけれど、少なくとも2004年から2014年までの10年では2825館から3246館に増えてるとありますね。
いまググったら2018年だと3360館ですって。へー、へー、へーーーほんとに年々増えてるんだな。なんか嬉しい話だな。

章は「集中力」「発想力」「思考力」「教養力」と、それぞれの力にどう効果的な使い方が出来るかの例&説明と、「図書館のトリセツ」「使える図書館のチェックポイント」と、テーマ別にまとめてあり、必要箇所を読むだけでもなかなか楽しいし使える本かと思います。話題として外せない
「大型書店との違い」や、図書館の理念も丁寧に記載してあって、ははあ…これは便利だわ…て改めて知れたことはとても良かったですね。
本を買うだけなら、近くに大型書店が無いお住まいの地域の人でも、ネットの取り寄せや電書で今どきは出来ちゃうわけなんですが、
「買いたい本を探すために図書館を利用する」
という形も提案しているんですね。そうよねえ、中身の閲覧、ネットだと限られてるもんね。
技のひとつに「借り本買い」なんてのも紹介されてるんですが、これは私もよくやりますね!借りた本は概要を見たりの「閲覧」程度を基本として、もし繰り返し読みたい、熟読したいのであればその本は買う、というやり方を勧められてます。
図書館、どうしても借りるのに期限がありますけれど、本て勉強や熟考・再読・関連読みなどで必要なタイミングで好きに借りられるとは限らないですしね。
あと、書店と違って売る目的ではない本も多くあるのは良い点としてますが、新刊の速さやブームに乗れるのは圧倒的に新刊書店と明記されていて、図書館はあくまでも情報にアクセス出来る平等さと、それらを調べるのに手助けをしてくれる専門家がいる点などがメリットな点を教えてくださってます。

また、最近の話題性の高い、はちゃめちゃ大きかったりきれいだったりする図書館に対しても言及があり、その素敵さは把握しているものの
「遠くの大図書館より近くの中小図書館」
としており、また、「福祉っぽい雰囲気が好き」であったり、机の広さを重視しろ等々、どこまでも実用主義ですね。図書館、「使う」ものとして冒頭から末尾まで通して書いておいでです。それそれ~~!て、個人的には完全同意です。公共設備は使ってなんぼよね!
日常にどれだけまめに通えるか、近くにあるかなど、利用を「習慣化」するのを推奨されてまして、本が少ないだの建物がボロいだのは一旦置いといて、まずは行ってみておおまかな仕組みだけでも覚えるか、まずは自分の興味を探るとかをしてみるのを推してますね。なるほどねえ。そうだよねえまずは本に慣れるところからだよねえ。

書いてある有用な情報を羅列するとキリがないんですけれど、こんな感じで
「図書館はいいぞ」
で終始した本でした。ここのnote読む方は基本的に読書お好きで図書館もご利用している(場合によっては運営側だったり)するタイプとは思いますが、図書館推しの人の図書館トーク見るだけでも結構楽しいので、実用目的じゃない読み方をしても良い本じゃないかなと思います。

わたし、今住んでいるところは図書館とてもイイんですが、昔住んでたところはなかなか図書館難民だったんですよ。もし地元図書館イマイチなんだよなー、て人は、お勤め先の周辺とか隣町や、可能そうなら大学図書館なども視野に入れてみるといいかもしれないです。ははー、大学ね…利用出来るかは図書館次第とは思いますが、大学行ってない私はそこを選択肢に入れるのをそもそも思いつきませんでしたよ。

ということで、図書館ともうちょっと仲良くなってみたい、図書館が妙に好き、逆に図書館なにが楽しいかよくわからん、て人、よろしければぜひぜひ。わたしはこの方の別の著作の
「読書は1冊のノートにまとめなさい」
をそのうち読んでみようと手元のリストに入れてみました。図書館楽しいねえ。

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